無責任賛歌
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| 2003年08月18日(月) |
ギャグをやるなら命がけ/『魔法先生ネギま!』2巻(赤松健) |
ようやく夏が来たかという感じの暑さ。職場でもタオルで額の汗を拭う人が増えているし、いつの間にか鳴き出した蝉の声も間断なく、ただうるさい。 それでも例年のように目眩がするとか、そういうことはないので随分楽である。 ヨーロッパの方は日本と反対に四十度を越す日もあって、死者も多数出たそうだ。テレビのニュースでは、道端で素っ裸になってるデブッたおっさんばかり映してるが、どうして女性の(自粛)。犬が公演の噴水に飛び込んで泳いでいるのが哀れを誘う。日本の冷夏はこのヨーロッパの猛夏の影響だそうな。 でも、特に気象に詳しいわけじゃないから、偏西風がどうのこうのと言われても、感覚的に何がどうなってどう影響してるのかは全然ピンと来ない。来年、この逆にヨーロッパが涼しくて日本が暑くなっちまうんじゃないかと、そんなことが気になるのである。母が死んだのも例年になく猛暑の夏の終わりだった。
仕事から帰って、短いけれども頑張って日記を五日分更新。二十日近く溜まっているので、殆ど焼け石に水なのだが、飛ばして今日の分だけ書くというのももうしたくはないので、何とか進める。平日のチャットなんぞしなけりゃ、もちっと書けるんだろうが、これも楽しいのでついつい番人してしまうのである。人待ちしてる間に日記が書けりゃいいんだが、集中力もだんだん衰えてきているので、入室待ちしてる間は日記を書き進められないのだ。 結局、どんどん自分で自分の首を締めているのである。
夜、チャットでヨナさんから「フジテレビが13日に放映したバラエティー番組の中で、プロ野球ダイエーの王貞治監督を侮辱するような場面があり、ダイエー球団が抗議していた問題で、フジテレビの矢吹忠比古スポーツ局長が18日、福岡ドームに佐藤賢二球団本部長を訪ねて謝罪した」というニュースを聞く。 当該の番組は見てないんでよくは分らないが、ギャグであろうが真剣であろうが、誰かをからかったり揶揄したりする場合、自分たちがいったい何をしたいのか、そのリアクションがどう来るかを想定した上でやんなきゃ意味ないと思うんだが、さて、イマドキのバラエティー番組作ってる連中がそこまで考えてるものかどうか。 基本的に私は、芸能人を含めてメディアに顔出ししてる人たちは自分たちの行為を批判・揶揄されることは覚悟しなきゃなんないものだと思っている。その点、王監督の「芸能界と野球界は違う」との認識は誤りだ。違うというなら、野球人が現役時代からCMに出るような「芸能活動」をしちゃイカンがな。 仮に当該番組の内容がひどく下品なものだったとしても、まあ腹を立てるくらいならばともかくも、番組に圧力を加えたり、訴えたりするというのは、それこそ逆に「何様のつもり」という謗りを受けても仕方がない。いしいひさいちのマンガに文句垂れてたオッサンも巨人にゃいたが、「大人げないよなあ」としか思われなかったものねえ。 記事をよく読むと、謝ってるのは「スポーツ局長」であって「番組ディレクター」ではない。つまり、番組自体はあくまで王監督を「侮辱したい」という姿勢を崩したくないのだ、とも取れるのだが、本当のところはどうなんだろう。もちろん批判に対して逆批判される「覚悟」があってやったのであれば、これはどうあったって謝っちゃいかんのだが。 でも、今のテレビディレクターはバカばっかだから、十中八九、そこまでの覚悟はなかろうと思うんである。今回ばかりはバカにちょっとお灸をすえる意味で、プロ野球協会はフジテレビに対して厳しい処置を取ってもよかろうと思うよ。
チャットにグータロウ君からの書きこみがあったけれど、返事をする余裕がなかったので、直接電話をする。 グータロウ君、テレビで『アクロイド殺人事件』を見たそうで、えらくクサしてたので、さてどの『アクロイド』かと気になったのだ。 『アクロイド殺し』は1931年にオースティン・トレバーがポアロに扮して『アリバイ』のタイトルで映画化されている。もちろん日本未公開なので、まさかそれじゃあ、と思ったのだが、話を聞いてみると、残念ながらデビッド・スーシェ主演のテレビドラマ版であった。 ミステリをちょっとでも齧ったことがある方なら先刻ご承知だろうが、『アクロイド』は天と智がひっくり返っても映像化は不可能なのである。全く、なにを考えて映像化したのかねえ。
