< 其の価値を忘れて居ませんか >
互いに自由となる時間が乏しい中。
逢う為に、 相手の元に帰る。
「ただいま」
此の一言が持つ安心感を、 届けたい故に。
けれども。
ただ家に現れ、 飯を喰らい、 眠り、 出掛けて行く相手は。
どんなに愛しい相手でも、 例え抱き合って眠ろうと。
自身を召使いの様に扱う雄と、 何ら変わりないのか。
互いが好き同士で。 互いを欲し合って居ても。
互いに届かぬ想い。
其れでも。
相手の家に帰らねば、 顔を見ずに、 何年も経って仕舞う。
相手が家に戻らねば、 其の顔は何時か、 何処かに去ってしまう。
全て失いそうな不安に駆られ、 他の方法を産めずに、 日々だけが過ぎて行く。
「なあ。」 「同棲って何だろうな。」
「あほ。」 「本来俺がお前に聞く質問だろ。」
共に暮らす奴と彼女が、 何を想おうと。
只でさえ乏しい時間ならば。
一緒に居る時間の価値を、 見失ってはならない。
そう想わないか。
---------- References Oct.25 2003, 「幸せな二人に見えましたか」 |
2003年11月29日(土)
---------- History
2001年11月29日(木) もう少しだけ近づけませんか
< 出たら不味い電話でしたか >
何となく、 歯切れの悪い声。
何処となく、 余所行きの声。
久々に耳にする事の出来た、 声なのに。
折角の機会を提供してくれた相手に、 不満しか残らぬ、 そんな一日の始まりを、 夜半迄引き摺るなど。
今朝目覚めた時には、 想いもしなかった。
極自然の振る舞い。
俺は只、 普通の事を、 当たり前に、 行っただけの心算でも。
其の振る舞いが、 予測の範疇を超える事が、 在ると言う事実に。 可能性に。
俺が気付けなかった、 其れだけの事じゃないか。
意図や予測に無い反応が、 貴女を動揺させただけなら。
貴女らしいの一言で、 片付けられたよね。
「メッセージ残そうと電話したら。」 「小坊主出るんだもん。」
今日も終わる頃に、 貴女から届いた文で。
一日の疑問が氷解すると。
勿体無い一日を過ごして仕舞ったと、 少々馬鹿らしくなった。 |
2003年11月26日(水)
---------- History
2002年11月26日(火) 蓋を開けても良いですか
< 耐えて進める迄に回復出来ましたか >
深酒をして。
「酔っぱらいキャプテンのできあがり。」 「私も初めて口説かれた・・・」
君から届いた文が。
友人の一人が少々壊れた事を、 知らせて来た。
供養と称する宴会。
其の寂しさを紛らわせながら、 仲間内で呑む酒は、 殊更酔いを早めて行くのだろうか。
「誰か本気で口説いてよね!」
軽い憤りを、 酔いに任せてぶつけて来た、 君だけれど。
君の言葉の数々は、 未だ前を向いた言葉では無いから。
只寂しさ故に、 誰かに寄り掛かる様な想いでは、 決して君に真は訪れない。
そんな気がするから。
小さな痛みを必ず内包する、 そんな幸福よりも。
冗談ばかりに囲まれた、 今其の時の方が。
少々の幸せのみで構成される、 今其の時の方が。
未だ君に必要な物だと、 そう思うんだ。
---------- References Mar.08 2001, 「何故胸の内を開けたのか」 Mar.10 2001, 「そんなことがあったのか」 Oct.31 2003, 「言葉の基本形は何れだったでしょうか」 |
2003年11月24日(月)
---------- History
2002年11月24日(日) どちらに重みが残っていますか
< 眠れる価値に気付けないのでしょうか >
軽く広がりを持つ集団の中で。 其の両極に位置し、 山の裾野を形成する領域。
統計的に切り捨てられ、 日の目を見る事も無く消え行く、 領域。
平時に生きる事無く、 只静かに、 眠る事を運命付けられた領域。
けれども。
環境の変化が起こり、 其の集団が危機を迎える刹那に。
種を残す為に必要不可欠な、 領域。
例えば生命と種の保存に、 視点を置き換えれば。
極端は。
決して悪では無く、 非常時にのみ活動する事を義務付けられた、 救世主なのだから。
貴女の様な人は。
極限に至れば至る程、 力を発揮するのだろうか。
だとすれば。
平時には其の姿を眠らせて居る、 そんな存在なのだろうか。
数日間続いた内容満載の文が、 再び途絶え。
日々の様子を伺い知る事が、 再び出来なくなった。
常なる努力は。 継続は。
貴女の苦手とする所なのだろうな。
---------- References Nov.15 2003, 「見つめ直して居ますか」 |
2003年11月22日(土)
---------- History
2002年11月22日(金) 二人が一番近付く方法は何ですか
< 爪の先に甘い毒を仕込むのですか >
心地好い距離感を保つ為には。
雄に許された選択肢を、 行使する事無く過ごさねばならない。
狩りの本能が備わって居るから。
自身の爪で、 互いの距離に傷を付けぬ様に。
指先から覗いた爪の先を、 何度も、 必死に、 指の間に閉じ込め直す作業を、 繰り返さねばならない。
けれども。
