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JIROの独断的日記
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2013年08月26日(月) 【音楽】新しい才能の発見。ベルリン・フィル、首席トランペット奏者、ガボール・タルコヴィ氏による「ハイドン:トランペット協奏曲」。

◆新しいと言っても、2005年からベルリンフィルのメンバーなんですが。

私が知ったのが、比較的最近である、ということです。

NHKBSプレミアムが、平日毎朝6時から放送する「クラシック倶楽部」という番組があり、

約2ヶ月前に、「ガボール・タルコヴィ、トランペット・リサイタル」という文字を見つけて、実はその時点では、

ベルリン・フィルの首席だとは知らなかったのです。

こんなことを書いてはのっけから白けてしまいますが、サイモン・ラトル氏が音楽監督になってからのベルリン・フィルは

カラヤンが振り、各セクションに伝説的名人がいて、かつ第一コンサートマスターが安永さんだった頃のベルリン・フィルに比べると

随分、「普通に近い」オーケストラになってしまった印象でして、あまり昔ほどの興味がなくなりまして、

若い頃の私だったらあり得ないのですが、各楽器の首席奏者すら、良く知らなかったのです。


しかし、こと、トランペットに関しては、タルコヴィ氏がやたらと上手いので、検索したら、ベルリン・フィルの首席だったのです。


それで、逆に、ベルリン・フィルを見直しました。

他のオーケストラの首席トランペット奏者で、ハイドンの協奏曲を録音している人は何人もいますが、やはり

アンドレは別格としても、モーリス・アンドレのようなソリストに比べると、はっきり言ってそれほど、ソロは上手くありません。

オーケストラのトランペット奏者といえども、勿論、オーディションでは、ハイドンの協奏曲をみな吹くのですけど、

アンサンブルの中のトランペットパートを吹くのと、ソリストでは、自ずと違いが出るのです。


しかし。

かつて、岩城宏之さんが、「ベルリン・フィルなら、多分、全員がソリストとして通用するだろう」と書いておられましたが、

まさしくそのとおりで、オーケストラで吹きながら、ソロでもこれほど上手い人が揃っているベルリンフィルは、やはりすごいです。


ベルリン・フィル公式サイトで、ガボール・タルコヴィ氏のプロフィールを読むと、

2005年8月1日からベルリン・フィルのメンバーである旨、記録されております。

最初から首席で採用されたのかどうかは分かりませんが、ベルリン・フィルのVacant positions(空席。つまり募集中、ということ)

を見ると、第一コンサートマスター(誰か、辞める予定ということでしょうね。以下同様)、第一首席チェロ、首席フルート、首席ホルン、高音ホルン(上吹きといいます)

2番トランペット・・・という募集の仕方をしているので、多分、タルコヴィ氏の時には、Principal Trumpet(首席トランペット)で

募集・オーディションがあり、それに合格したのでしょう。

とにかく、非常に安定しているトランペット。絶対間違えそうにないトランペット。いそうでいません。

引用元は、「古典派トランペット協奏曲集」 (輸入盤)です。

Amazonに注文してから、2回ほど予定より入手が遅れそうだ、という連絡があり、「結局廃盤でした」とならないか、ヒヤヒヤしてましたが、今日届きました。

トランペット協奏曲の定番、ハイドンと、フンメル(珍しく原曲通りホ長調。普通、変ホ長調で演奏。)の他、ネルーダ、L.モーツァルトなどが収録されてますが、

まずは、王道、ハイドンをお聴き頂きます。テクニックを誇示しているわけではありませんが、非常に

堅牢なテクニックという土台があって可能な演奏だと思います。


◆J.ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調Hob.7e-1 第一楽章 アレグロ


Gabor Tarkovi Haydn Trumpet Concerto 1st Mvt Allegro


カデンツァはオリジナルです。これは完全に初めて聴きます。


◆ハイドン:トランペット協奏曲 第二楽章 アンダンテ


Gabor Tarkovi Haydn Trumpet Concerto 2nd Mvt Andante


当たり前、と言ってしまうと実も蓋も無いのですが、明瞭な発音(音の立ち上がり)と伸びやかなロングトーン(延ばす音)、

正確な音程、美しい音色、ゆったりとした歌心。中学生でも吹ける楽章ですが、だからこそ、上手さが光ります。


◆ハイドン:トランペット協奏曲 第三楽章 アレグロ


Gabor Tarkovi Haydn Trumpet Concerto 3rd Mvt Allegro


細かい音の動きで、いささかの不安も感じさせない、テクニックの余裕と第二楽章とは違う、「これぞ、トランペット」という

輝かしい音色が、魅力です。


全体として、なにも「変わったこと」はしていませんが、それでいて、確実に印象に残る。ものすごく技術的に安定しているのと

やはり、音楽性。第二楽章で使った言葉と重複しますが「歌心」が満ちあふれた素晴らしいトランペット奏者だと思います。

もう一枚、タルコヴィ氏の「イタリアのトランペット協奏曲」も買いました。


これはまた、おいおい、ご紹介します。今日のハイドンを含む、「古典派トランペット協奏曲集」 (輸入盤)はお薦めです。

こういう、ラッパのCDなどというのは、アッというまに廃盤になっていることが多いので、気になったら買うことにしています。

それでは、失礼します。

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