< 何色に光っていましたか >
目の前にいるのは、 貴女よりもたった一年だけ早く、 この世に生を受けた人。
祝宴にも満たない小さな宴で、 彼女の為の乾杯をした。
俺はどうして此処に居るんだろう。 俺はどうして貴女の側に居ないんだろう。
たまたま用事があって訪れたこの地に、 たまたま友人が何人も居て、 たまたまその内の一人が誕生日だっただけ。
そう言い聞かせながらも、 心はこの地に無い。
「お誕生日おめでとう」
乾杯と共に、 友人達とグラスをぶつけ合った後、 そっと一人で呟いた。
天にかざしたグラスの色は、 何色でしたか? |
2002年09月08日(日)
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