あの時の沈黙を、 例え投げ遣り半分だと、 理解していても。
牙を剥かせるには、 十分過ぎる解答。
あの一瞬の間は。
言葉遊びを通り越し、 邪な想いを育て上げるのに、 十分過ぎる間隙。
そして。
互いの遊び心が、 言葉遊びの範疇に収まる程小さく無い事を、 再認識するのに十分な時。
「そんな事言ってると・・・」 「本当に襲っちまうぞ!」
何時と変わらぬ問い掛けに。 普段通りの冗談に。
そして俺なりの励ましに。
「・・・。」 「それでもイイっかな。」
御嬢は。
初めての沈黙と初めての許容を、 投げて来た。
---------- References Nov.18 2003, 「誘導路の灯が点いて居たのですか」 Nov.10 2003, 「酒精に強い人では無かったですか」 |
2003年11月20日(木)
---------- History
< 誘導路の灯が点いて居たのですか >
無理強いをした筈は無い。 一方へ誘導した筈も無い。
両端の意見を示して、 相手に其の取捨選択を託し委ねたと、 想っているけれど。
其の想いは、 客観的な事実だったのだろうか。
選択肢を提示した心算でも。
「今の二人はちゃんとどっちも切って」 「真っさらにします!」
影響力の強さを反映するかの様に。
届いた報告は、 俺の意図が結論と成った事を、 知らせて来た。
俺の邪な想いが。
相談に返す言葉と姿を変えて、 既に表面化したかも知れないんだ。
そして其の匂いを。
既に嗅ぎ取られた可能性も、 否定出来ないんだ。
礼拝に誘われる侭、 友人と日曜の教会を訪れた御嬢は。
何を想いながら、 其の手で十字を切ったのだろうか。
誰を想いながら、 其の手で十字を切ったのだろうか。
聖なる水は、 邪を洗い流してくれたのだろうか。
---------- References Nov.10 2003, 「酒精に強い人では無かったですか」 |
2003年11月18日(火)
---------- History
< 見つめ直して居ますか >
顔が見えない距離だから。
表情を通した其の奥底を、 会話や文字では追えないけれど。
情報量さえ多ければ。
其れを束ねて、 想像と理解を深めて行けるから。
今日の貴女を、 今の貴女を。
出来るだけ多く含んだ情報を、 欲するのだろうか。
今日の違いを探す旅は、 相手に自身を見つめ直して伝え直す、 そんな作業だからこそ。
貴重な行為で在ると同時に、 相手の今を感じ取れる切っ掛けとして、 存在し得る。
「最近はね、仕事が『楽しい』って思えるようになったよ。」 「自分が『楽しい』って思ってるからなのか。」 「事務所のオジサマに『おや?明るくなったね〜』って言われた。」
貴女の文が、 今日も届いた。
そんな話が聞きたかったんだ。
例え其処に、 巨大な悔しさや嫉妬を内包して居ようと。
其の場に居られぬ自分を呪い、 其の場で感じ取れる他の雄を呪おうと。
普段触れ合う人から発せられた言葉は、 俺にとって貴重なんだ。
顔が見える人の言葉だから。
---------- References Nov.12 2003, 「相手の傍に身を置けますか」 |
2003年11月15日(土)
---------- History
< 其の形は俺でしたか >
自身の傍に、 常には存在し得ない相手を。
自身の傍に、 常に在る象徴に連結させる。
二人で過ごした日々を、 傍らの物体へ刷り込んで行く。
エピソード記憶。
想いを募らせれば、 想いを強くすれば、 より一層、 記憶の連関は強化されて行くのだろうけれど。
貴女から届いた、 久々の長文。
「買い物をする」 「→財布を出す」 「→財布に入ってたラブホのカードを見る」 「→小坊主を想い出す♪」
貴女の記憶の連関は、 何処迄連なる大河と化して居るのだろう。
「帰り道チャリこぎながら(//∇//)テレテレってしてたら・・・」
「ソーセージが買い物袋から落ちて」 「アチコチに散らばってしまった!」
「小坊主、打撲してない?」
貴女の周囲には、 一体何人の俺が住んで居るのだろうか。
大丈夫。
少し忙しいけれど。
俺も、 俺のも、 健在だから。
---------- References Jul.31 2003, 「触れずに残る痕跡も在るのですか」 |
2003年11月14日(金)
---------- History
2002年11月14日(木) 望む物は何ですか 2001年11月14日(水) 慎重になってはいけませんか
< 相手の傍に身を置けますか >
共に過ごす刹那の時に、 情熱で互いの身体を焦がし。
個の時間に、 大切に自身を育て上げる事は。
住む距離如何に依らぬ物だけれど。
住処の離れた二人が、 強い意志で繋がり続ける時。
互いが近くに在る二人と比べて、 圧倒的に劣る部分。
日々の共有。
目の前で起きた一寸した出来事を、 共に笑う事が。
困難を極める。
貴女と。
日々を一緒に笑えたら良いと、 そう願っているから。
共に過ごして居ると言う想いを、 常に持ち続けたいから。
小さな変化を想い返しながら、 俺はこうして、 携帯を握るけれど。
貴女の日々に、 楽しさは無いの?