マンガ、赤松健『魔法先生ネギま!』2巻(講談社/少年マガジンコミックス・410円)。 こないだ1巻読んだばかりだと思ってたのに、もう2巻が出た。 しげからは「2巻まで買っとう!」と吐き捨てるような言い方をされたが、そこまで言わんでも。40過ぎのオッサンがラブコメ読んじゃいかんという法律でもあるのか。50過ぎてもラブコメ描いてるマンガ家だっているだろう。 それはそれとして、確かに読み進めるのがツラクなるマンガではある(^_^;)。1話に1回はパンチラないしはヌードを出そうって姿勢は買うが(買うのか)、「幻の地底図書室」とか、なんだその設定。あろひろしがやるなら笑える設定でも、赤松さんがやるとトホホなものにしか見えないのは、作者の主眼がキャラ萌え読者しか相手にしてないからなんだよなあ。でもとりあえずクラスの生徒が全員出揃うまでは様子を見よう。見ても同じだろうけれど。
2002年08月18日(日) 草臥れ休日/アニメ『サイボーグ009』地下帝国“ヨミ”編/『エキストラ・ジョーカー KER』(清涼院流水・蓮見桃衣)ほか 2001年08月18日(土) オトナの玩具はコドモ/『悪魔の手毬唄』(横溝正史・つのだじろう)ほか 2000年08月18日(金) 気が滅入る話/『明日があるさ』(林原めぐみ)ほか
| 2003年08月17日(日) |
穏やかな休日/映画『宮本武蔵』『續宮本武蔵 一乗寺の決斗』『宮本武蔵完結篇 決闘巌流島』 |
アニメ『鉄腕アトム』第19話「ロボットボーイ」。 今回えらく線が固いなあと思ったけれど、やっぱり作画監督が杉野一夫だった。杉野さんの『ブラック・ジャック』も相当違和感があったけれど、『アトム』にまで起用するのはどうかと思う。名作をたくさん作ってる人にこういうことを言うのは何なんだけど、昔はまだしも、今やすっかり柔らかい線が描けなくなっちゃってるんだからねえ。 チックとタックをロボットにして出演させるのも、原作ファンはあまり嬉しくなかろうねえ。
NHK‐BS2で映画『宮本武蔵』『續宮本武蔵 一乗寺の決斗』『宮本武蔵完結篇 決闘巌流島』の三本を立て続けに見る。 ちょっとした映画通なら、宮本武蔵の決定版は内田吐夢監督・中村錦之助主演版『宮本武蔵』五部作を挙げるところだろうが、私はこの稲垣浩監督・三船敏郎版の三部作も嫌いではない。だいたい戦前からの映画ファンは「宮本武蔵」と言えばたいがい片岡千恵蔵を挙げる。世代により、武蔵観の違いにより、好みは分かれて当然だろう。 この三本も見返すのは随分久しぶり。嫌いではないと書いたが、原作を後半はしょったために、欠点は随所に生まれている。 ある種群像劇の要素もあるシリーズだが、前半の主要人物である本位田又八(三国連太郎→堺左千夫)やお杉婆(三好栄子)、沢庵和尚(尾上九郎右衛門)と言った面々が完結編では影も形も現れないのはやはり始末がついていない印象を与える。 お通(八千草薫)も、美しくはあるのだけれど、どうもお嬢様演技が抜けきれていなくて、もう一つ心に迫るものがない。お前さあ、自分から武蔵追っかけといてよ、いざ武蔵が襲いかかったら「いけません!」って拒絶してさ、それで武蔵が決闘に赴くと「私より剣の方が大事なのね」って、ただのやらずぶったくりのバカ女じゃん(-_-;)。 これ、アカデミー外国語映画賞を取ってるんだけど、外国人はこれのどこにどう面白さを見出してるんだろうか。それほど凄いとも思わんのだが(ウィリアム・ホールデンが強烈にプッシュしたとの説あり)。 それでもやはり三船敏郎の殺陣の豪快さは一見の価値があろう。三船はやはり稲垣監督の『佐々木小次郎』でも既に武蔵を演じていたし、この映画が作られた昭和29(1954)年から31(56)年にかけては、『七人の侍』『生きものの記録』などの黒澤明作品に出演していて、脂の乗りきっていたころだった。
今日も一日中、日記書き。過去の記憶を引きずりだしながらだから、既に正確さは失われてるとは思うが、まあ公開日記なんてものは虚実皮膜なところが面白いんだから、真実をご存知の方も薄目で見ていただければ幸いなのである。
