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JIROの独断的日記
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2010年06月08日(火) 【音楽】6月8日は、シューマン(1810年6月8日 - 1856年7月29日)生誕200年でした。

◆ショパンの生誕200年ばかりが取りあげられますが、シューマンも天才です。

と、書いてから、自分の過去の日記を調べて、「アッ」と驚いたのですが、

私は、今までロベルト・シューマン(1810-1856)を何故か殆ど、ご紹介してません。

ときどき、こういうことがありますね。当然取りあげただろうと思い込んでしまうこと。


今年はショパン(1810-1849)の生誕200年ばかり騒がれますね。

ショパンは無論、正真正銘の天才ですけど、あまりにも知られ尽くしていて、

私の出番ではありません。


シューマンはショパンと同い年なのに、何故かこちらの「生誕200年」は何も言わないですね。

まあ、別に生誕何年でもショパンもシューマンも、いずれ劣らぬ天才です。


違うところは、ショパンは極論すれば、ピアノ曲が殆ど全てです(ピアノの詩人ですからね)が、

シューマンはピアノに始まり、ヴァイオリン・ソナタ等室内楽や、交響曲、チェロ協奏曲など

作品の分野が多岐に亘っていることでしょうか。


◆とはいっても、最初はピアノ曲集「子供の情景」から入るのが取っつき易いです。

前段で書いたとおり、シューマンも、初期の作品はもっぱらピアノ曲です。

「子供の情景」という曲集が、一曲ずつが短くて聴きやすいです。

第7曲の「トロイメライ」はピアノの「おさらい会」などでも取りあげられて有名ですが、

あれだけ聴いたら勿体ない。「子供の情景」という作品名から子供用の曲集と勘違いしている人が

いますけれども、とんでもなくて、ホロヴィッツ級の名人がリサイタルで取りあげるのです。

全部で15曲の短い曲から構成されていますが、そのうちの何曲か。

これは、どれだけ多くのピアニストが弾いて、録音したか見当も付きませんが、

私は、アルゲリッチのアルバムを薦めます。「クライスレリアーナ」という曲集も録音されています。



シューマン:「子供の情景」作品15 より



第1曲 見知らぬ国と人々について



Von fremden Landern und Menschen



可愛い曲ですね。この一曲目で既にシューマンの世界に引き込まれます。


第2曲 不思議なお話



Kuriose Geschichte



演奏時間、わずか1分。これだけ短い曲を書くのは却って難しいのではないかと思います。

次の2曲は、もっと短い曲です。


第3曲 鬼ごっこ



Hasche-Mann



第4曲 おねだり



Bitten des Kind



第7曲 トロイメライ(夢)



Traumerei



私は、ホロヴィッツが晩年2回目の来日でこれを弾いたのを聴きました。

あれは、さすがに巨匠だと思いました。唯一無二の美しい音でした。


あまり、プロのピアニストがリサイタルで「子供の情景」とか、アンコールで「トロイメライ」とか

弾くことは無いと思います。何しろ「トロイメライ」など、弾くだけなら子供でも弾けるのですから、

これを弾いてお客さんを感心させるというのは、余程繊細な音楽性とか、圧倒的な美音とかがないと、

却って怖いですよ。プロコフィエフとかバルトークの難しいのを弾けばそれだけでお客さんを感心させること

はできても、「トロイメライ」で感動させることが出来るかといったら、やはり怖いだろうと思います。


◆幻想小曲集から「飛翔」ってのが有名です。

シューマンのピアノ曲集、作品12の「幻想小曲集」というのがあります。

その第2曲「飛翔」というのが、特に好んで弾かれます。ピアノを弾かれる方、

「発表会」でこれを弾いたことがある、という方、多いのではないでしょうか。

速めのテンポで弾くといいですね。


シューマン:幻想小曲集 Op. 12より 第2曲 飛翔



Schumann Fantasiestucke Aufschwung



いいでしょ?これもアルゲリッチです。iTunes Storeでこれだけ買うのが一番簡単です。

このリンクをクリックすると、iTunesが起動して、

Martha Argerigh Live from The Condertgebouwというアルバムを表示する筈です。

CDなら、夜のガスパール~アルゲリッチ コンセルトヘボウ・ライヴです。


◆最後はピアノ協奏曲です。

シューマンの今日の最後はピアノ協奏曲です。一曲だけ書いています。

ショパンのピアノ協奏曲も勿論いいですけど、伴奏のオーケストラの書き方が今一つです。

あれは、伴奏するオーケストラは、ちょっと退屈するのではないか、と思うほどですが、

シューマンは、交響曲も書いていますけれど、ピアノ協奏曲でもオーケストラが、

シンフォニックな、厚い響きになるように書かれていて、壮大な印象を受けます。


CDはチャイコフスキーとカップリングされた、元、旦那のシャルル・デュトワが指揮をして、

アルゲリッチがソロを弾いている、チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番 シューマン:ピアノ協奏曲が、安くてお得です。


シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54 第1楽章



Schumann Piano Concerto 1st Movement



他にもシューマンはかなり珍しい曲を書いているのですが、

それは、また後日、取りあげます。

ここに載せた曲もお好きな順番で、気の向いたものからお聴き下さい。

それは、いつも申し上げているとおりです。

それでは。

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