時が進まぬ儘で、 其処に在り続ける事は。
不自然に他ならない。
時の積み重ねに比例して、 薄まり行く事こそ。
進む事の証左だ。
けれども。
其処に、 不変で在り続ければ。
里程標として。
想いの縁を担い続ける事も、 出来るのか。
其れが、 決して自身に視得た事は無い、 存在だとしても。
残る事は是だろうか。
其れとも。
其れを、 身近に感じ続けた自身の、 分身だとしても。
残らぬ事が是だろうか。
「十年か。」
「何が?」
俺の言の葉に。
あの子は、 其の意を問うた。
起点の日。
産まれ。
亡くなり。
そして、 不治の可能性を告げられた、 其の刻は。
あの子の中では。
少しずつ、 進む事で減弱し。
俺の中では。
小さい姿で、 残り続けて了うね。
---------- References Aug.14 2012, 「禁句が幾つ見付かるでしょうか」 Nov.28 2012, 「一月だけの命でしょうか」
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