JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:街角景気、5カ月連続改善=新型インフルも対策効果で改善−内閣府(6月8日14時33分配信 時事通信) 内閣府は8日、5月の景気ウオッチャー調査を発表した。3カ月前と比べた街角の景況感を示す現状判断DI(指数)は ◆コメント:景気が改善しているのではなく、悪化のスピードが遅くなっている、ということです。 3週間ほど前、同じような記事を書きました。 5月の現状判断DIは、前月比2.5ポイント上昇の36.7となり、5ヶ月連続で上昇した。 それ自体は、統計が偽りでなければ、「ウソ」ではないのです。下の表を見ると、2008年12月の現状判断DIは15.9でしたが、 その後、毎月、数字は増えている。この現状判断DIは、先月も書いたとおり、内閣府統計局が、全国の様々な業種の一般の人に、 「今月の景気は3ヶ月前と比べて良くなっていると思いますか?」とアンケートを取り指数化したものです。 回答の選択肢は、「良くなっている」「やや良くなっている」「変わらない」「やや悪くなっている」「悪くなっている」の5つです。 今月の構成比を見ると、
です。現状判断DIは36.7で、前月が34.2だったから、2.5ポイント上昇している。 それは、同じ事を何度も書きますが、「ウソ」ではありませんが、構成比を見れば明らかなとおり、 「良くなっている」、「やや良くなっている」を合計しても、12.9%です。 一方、「変わらない」から「悪くなっている」までの合計は、87.2%です。 つまり、今なお、大多数の人は「景気が良くなっているとは感じていない」ということが、本質です。 悪くなっているという感覚が昨年12月から少しずつ減っているけれども、景気が良くなっているとは、 皆、思っていない、ということです。 そして、現状判断DIが36.7というのは、決して良い数字ではない。景気が良いか悪いかの境界は50なのです。 50ちょうどならば「横ばい」ですが、50を下回れば、景気は悪い、上回れば、良いと皆が感じていることを示します。 言うまでもなく、36.7は50にはほど遠い。50を下回ったのは今回で26ヶ月連続です。 ◆結論 今までの説明でお分かり頂けたと思いますが、時事通信も、どの全国紙も 「街角景気、5ヶ月連続で改善」 と、かなり大きめの見出しを付け、それは事実なのですが、本当は、そちらを強調するべきではなくて、 ニュートラルを示す50を遙かに下回る調査結果が2年以上続いている、ということが本質です。 景気が崖から転がり落ちるように悪くなっていたけれど、転がり落ちるスピードが弱まってきたということです。 決して景気が改善に向かっているとはまだまだいえないのです。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2008年06月08日(日) 池田小事件から7年目に秋葉原で起きた凶行。いずれもあまりにも痛ましい。
JIRO
|HomePage
|