無責任賛歌
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2000年08月18日(金) |
気が滅入る話/『明日があるさ』(林原めぐみ)ほか |
女房の作ったカレーがうまい。玉葱とコーンをペーストにして隠し味に使ったのだとか。そんな手間のかかること今までしたことなかったのに。 ……奇跡?
久しぶりに仕事。 職場にツアコンのねーちゃんが来ていて、話を伺う。 韓国旅行に行った時、むこうのガイドの人が、 「謝ってほしいなんて言いません。歴史の真実を知ってほしいのです」と訴えたが、日本人の観光客は無反応だったとか。
アジア人相手には尊大、欧米人には卑屈な態度を取るのは日本人の特徴。 だから、日本人に差別意識があることは間違いない事実。 なのに多くの日本人が「差別意識なんかない」と言い張るのは、先の戦争について「充分謝ってる」、つまり差別する原因はもうない、という意識があるからだ。 でも韓国人は「日本人は未だに謝っていない」と思っている。 この事実認識の差があるからお互いに歩み寄れない。
初対面の日本人と韓国人に会話させると、日本人はイエスかノーで答えられる質問をし、韓国人は「どうして?」「なぜ?」とイエスノーでは答えられない質問をする。しかも質問数は韓国人の方が多い。 日本人は相手の懐にいきなり入り込んでいくのは失礼だと思っているが、韓国人は相手に入り込んでいかない方が失礼だと考えている。 発想が全く逆なのだ。 だから日本人には韓国人が失礼な人間に映るし、韓国人はその逆。
日本人が謝れば謝るほど誠意がないように見えるのはそういうわけだが、この五十年、両国はそれを理解しようという意識を決定的に欠かしたまま不毛な論争を続けてきた。 日本人も韓国人も大バカ。
解決方法はひとつ。結局、相手のスタイルを許すしかないが、それができればとうの昔にやってんだよな。バカにつける薬はない。
林原めぐみ『明日があるさ』再読。 なんでと言われてもなぜか読んでいた。一歩間違えばこの人アチラの世界に行きかねないほどのめりこむタイプの人だ。 『西部劇』という映画の解説本。作者が外国人で『七人の侍』は保安官が農民と村を守る話の翻案、とデタラメが書いてある。あれは戦国時代の実話がもとなのに。
英和辞典で“Buena Vista”の意味調べ。米メキシコ戦争の戦場地の名前で、「よい眺め」という意味だとか。 じゃ、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』って「絶景社交会」? ……なんじゃそりゃ。
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藤原敬之(ふじわら・けいし)
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