貴女の日々は 変化が無いの?
貴女は日々、 歩んでいないの?
忙しくても、 余裕が無くても、 一方向の情報発信でも。
少しずつでも、 日常を伝えていかなければ。
迷子になっちゃうんだよ。
普段と異なる何かを、 探して今日を話さなければ。
遠距離恋愛の持つ弱点に、 喰われてしまうんだよ。
普段顔を合わせて話す事が、 無い恋愛なのだから。 |
2003年11月12日(水)
---------- History
2002年11月12日(火) 救いの神になれますか 2001年11月12日(月) 気持ちに正直になっていますか
< 酒精に強い人では無かったですか >
自身の夢と、 其の夢を破壊し兼ね無い、 相手の行為。
二度の堕胎を、 過去の相手に強いて、 猶も責任感の無い言葉を続ける相手に、 愛想を尽かし。
「子供ですよね。」 「最悪ですよね。」
酒精の勢いに身体を委ね、 愚痴を並べ。
旧知の友人の優しい言葉に、 誘われる様に。
遙か彼方に住まう友を、 訪ね、 抱かれ。
「やっぱり遠距離は無理です。」 「私には。」
酒精の勢いに逆らうかの様に、 冷静に言葉を選ぶ。
特急の車内で、 頬をほんのり赤らめて。
大っぴらには出来ぬ内容の話を、 お互いに交わした時間は。
案外楽しい時間帯だったけれど。
「小坊主さんがフリーだったら良かったのに。」
御嬢が。
小用に向かい席を立つ寸前に、 耳元で残した言葉は。
酔いに任せた、 何時もの冗談だろうか。
其れとも。
例え俺と御嬢がどんな選択をしても、 半年後は遠距離になると、 認識した上で。
口にした本音か。
---------- References Oct.13 2003, 「何番目の貝殻代わりですか」 |
2003年11月10日(月)
---------- History
2002年11月10日(日) 隠した寂しさが見えていますか 2001年11月10日(土) 黙っておくべきでしたか
< 深層を隠す為の手段なのでしょうか >
極限迄。
唇を近付け、 魅惑的な音を奏でる。
鼻歌混じりの歌を、 如何にも御機嫌麗しき様と言った具合に、 囀り、 踊り、 弾む。
じっと息を潜め、 其れを覗き見る存在が。
直ぐ近くに在る事など、 露程も知らずに。
事が露見し、 其の事実を認識すると。
「未だ切れてないの?!」
「それ、切る前にしてよ。」
「だって、恥ずかしいもん・・・」
何時も貴女は大仰に驚いて。
恥ずかしいと言う一言を残し、 そして口を噤むんだ。
決して自分から、 電話を切れぬ貴女。
其の貴女が、 俺が受話器を切った直後に魅せる姿が。
篦棒に楽し気で、 篦棒に明るいのは。
寂しさの裏返しなのだろうか。
俺の声が終わった事を、 認めたく無いからだろうか。 |
2003年11月08日(土)
---------- History
< 何の為に依存をするのですか >
泣こうが、 喚こうが、 愚図ろうが。
惚れた相手を構う事など、 苦になる筈も無い。
苛つきの原因など、 端から理解して居る。
只其れを、 俺が認めたく無いだけ。
人が人に依存した時、 産まれる物が。
人を駄目にする型の、 依存心が。
貴女に見え隠れした事。
相手の魅力を何処に感じるか、 千差万別だろうけれど。
日々の努力を忘れた瞬間に、 人の輝きは消えると想っているから。
例え相手に依存しても、 其れを糧に自分が進まねばならないと、 そう想っているから。
無条件にぶら下がり、 只俺が引き上げる事でしか自分を高めぬ素振りが、 貴女に見え隠れした時。
激しく苛立ちを覚えたんだ。
例え貴女が掛替えの無い人で在っても、 俺は貴女の親では無い。
例え貴女と一緒に居たいと想っていても、 俺は貴女を、 一生の伴侶と定めた心算も無い。
貴女は何を確定要素にして、 其れを産み出した?
