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2010年12月20日(月) |
「<日銀>決定会合始まる 金利据え置きへ」←当然です。 |
◆記事:<日銀>決定会合始まる 金利据え置きへ(毎日新聞 12月20日(月)21時41分配信)
日銀は20日、金融政策決定会合を2日間の日程で始めた。
15日の企業短期経済観測調査(短観)などの結果を踏まえ、景気動向や包括緩和の効果を検証する。
政策金利(無担保コール翌日物)は現行の年0〜0.1%に据え置く見通しで、
金融政策の現状維持を決めるとみられる。
短観では、エコカー補助金終了や円高の影響で、
大企業の業況判断DIは製造業、非製造業ともに7期(1年9カ月)ぶりに悪化に転じたが、
日銀内では今のところ「景気の足踏みは想定内」(幹部)との見方が多い。
決定会合では、日銀が見込む「来春以降の景気持ち直し」のシナリオに対し、
リスクが強まっていないか意見交換。
◆コメント:日銀に物価を押し上げる(デフレに対処する)能力は、あまり期待出来ない。
2008年9月15日のリーマン・ショック以来、やたらと政治家が、自らの無能さは棚に上げて、
「いつまでも景気が回復しないのは、日銀のせいだ」と言わんばかりです。
しかしですね。需要が無いときに、つまり世の人々がおカネを使おうとしないときに、
金利を引き下げたり、銀行や企業から手形や債券などを買い取って、市場に資金を供給しても、
物価を押し上げることは出来ないのですよ。景気が良いときには、モノやサービスがどんどん売れているので、
生産を増やしたい企業が設備投資資金を必要とします。資金需要があるのです。
こういときに、市中銀行(三菱UFJとか三井住友など)が企業に貸すおカネを十分確保出来るように、
中央銀行である日銀が資金を供給するのは、意味のある行動です。
しかし、昨日も書きましたが、今の日本では「需要」が無いのです。
先週末、17日(金)、日銀が資金循環統計という数字を発表しました。
面倒臭い説明は抜きにして、この統計から分かったのは、↓こういうことなのです。
◆記事:企業の現預金、過去最高200兆円突破 使い途なく(産経新聞 12月17日(金)12時10分配信)
日銀が17日発表した2010年7〜9月期の資金循環統計(速報)で、
民間企業の手元資金である「現金・預金」が9月末時点で、前年同期比5・0%増の205兆9722億円となり、過去最高に達したことが分かった。
円高や先行き不安を背景に、企業が設備投資や雇用の拡大に慎重となり、お金の使い途がなく、手元に置いておき、積み上がった。
日銀は、「包括緩和」で市場に大量の資金を供給しているが、お金の流れは停滞しており、効果を発揮できていない実態を浮き彫りにした格好だ。
現預金に保有株式なども含めた民間企業の金融資産残高も1・7%増の776兆9683億円に増えた。
これに対し、金融負債残高は3・3%減の995兆5788億円となり、企業が資金を投資に回さず、借り入れの返済に充てていることを示した。
業績回復を受けて積み上がった企業の手元資金をめぐっては、「有効活用されていない」(アナリスト)との指摘が出ている。
来年度税制改正の中でも、法人実効税率の5%引き下げの財源として、課税対象に浮上した経緯がある。
企業はおカネが余っているのですから、銀行から借りる必要はない。
そういうときに、日銀が、銀行が資金を調達しやすいように金利を下げたり、量的緩和策といって、世の中に出回っている
おカネの量を増やす「量的緩和策」を採用しても意味が無いでしょ?企業は預金してる位なんだから、銀行から借りない。
だから、銀行も日銀から資金を緊急的に供給して貰う必要はない。
日銀の金融政策は、金利や通貨供給量を調整するだけです。
その、おカネの回転を速めること。つまり、家計や企業がおカネを使いたくなるような
環境を作る、即ち「総需要」を喚起するのは、それは政府の責任です。
ところが政府は、デフレが克服出来ないのは、日銀がもっと思い切った金融緩和策を取らないからだ、
と何でも日銀に責任を押しつけようとするのです。
いつまでも景気が好転する気配がなくて、文字通り「景気の悪い」年末を迎えようとしていますが、
与党、民主党は、内輪の揉め事(小沢一郎を証人喚問するとかしないとか)ばかりに気を取られています。
それは「政治」じゃないです。行って見れば、サラリーマンが「家庭内で息子が言うことをきかずに、
ゴタゴタ落ち着かないので、仕事どころじゃありません」といって、会社を休んでいる、という状態です。
仕事してないのに、国会議員は129万円の給料、100万円の文書交通通信費、65万円の政務調査費を貰っている。
それ、私たちの収めた税金ですよ。これじゃあ、真面目に税金を納めている国民がバカを見ているだけじゃないですか。
遊んでないで、どうすれば総需要を喚起できるか、本来の「政治」に専念するべきです。
公共事業を発注するとか、なんとかが常套手段ですが、そうすると、特定の業種のみに需要が発生し、
他に対しては影響がない。不公平です。だから、全体として、需要を喚起するには減税が一番公平だ、
と私は、繰り返すのです。
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