卵形の建物の、 売り子。
折られた携帯や、 振りかざした牛乳。
其の現場。
一つ。 一つ。
嘗ての文字を回想し。
一つ。 一つ。
其の脳裏に想い描いた風景を、 眼前の画に置き換える。
既に、 十年近く過ぎ去った歳月は。
埋まる筈も、 無いのだけれど。
当時より、 格段に寄り添った想いに、 重ねるには。
十分過ぎる程、 鮮明なのかも知れない。
「行きますか?」
水路の街の人の、 一言で。
描き終わった画を、 慌てて、 頭に仕舞い込む。
そうだね。
夜景より、 もっと此の目に映したい物に。
早く逢おっか。
---------- References Aug.06 2008, 「助けに成ったと想って居るのですか」 Jul.27 2008, 「始まりの日が揃うでしょうか」
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