夜、パソコンを使い始めたら途端にフリーズ。 ウィンドウを10個ほど開いたらそうなっちゃったんだが、スタートボタンすらクリックできなくなっちゃったのには参った。仕方なく電源コードから抜いたけど、そのうち壊れたりせんかな、このパソコン。
2002年08月17日(土) しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん/アニメ『プリンセスチュチュ』第1話/映画『ピンポン』 2001年08月17日(金) 代打日記 2000年08月17日(木) 明日から仕事/『夜刀の神つかい』(奥瀬サキ・志水アキ)ほか
| 2003年08月16日(土) |
危険な予感/『空想科学大戦1』(柳田理科雄・筆吉純一郎) |
「盆が明けたら来て下さい」と眼科医に言われていたので、出かけたけれども、月曜からであった。日にちをハッキリ指定しておいてほしかったものだと思うが、出かけるの前にそのまま帰るのももったいなかったので、「五風」でカレーライスを食べる。
鴉丸嬢から、ホームページ用のイラストを一枚、しげが預かって来る。 早速、アップするけれども、色調の補正がどうもうまくいかない。あの色立てればあの色立たずで、原画の色になかなか近づかないのである。だいたい色弱の私にできる作業じゃないのだ(^_^;)。 結局一枚アップするだけで小1時間かかる。いつまで経ってもパソコンに馴れないことだ。
夜、上司から電話があって、突然、アキレス腱を切ったので、来週から仕事を休むとのこと。まあ私もしょっちゅうカラダ壊して休んでるんで、こういうときはぜひ力になって差し上げたいのであるが、するってえと例のアノちょっと困ったお方とお仕事する機会が増えるということでもあるのだ。あの、それはちょっとというか、凄くツライんですが(T∇T)。
マンガ、柳田理科雄原作・筆吉純一郎作画『空想科学大戦1』(メディアファクトリー/空想科学文庫・630円)。 某所では散々叩かれてる『空想科学』シリーズのマンガ版。そりゃ突っ込めばいくらでも突っ込めるけれど、そもそも他愛のないお遊びマンガだしなあ。もちろん、このマンガの描写の方が科学的に正しいと思いこむ人間が目の前にいれば「そりゃちゃうで」、とは言うだろうが、そもそもこの程度の科学考証が正しいと思いこむようなアタマの持ち主ならば、会話なんてしない方が無難である。 SFはかなりハードな作品でもどこかファンタジーな部分を持ってるものなんだから、そこに突っ込むのは野暮ってものなんである。 そもそもヒーローがマッハで空を飛ぶと死ぬとか、怪獣は自重で潰れるとかのツッコミは小学生のころにみんな散々やってきてるだろう。わざわざ本に書いたりマンガに描いたりするほどの知識じゃない。それが商売として成り立ってしまうくらいに世の中には「遊び」の要素がなくなっちゃってるのかと、そっちの方がよっぽど悲しいんだけどなあ。
2002年08月16日(金) ドリンクバーの果てに/『フラッシュ!奇面組』1巻(新沢基栄)/『永遠のグレイス』(川崎郷太・伊藤伸平)ほか 2001年08月16日(木) 代打日記 2000年08月16日(水) 橘外男&中川信夫ワンダーランド/映画『女吸血鬼』ほか
| 2003年08月15日(金) |
記念日って何の/DVD『レッド・ドラゴン』 |
終戦記念日ということで、新聞でもテレビでも式典関係のニュースがテンコ盛りだけれど、さて、こういうの見てる人って、どれくらいいるんだろうか。 ハッキリ言っちゃえば、もう戦争経験者で当時の記憶を鮮明に持ってる人って70歳以上だから、どうしたって大半の人は親身になって見ることなんてできはしないのである。視聴率が取れないのがわかってるから、制作者側も戦争関係の話については8/15に閉じこめといて、他の日はンなもん、忘れて暮らしましょって構図になってると思うがね。 何にせよ、上からの押しつけで反戦教育やったって、誰も聞きゃしねえ、ということが最近どんどん鮮明になりつつあるんじゃないかな。
