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2006年06月08日(木) |
人間の可能性-20歳で「九九」を覚えていなかったが、名大理学部物理学科合格。今は数学教師になった人物がいる。 |
◆テレ朝スーパーモーニングですごい人物の実話を伝えていた。
テレビ朝日系列の朝の、情報バラエティー番組、というのだろうか。「スーパーモーニング」という番組がある。
普段、私は出勤後であるから、見られない。
今日はたまたま、ある奇跡のような人物の話を放送していた。家内が驚いて、慌てて途中から録画しておいてくれた。
私はそれを一回見ただけで、記憶を頼りに書いている。
従って、事実の細部に曖昧であったり、間違っていることがあるかも知れないが、大筋はこれから述べるとおりであるのでご了承ねがいたい。
◆小・中学校はオール1だった。技術・家庭と音楽だけ「2」だった。
のちに大学で物理学を学んだその男性は、小学校・中学校の間、技術と音楽を除いてずっと通信簿が「1」だった。
両親は無理に勉強させなかったが、お前は駄目だとも言わなかった。
中学を卒業して高校へ行っても到底勉強について行けないと思い、たった2つの「得意科目」のうちの一つ、「技術」に着目して、職業訓練の専門学校に行った。
大工になろうとしたのだった。学校を出て、小さな工務店に勤めたが、先輩のしごきがあまりに厳しく、ついて行けない。
その間に両親が相次いで病死し、男性は天涯孤独となった。
男性はもう一つの「得意科目」、つまり、音楽ならいけるのではないかと考え、ギターを覚えてストリートミュージシャンの真似事をした。
とても職業に出来るほどの才能はなかった。
◆ある女性と出遭った
男性はやむを得ず、工務店などで下働きをして食った。
あるサークルで一人の女性と出遭った。男性は二十歳を過ぎていた。女性は大学に通っていた。
その女性が何故、その男性と付き合ったかは不明だが、男性はどう見ても「馬鹿」に見えないのでる。
むしろ目に知性を感じさせた。だから、女性は深く男性の過去を詮索しなかった。
女性は地方公務員試験を受けるつもりだった。
ある日のデートで、男性は女性が公務員試験の問題集を開いて喫茶店で待っているところに到着した。女性は一般教養の「数学」の勉強をしていた。分数の足し算だった。
男性は、そんなことは全然分からない。が、面白そうだと思った。女性に馬鹿にされるのを覚悟で、「それ(分数の計算)はどうやるのか?」と尋ねた。
テストしてみたら、男性は二十歳をすぎているのに、「九九」を覚えていなかった。
女性は初めて、男性が小学校程度の学力もないことを知った。一瞬、別れようと思ったが、男性のひたむきさに何かを感じた。
それから、懸命に男性に「算数」を教えた。男性はみるみる学力をつけた。
◆23歳で定時制高校に入学
男性はついに働きながら定時制高校に入学した。23歳だった。優秀な成績で卒業した。
既に働いていたので、生活は出来る。男性はくだんの女性と結婚した。
女性は男性がもっている、ひじょうに旺盛な知的好奇心に気づいた。
ある時、アインシュタインの生涯を描いたビデオを見せた。
そこで述べられている理論的な言葉を男性は一つも理解できなかったが、大いに感動した。
「物理学」という学問を学びたいと思った。調べてみたら、男性の住む辺りでは、名古屋大学理学部というところが最もすぐれた学校であると分かった。
男性は妻に「名古屋大学を受験したい」と言った。女性は、さすがに、それは無理だ。働きながら勉強して合格できるようなレベルの学校ではない、と説得した。
しかし、男性は受験を決意した。
朝早く、また、仕事から帰ってきてから夜遅くまで勉強を続けた。
男性は、なんと、現役で名古屋大学理学部に合格した。
天体物理学を専攻し、無事4年間、学問を修めた。
男性は今、自分の体験を伝えることが出来ればと考え、高校で数学の先生をしている。
◆やれば出来る
月並みな表現だが、これがもっとも適切な言葉だろう。
はっきり言えば、全ての人に可能なこととは考えにくい。
男性は元々極めて優れた知能・知性を有していたのに、それを見いだし、才能を伸ばしてくれる人が子どもの頃、いなかったのだろう。
それでも、20歳を過ぎてから「九九」を覚え、ついには高度な物理学を専攻するに至った人物がいる。
この客観的事実は、人間の可能性の大きさを何よりも雄弁に物語っている。簡単に諦めてはいけないのだ、と。
2005年06月08日(水) 「不登校、高校も調査 4000公立校 引きこもり対策 今夏文科省」←甘い。
2004年06月08日(火) 「人間の存在を少しでも明るく照らし出すことが、芸術家に与えられた使命だと信じています。」(カール・ベーム)
2003年06月08日(日) 「<オウム>元幹部の新実被告が結婚 連絡役の確保狙い?」 まだ、反省していないようだね。
2002年06月08日(土) あの事件から1年