あの男と一緒になってから見えて来た物なんて、 当然存在するに違いないんだ。
その事を良く理解しているから、 君は賢い子だから、 必死でお互いの妥協点を探しているんだ。
「お互い自分は正論だと思ってる」 「相手の意見も分かるけど受け入れられない部分」 「どちらかが一方的に悪いわけではないかも」
親友も話をした。 俺とも話をした。
彼女は落ち着いた。 前に進もうとした。
けれども・・・
「先週からは暴力が出てきたよ」 「そろそろお互い疲れてきたね」 「暴力が出たとき信用が一気に揺らいできた」
「私も自分が出せなくなる気がする・・・」
「簡単に別れられる関係ではないと思ってる」 「がんばってみるけど」 「でも頑張りすぎないようにしようと思います」
嫌な匂いのする文面。
何か悪い事が起きそうな時、 必ず感じるこの感覚。
「まさか君は、悪い意味で吹っ切れてしまったのか?」
心の中に巣くったこの気持ちを、 俺は出来れば否定したい。
彼女も遠距離恋愛だった。
俺がアイツの話をしていた時も、 彼女が彼の話をしていた時も、 お互い新発見の連続で、 お互い納得の行く事ばかりだった。
だからこそ応援したい。 だからこそ上手く行って欲しい。
「今回は会えないかな?」
そう伝えて来た君の言葉。
諦めの言葉であって欲しくない。 だから会うよ。 飯でも食おうよ。
単なる意見交換と、 単なる気分転換と、 自分を整理して奮い立たせる機会になる事を祈っている。 |