14日午後4時(日本時間15日午前5時)すぎに、アメリカ北東部と、カナダ南東部にまたがる広範囲で大規模停電が発生。ニューヨークでは都市機能が完全にまひして、停電に関連して1人が死亡。 相当大きな惨事のようだが、テレビのニュースキャスターは以前のニューヨーク大停電のときに比べて市民は落ち付いているとレポート。いつまで停電が続くか分らず、市民がパニックに陥って乱暴狼藉を働いた前回に比べて、今回は「復旧が着実に進んでいること」「テロの危険性はない」ことを各市長が市民に知らせていたことが効を奏したのだろうとのこと。 ちゃんと「前回の経験」を生かしているわけで、日本人はこう手際よくはいかないんだろうなあと思うと残念である。これだから「過去に学ばない」とすぐ叩かれちゃうんだけどな。
こないだから、手をぶら下げてるだけで指先がジンジンするようになっているのだが、キーボードをしばらく叩いていると、痺れるだけでなく関節のあたりが痛くなってくる。関節炎か、それとも糖尿が進行してきているのか。
夕方から父のマンションで送り火。 「お母さん、また来いね」と父が声をかける間もなく火が消える。母も慌しいことだ。 そのあと父としげと食事に出る。「金龍」の横を通りかかったとき、「ここのラーメン屋はどげんや?」と聞かれたので、「とんこつだよ?」と答えたら「とんこつは好かん」と一刀両断。なんども書いてるが博多の人間がみんなとんこつラーメン好きだというのはただの偏見なのでご注意。 「大河すし」に案内するが、蕨餅まで流れてくる雑多さに、父はいささか閉口したようである。「まあまあかな」とこれも一蹴。実の父とは言え、舌の肥えた人間を案内するのはひと苦労だ。
DVD『レッド・ドラゴン』。 原作はレクター博士登場編で、かつて『刑事グラハム 凍りついた欲望(1986)』というタイトルで映画化されている(ビデオは『レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙』という更にトホホな題に変更)。 原作はかつて小林信彦がクサしてたんで、たいしたことないかと思って読んでないんだが、どうやらレクター博士人気に押されて、原作者が書き直したらしい。今回の映画はその改訂版に基づいたものらしいので、厳密に言えば「二度目の映画化」というのは当たらないのかも知れない。どっちにしろ原作を両方とも読み比べないことにはハッキリしたことは言えんな。 冒頭の「レクター博士逮捕劇」(これは先の映画版にはない)、実はこれが映画の中で最も面白いシークエンスなのだけれど、残念なことに面白さもつまらなさも同時に凝縮されているんだなあ。 刑事ウィル・グレアム(エドワード・ノートン)がなぜハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)を逮捕できたか、ということなんだけれど、本当はこれだけで一本の作品を作らないと、観客はどうしても「薄味」の印象を持ってしまうことになる。でも、「探偵が実は犯人」ってトリックはミステリーではもう腐るほど書かれてきていて、よっぽどの妙手が書かない限り、面白いものにはならない。だからあっさりと終わらせるしかなかったってのはわかるんだけど、その結果として「物足りない」印象に終わっちゃったのはやっぱり失敗だと思う。 簡単に言えば、自分が犯人だって証拠を残しまくりのレクターが、ただのバカにしか見えないのよ。『羊たちの沈黙』の時にはクラリスという更に大バカなヤツがいたからレクターのバカも目立ちゃしなかったんだが、やっぱりああも簡単に逮捕されちゃねえ。バカがいなけりゃリコウは目立たぬと言うが、シャーロック・ホームズが天才に見えるためにはやはり「ぼくのボズウェル」ことワトソン博士が必要なのである。 その「犯人がバカ」ってのは「噛みつき魔=トゥース・フェアリー(Tooth Fairy)」フランシス・ダラハイド(レイフ・ファインズ)にしても同じなので、幼少期のトラウマが犯罪の遠因になってるとか、サイコ・サスペンスの定番な設定をああも工夫もなく提出されると、見てるこっちは気恥ずかしくすらなってくるのである。だってねえ、ダラハイド、自分の力強さを見せつけるために新聞記者フレディ・ラウンズ(フィリップ・シーモア・ホフマン)に背中のレッド・ドラゴンの刺青見せるんだよ。アンタこれ、『ねらわれた学園』の峰岸徹の「私は宇宙だ!」と変わらんがな(^_^;)。 犯罪者ってのが何らかの形で自我肥大を起こしてるってのはわかるけど、それを抑制する知性がなかったら、探偵と犯人の理知の闘いのサスペンスは生まれないんだよね。 あと、ヒロインのリーバ・マクレーン(エミリー・ワトソン)も、いかにもダラハイドに騙されそうなマヌケっぷりを披露しているのも興醒め。ちったあ疑えよって。
