想いを排除し。
現実を、 真っ向から直視して、 結論を導いた。
自身だけは、 傷を負わずに済む、 其の算段を。
常に、 考え続ける相手を。
其の、 鋭利な結論を以て。
卑怯だと罵った。
応えを出さず。
逃げて、 逃げて、 先送りして。
残された選択が、 既に、 一つしかない所迄。
俺を、 追い込んだのは、 姫自身に、 他ならないのに。
其の、 唯一の選択を。
「認知だけしてもらって良い?」
選んでも良いかと、 姫は、 俺に問うのだ。
好きだから怖い。
再び壊れるかも知れないから、 進みたくは無い。
壊れた過去を、 持つ故の。
僅か、 其の一つの想いを。
真っ先に、 理解すべき存在が。
何故に、 其れを理解してやれない?
「決められないなら決めてやる。」 「精算しようよ。」 「半端な雄の子なんか残すな。」 「綺麗さっぱり全部壊せば良い。」
日付が変わると、 ほぼ同時に。
罵声と、 怒声で、 始めて終う。
姫の、 一年に一度の記念の日を。
そして恐らくは。
俺と二人切りで祝える、 最後の誕生日を。 |