日々に、 時折添える波は。
日々の平易を、 軽やかに彩るけれど。
波を起こす事が、 其処に必須な訳では無くて。
本当は。
波を生じさせようと言う意志が、 幾重か重なり逢う事に。
意義が在るのかも知れない。
「おたんじょうびする?」 「けーきあるぅ?」
「ケーキは無いけれど。」 「特別でお稲荷さん作ろうか。」
娘と、 姫と。
二人の心算で在った、 其の宴に。
「買って来たんだけれど。」 「おめでとうしちゃった?」
寸前で。
半ば強引に、 割って入った俺へ。
「小坊主は何だか一生懸命だったから。」 「良いか。」
姫は、 そう呟く。
姫の、 生誕の日。
初めて。
真に、 許容の一言が零れた、 そんな気がした。
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