2002年08月15日(木) 母の呼ぶ声/『フルーツバスケット』5〜9巻(高屋奈月)/『神罰』(田中圭一) 2001年08月15日(水) 代打日記 2000年08月15日(火) 盆休みも終わり……なのに毎日暑いな/映画『シャンハイ・ヌーン』ほか
| 2003年08月14日(木) |
やっぱり長く書けません。/映画『SF巨大生物の島』/DVD『天才マックスの世界』 |
朝、今日会う予定だった友人より電話があって、都合で会えなくなったとのこと。予定が空いてしまったので、溜まってる日記をつけることにする。 更新が遅れているので、書きたいことは多々あれどかなり省略。それでも原稿用紙にして10枚以上軽くかかってしまう日もある。結局二、三日分しか書けず。指がちょっと痛くなる。
夕方、NHK‐BSでハリーハウゼンのダイナメーションシリーズ、映画『SF巨大生物の島』。これも随分昔にテレビで見たっきり。 ジュール・ヴェルヌ原作の『神秘の島』が原作だが、同じ原作をもとにしたアニメ『不思議の海のナディア』とは似ても似つかぬ。『島編』で舞台が海岸線になってたことくらいか。 ネモ艦長を演じているのがハーバート・“ドレフュス署長”・ロムなんだけれど、なんでインド人じゃないのか。多分脚本家も原作よく読んでなかったんじゃなかろうか。 昔見たとき、「カニをわざわざ人形アニメにしてどうする」と思ったものだが、ホンモノのカニは思い通りには動いてくれないだろうからなあ。ハリーハウゼンの中でも珍品な方か。
DVD『天才マックスの世界』。 ビル・マーレイのフィルモグラフィーに長いこと“Rushmore”と原タイトルだけ載ってたんで、てっきり例の「ラシュモア山(あのワシントン、ジェファーソン、リンカーン、セオドア・ルーズベルトの顔が彫られてる山ね)」に関する話かと思ってたら、「ラシュモア」って、この映画の舞台になってる名門私立高校の名前だった。 中学校のころに書いた戯曲の天才的な出来映えに感嘆したラシュモア高の校長の推薦で入学したマックス・フィッシャー(ジェイソン・シュワルツマン)。ところが、マジメな勉強よりも課外授業の方に熱心な彼は今や落第寸前。ところがそんな切羽詰まった状況だというのに、ラテン語のクロス先生(オリビア・ウィリアムズ)に恋をしてしまい……。 オープニング、黒板の難しい数式をスラスラと解く夢を見ていたマックスが目を覚まし、校長から「史上最悪の生徒だ」と毒づかれ、学校新聞の発行、フェンシングチームの主将、演劇部の演出家、養蜂部の部長まで、18の部活を掛け持ちする様子が描かれるあたりまでは、こりゃどんなに面白い展開になることかと期待させるのだが、マックスが恋にのめり込んで行くと、話がどんどん辛気臭くなってしまうのである。 恋には必ず難関が立ちふさがるもので、マックス君のライバルは鉄鋼会社の社長、ブルーム(ビル・マーレイ)なんだけれど、彼を陥れるために不倫を奥さんにバラすなんて卑怯なマネ、「天才マックス」のやるこっちゃない。なんか一つ一つのエピソードのあと味が悪いんだよなあ。結局ラシュモア校も放校になっちゃうし。 全体的に悪い出来とまでは言えないんだけど、もっと面白くできなかったものかという物足りなさを感じてしまうのだ。。 マックスを慕い、後半心の支えとなる女学生、マーガレット・ヤン役のサラ・タナカ、これが吉本ばななを美人にしたような(微妙な言い方だな)メガネっ娘でかわいい。
2002年08月14日(水) 魔性の女/DVD『プカドン交響楽』/『藤子不二雄論』(米沢嘉博)ほか 2001年08月14日(火) 代打日記 2000年08月14日(月) せっかくいい気分だったのに……/映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』ほか
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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