JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆読売新聞「人生案内」の回答者の1人、精神科医、野村先生の回答を本にしたものです。 読売新聞に「人生案内」という、人生相談のコーナーがあり、以前は、YOMIURI ON-LINEの1コーナーとして無料で読めたのですが、 人生案内: ピンチをのりきる変化球 野村総一郎 (著) です。 本記事のタイトルに「続編です」と書きましたが、正編は、 人生案内もつれた心ほぐします(野村 総一郎 著) です。前回も書評を弊日記・ブログに書きました。 2011.03.10 【書評】人生案内「もつれた心ほぐします」(野村総一郎) 今回の書評も前回と同じことになりそうですが、野村先生の回答が素晴らしいのは絶対に相談者を「突き放さない」ということです。 ◆「親身になって人の悩みを聞く」とはこういうことです。全ての人の為になります。 野村先生は、人生相談で、他の回答者にしばしば見かける、半ば投げやりな回答を絶対にしません。 好きなマンガキャラの死 悲しい 感情移入する自分は変か(10代女性)(JIRO注:96ページ) こういうの、普通「相談」として扱われないのではないかと思いますが、野村先生は相談にのるのです。 この10代女性が愛読していたマンガは、NARUTO―ナルト― 63 (ジャンプコミックス)で、12年12月末現在で全63巻。 この相談が寄せられた時点で全何巻だったか、忘れましたが、忍者もののマンガです。 野村先生の回答はなんと、 このご相談を受けて、私も「NARUTO」を全巻読み通してみましたが、やはりかなりハマりましたね。 で始まるのです。当時はWEBで無料で読めたので、これを読んだ次の外来の時に先生に(前著の書評にも書きましたが野村先生は私の主治医です)、 「先生。あのマンガを本当に全部お読みになったのですか?」と伺ったら、「ええ、読みましたよ。ネットカフェってあるでしょ?」と おっしゃるので、驚嘆しました。別に普段はマンガをお読みになることはないそうですが、この10代女性の「悩み」に回答するために、 読んだのです。忙しいのですよ?外来は多いし、学会も有るし、大学病院の雑務もあるし。 そして回答を読むと、「こう解釈してはどうでしょう?」と、確かにマンガのストーリーを知らないと書けない内容になってます。 もうひとつ。やはり若い女性ですが、この相談も驚きますが、 「過去に戻りたい15歳--時間を戻す方法があったら知りたい」(152ページ) 相談内容を要約すると、「何をやっても無気力で面白くない。過去にもどってやり直したい」という趣旨で、 世の中の大人が15歳の女の子から「やりたいことが見つからないから過去に戻りたい」と相談されたら、 99.9・・・・パーセントは、「子供が何を言ってるの。これから見つければいいでしょ?」となるだろうと想像します。 ところが野村先生は「絶対に突き放さない」方です。回答の一部です。 私の頭に浮かんだのは、「『現在』は一瞬にして『過去』になる。過去と現在の区別はそれほど大きくない」という考えです。 真摯なのは先生の回答であります。他に誰がこのような回答を書けるだろうと感動します。 これはほんの一例で、本当に真剣な誰にも起きそうな悩み。東日本大震災被災者からの相談、等々 枚挙にいとまがありません。世の中の人々の悩みの範囲の広さとその全て対する 野村先生の回答は全ての人の「為になる」と思います。ご一読を薦めます。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2012年01月13日(金) 「鳴り止まぬ携帯電話にNYフィル指揮者が手を止めた」←ウォール・ストリート・ジャーナルがトップで取りあげるほどの出来事です。
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