JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆過去、何度もかきました。アンドレの次に上手い、と思います。 前回取り上げたのがおととしの2月でした。 【音楽】アメリカのトランペット奏者、ロルフ・スメドヴィック氏。世界一といって良いほど上手いです。 ところが、今年の4月に急逝されたとのことでしばらく呆然としていました。 Dazzling Trumpeter Rolf Smedvig Dies Suddenly 私は、スメドヴィック氏の演奏をエンパイア・ブラスの一員として、ですが、過去に何度も聴いています。 大変に輝かしくしかも、品のある、個性的な音色。完璧なテクニック、発音、音程。全音域でムラのない。粒の揃った音の玉。 ものすごく楽器が良く鳴っていて曖昧な音が一つもない。不必要に大袈裟に大きな音は出さない。 この人は、トランペットの神様、モーリスアンドレの弟子ですが、アンドレの再来とか言われる若いトランペット奏者が最近、 結構いるのですが、皆、何を聴いているのかな? その前にまず、スメドヴィック氏がいるではないか、といつも思っておりました。 基本的なトランペットレパートリーを聴いて頂きます。 ◆ハイドン、フンメル、タルティーニ、バッハ。 ハイドンのトランペット協奏曲第一楽章にはカデンツァがあります。 アンドレとスメドヴィック両方を知っている方は、明かにスメドヴィックのカデンツァがアンドレの発展形であることが 分かると思います。 ◆ハイドン:トランペット協奏曲 変ホ長調 第一楽章 Haydn Trumpet Concerto in E flat major, H. 7e/1 1st mov ◆フンメル:トランペット協奏曲 変ホ長調 第三楽章 非常に細かい音の動きがありますし、最後の最後まで、難しい曲です。スメドヴィックには、安定感があります。 Hummel Trumpet Concerto in E-flat major 3rd mov ◆タルティーニ:トランペット協奏曲 第三楽章 非常に正確で明瞭なタンギングを要求されます。アンドレ以外でこれを吹いている人、しかも、モーリスアンドレと 全く同じカデンツァを吹いているのは、私が知る限り、スメドヴィックだけです。簡単そうですが、ほぼ、超絶技巧です。 Giuseppe Tartini Trumpet Concerto in D major 3rd mov ◆バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番第一楽章 これは、トランペット奏者のレパートリーでも難しい何本指かに入ることは間違い無いと思います。 大変な高音での正確な、トーンのコントロールを要求されます。 Bach: Brandenburg Concerto #2 In F, BWV 1047 - 1. Allegro 高音でも音が刺激的にならず、輝かしさと柔らかさを保っている。非常に芸術的です。 第三楽章はもっと装飾音が入って大変です。 ◆ブランデンブルク協奏曲第2番第三楽章 Bach: Brandenburg Concerto #2 In F, BWV 1047 - 3. Allegro Assai ロルフ・スメドヴィック氏は文句が付けようがないほど上手い。世界のどこのオーケストラにソリストとして呼ばれてもおかしくなかった。 もっともっと評価されるべきトランペット奏者でした。60代前半で亡くなるとは、誠に残念です。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2014年06月08日(日) 今頃何を訴えても、手遅れ。
JIRO
|HomePage
|