< 中身も備えた誘いでしょうか >
今以上の肉体的浸食と、 其れ以上の精神的浸食が。
友人の迷いを、 完全に断ち切る術かも知れないと。
脳裏の奥へ置いた想いは、 確かに存在したけれど。
一瞬だけ、 泣きたく成る時が在って。
刹那の瞬間、 縋る幹が欲しく成る時が在って。
偶然、 其の隣に居た存在だから。
此の腕に、 閉じ込めるだけで十分で。
其処から先は、 不要だと、 想って居た。
「今度会うときもしか泣いてたら。」 「なぐさめろよ。」
半年前の、 彼女の其の言葉は、 現実化して。
「今度会ったときにも。」 「幸せな笑顔見せてね。」
半年前の俺の言葉が、 実現する時は、 決してもう来ない所迄。
彼女の想いは、 進んで終って居る事に。
背中に刺さる爪の痛みで、 今更気付く。
「悔しい。」 「恥ずかしい。」
瞳から零れた水分と、 流れ落ちた化粧を、 俺の服にすっかり吸わせ。
其処に二言を加えて、 宿に戻った、 花見の彼女は。
其の先を、 望んで居たのだろうか。
其の宿に、 空室が在れば。
或いは俺を、 招き入れたのだろうか。
次の覚悟を、 促すかの様に。
「・・・今度、続きしようね(笑)」
既に、 実も含む軽口を残して。
翌日、 住処へと帰って行った。
---------- References Jul.19 2004, 「其処迄限界に近かったのですか」 Mar.28 2004, 「聞き上手でしたか」 |
2004年09月20日(月)
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