すれ違いの日々だから。
直に貴女の声を聞ける時間帯に、 俺は時間を創り出せずに居るから。
「たまには伝言でも残してよ。」
俺は貴女へ、 軽くふんわりとした真綿を、 投げた心算なのに。
「あのね・・・」 「電話しても出ないで!」
伝えた言葉が。
如何して、 途轍も無い容積と質量を備えた言葉に、 成長してしまったのだろうか。
横で震えている携帯に。
約束通り、 手ではなく目を遣りながら。
「力まなくて良いのにな。」
きっと貴女が伝言するであろう内容に、 想いを廻らせた。
一夜だけで良いから。
文に記した文字と、 分身に込めた想いに包まれたまま、 貴女が眠りに就ける様。
貴女の、 来年の誕生日こそは、 一緒に過ごそう。 |