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JIROの独断的日記
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2010年07月19日(月) 【音楽】2010年7月18日(日)東京音楽大学付属音楽教室学外発表会で演奏された曲(第2部後半)

◆去年もやりましたが、どれほどすさまじいレベルの高さかをお教えしたいと思います

昨日の日記・ブログに書いた通り、私は東京音楽大学付属音楽教室学外発表会を聴いたのです。

あまりのレベルの高さ(技術的にも音楽的にも)に、聴いている途中、「音楽を聴くエネルギー」が

枯渇したのか、2度ほど失神しそうになりました。


目の前で起きている事が信じられない。中学生がどうしてここまで弾けるのか。

それは、ごく単純化すれば才能とものすごい努力の賜なのです。


世の中では、どんどん変な子供が増えていて、すぐ人を刺したり、訳の分からないことも

多いけれど、一方で、しごくまともな子供達もいることを知って頂きたい。

ピアノやヴァイオリンがここまで上達するということは、誰にでも出来ることではない。

はっきり言って才能が必要ですが、才能だけで弾けるようになるほど甘い世界でもない。

東京音楽大学付属音楽教室のレッスンの厳しさ、1週間にこなさなければならない課題の多さは

尋常ではない。お母さんもレッスンに立ち会って先生の指示を理解してメモしなければならないので、

その苦労は並ではない。短絡的な結論かも知れませんが、日本も捨てたものではありません。


昨日のプログラム全曲はとても無理なので、一番上手い、第2部後半(演奏順24番以降)で子供達が弾いた曲を

プロの演奏で載せます。


何時ものような「名曲案内」とは異なり、堅苦しい難解な曲もありますから、全部を順番に

一日でお聴きになるのは無理だと思いますが、出来れば聴いてやって欲しいです。

本当は子供達の演奏そのものを録音して載せたい気持ですが、それはさすがに控えます。

但し、子供達の演奏のレベルはここに載せるプロのそれと殆ど違わないです


◆2010年7月18日、東京音楽大学付属音楽教室学外発表会で演奏された曲。

昨日のプログラムで、演奏された順番に載せます。


◆ストラヴィンスキー:イタリア組曲より



序奏



I. Introduzione: Allegro moderato



セレナード



II. Serenata: Larghetto



メヌエットと終曲

VI. Minuetto - Finale



これは、そもそもオーケストラで演奏されるストラヴィンスキーのバレエ音楽「プルチネルラ」を

作曲者自身がピアノ伴奏のバイオリン曲に編曲したものです。

音源は、PARIS(ヴァイオリン:マヤ・コッホ)

マヤ・コッホは父がドイツ人、母が日本人で山本麻耶という日本名も持っているそうです。


次。


◆サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン



これは、あまりにも有名な曲です。ハイフェッツの演奏しか考えられません(昨日は勿論ピアノ伴奏ですが)。


Sarasate Zigeunerweisen, Op. 20

やはり、ちょっとハイフェッツは別格です。神様ですから。


◆ラヴェル:鏡 - 道化師の朝の歌



音源は Oeuvres De Satie Et Ravelです。


Maurice Ravel:Miroirs: Alborada del gracioso



これを弾いたのは中1の華奢な女の子なのですが、すごいフォルティシモを綺麗に弾くのです。

この教室は全員、「そんなの当たり前」のレベルです。最初に正しい奏法、無駄な力を可能な限り排除して、

身体のどこにも余計な力を入れない。指の形を崩さない(伸ばしてはだめなんですね)、

腕(特に肘から先)は出来るだけ水平に保つ、などの基礎を徹底的に叩き込むことにより、たとえ身体が小さくても

ものすごいフォルティッシモで速いパッセージを弾くことが可能になります。



◆ガーシュウィン:3つのプレリュード



音源は、Gershwin;Remembrance



Gershwin3Preludes



3つのプレリュードなのですが、一曲の演奏時間が短いので、続けて聴いて頂きました。

これを弾いた中2の男の子は、昨年はグリークの組曲「ホルベアの時代」を弾きました。

ガーシュウィンは、それまで習ってきたクラシックとは異質ですが、非常に勘が良い子なのでしょう。

ガーシュウィン独特の雰囲気を醸し出していましたし、不規則なリズムやアクセントも上手にこなしていました。


◆ショパン:バラード第3番 変イ長調、Op.47



これと最後のバラード1番は、アシュケナージの演奏です。


Ballade No. 3 in As Major, Op. 47



これは、もう、完全にプロがリサイタルで弾く曲です。それを中3の女の子(3番)と男の子(1番)が

弾くのですが、余裕があるのですね。つまり「譜面をなんとかやっと音にしています。」というレベルは

とっくに終わっていて、自分の解釈をどう表現するかという次元でした。


◆リスト 「2つの伝説」 第2曲 波を渡るパラオの聖フランシス



中学3年生の女の子がリストですよ。これは「超絶技巧練習曲」では無いけど、

もっと難しいかも知れない。これに比べたら、「ラ・カンパネラ」は「易しい曲」に聞こえてしまいます。

音源は、Sonetti Del Petrarca



Franz Liszt St. Francois de Paule marchant sur les flots



すごいでしょ。中3の女の子が雷鳴のようなフォルティッシモで楽器を鳴らすのです。

しかし、決して汚い音にならない。この曲あたりから、私は失神しそうになったのです。

次が最後です。


◆ショパン:バラード第1番 ト短調 Op. 23



Ballade No. 1 in G minor, Op. 23



昨日書いた通り、バラード1番を弾いた中3の男の子は、今すぐプロとして通用するのではないか

という技術と音楽性の持ち主です。これから音大附属高校、音大で後7年間、これ以上何を勉強するのだろう?

と思いました。


長くて、あまり「面白い」曲が無くて、申し訳ないのですが、

東京音楽大学付属音楽教室学外発表会に出演した子供達が全員、プロのピアニストを目指すかどうか。

また、目指しても、なれるかどうかは、分かりません。

ただ、プロになろうというような人は、今や、中学生でこのレベルに達していないといけないということです。

プロの演奏家になるのは、それほど難しいことなのですね。

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