互いが、 互いを、 支える気概は。
決して、 失われてなど無いから。
必要なのは。
支える、 事実の積み重ねでは無く、 唯の一言なのだ。
けれども。
日常の、 穏やかに流れる、 想いが。
其の受容体を。
徐々に、 徐々に、 蝕む故か。
其れとも。
日常の、 蓄積され行く、 歪みが。
其の受容体に。
高く、 高く、 壁を築く故か。
電話口で。 隣で。
文字で。 音声で。 贈答品で。
欠かす事無く、 贈り続けて在る筈の言葉が。
響かずに。
澱み留まる事が、 増えて行く。
繰り返し、 繰り返し。
記念日へと切り替わる、 其の瞬間を。
今年も、 罵り合いで出迎え。
翌日の、 丁度、 今頃の画を。
嘲笑うかの様に。
「何をしても。」 「いつも何の感謝も無いじゃない!」
姫は、 叫びの刃を突き立てた。
僅か、 一日経れば。
「誕生日おめでとう。」 「今年も手を繋いで過ごせることに。」 「感謝しています。」
姫への、 花と、 祝いの詞が届く筈なのに。
---------- References Sep.08 2005, 「祝えぬ誕生日でしょうか」
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