女としての魅力以前に。
人としての輝きすら、 貴女は失って行かないだろうか。
---------- References Jun.09 2003, 「階段を上っていますか」 Aug.23 2003, 「何れが正しい答えでしょうか」 |
2003年11月06日(木)
---------- History
< 強さが本質でしょうか >
其の言葉は。
何処から産まれ、 何処に向かう意志を有して 漂うんだろう。
器の小さな想い故に、 其の大部分を零れ落とした言葉が。
独り歩きしているから。
今迄と、 何の変化も無く。
「ぶらさがるだよね。」 「強くなれるように頑張る。」
還って来た貴女の言葉は。
きっと半分も、 俺の想いを含まぬ言葉。
貴女は日々、 何を想って過ごして居るのか。
強くなる為に、 具体的に何をするのか。
抽象的な言葉には、 何の力も備わらない。
其処に籠める意志と行動が、 真の強さを産み出すのでは無いのか。
そして其れ以前に。
強さを纏って欲しいと言う願いなど、 何処にも無い。
只何かを待って過ごす花に、 香りなど産まれない。
幾ら綺麗な花だとしても。
香りが無ければ、 働き蜂も寄る事は無い。 |
2003年11月05日(水)
---------- History
2002年11月05日(火) 宿題を出して良いですか
< 痕跡に負けぬ力が届きますか >
少し揺らいだ想いの狭間に、 漂う香り。
何らかの切っ掛けで、 既に連絡すらも取り合わぬ相手の近況へ、 針が向く。
今。 現在。
自身の傍で自身を包む存在に、 何度も何度も、 身を委ねようとして。
「何度も思ったの。」 「結婚しようって。」 「必要としてくれる事が嬉しかったの。」
束縛から解き離れる事を、 望んでいても。
本気の想いを、 互いの想いに投げ付け、 互いの意志に叩き付けて。
其の結果、 想いの岩が砕けようと。
其処に残した痕跡は、 真に値する物だからなのか。
「違う人への気持ちがある。」 「その事の方が大事なの。」
アイツの抜け殻は、 香りの先は。
未だ俺と言う亡霊を追い続けて居ると、 書き記す。
もう何もしてあげられないけれど。
こんな時、 只『幸あれ』と願えば。
痕跡に負けぬ力を、 何時かアイツに届けてやれるのだろうか。
---------- References Apr.19 2003, 「本当は何が詰まった文ですか」 |
2003年11月04日(火)
---------- History
2001年11月04日(日) 上手くいってますか
< 言葉が泳いで漂っていますか >
想いを的確に表現出来得る言葉が見付からず、 もどかしさを覚えながら。
陳腐な言葉を例に出し。
届いた言葉が、 別の意志で動かされている事を感知し、 自身の表現力の無さを呪う。
依存と言う言葉が支配する領域は、 広過ぎて。
俺の腕では扱い切れない。
「何か突き放されているみたい。」
「突き放すのはいけない事なの?」
涙声の中から貴女が搾り出した言葉を、 返す刃で斬っておきながら。
疑問に対する補足の言葉を、 援軍として投入するには。
俺の国力が貧弱過ぎる。
劇烈な言葉尻が、 嫌な余韻だけを残してしまった。
「少し位寄り掛かっても良いと思うけれど。」 「ぶら下がるのは違うんじゃないか?」
貴女は俺に、 彼氏以上の物を求めて居ると。
駄々っ子の様に、 本能が厭悪感を伝えて来るけれど。
其れだけじゃ、 進んで行かない。
この言葉じゃ、 何の解決策にも成り得ないんだ。 |
2003年11月03日(月)
---------- History
2002年11月03日(日) 俺の負けですか
< 何の姿で居れば良いのでしょうか >
個々の組み合わせに依って、 其の役目は形を変え。
時々の状況下に依って、 其の役目が刻々と変わるから。
何を求め、 何を求められるのか。
探り、 見極め、 伝え、 察して、 進む。
其れ故に。
組み合わせを変え、 姿を変え、 自身が成長して。
最後には、 二人の行き着く場所を、 二人で築き上げる事が可能と成る。
間違いだろうか。
「小坊主は私の応援団?」
怒り混じりに叫んだ、 貴女へ。
「うん。」
そう一言、 答えてはいけないのだろうか。
「俺は貴女の何?」
「彼氏!」
「じゃあ彼氏って何?」
其の問い掛けに。
貴女は何故、 自身の求める姿を提示出来ないのだ。
俺と言う存在が、 貴女にとってどんな存在なのか。
俺と言う存在は、 貴女の為に何を為すべきなのか。
そもそも。
其れすら分からぬ俺は、 応援団以下か。 |
2003年11月02日(日)
---------- History
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