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2009年07月19日(日) |
【演奏会評】東京音大付属音楽教室(辻井伸行氏もここの出身) 発表会。 |
◆東京音大付属音楽教室
また、音楽の話か、と言われればそうなのだが、文化的な出来事も、歴とした「社会的事象」である。
新聞に文化部があり、クラシック担当専門記者がいる(私の知る限り毎日新聞だけだが)のは、そのためだ。
東京音楽大学が主催している、東京音楽大学付属音楽教室という4歳から中学3年を対象とした、音楽教育機関がある。
クライバーン・コンクールで優勝した辻井伸行君もここの出身である。
付属音楽教室は夏と冬に発表会を開催する。今日が今年の夏の発表会であった。
家内が東京音大を出ているので、毎年招待状が来るが、
私は、日曜日に出かけるのが面倒で、ここ数年行かなかった。
今年は、体調が良かったので、ずいぶん久しぶりに聴いた。4時間の長丁場だが、飽きなかった。
飽きなかったどころか、この発表会に出られるのは、先生のお眼鏡にかなった、小一から中三までの、
「上手い子」ばかりで、それは分かっているつもりだったが、あまりの上手さ、才能に絶句した。
◆あまりの上手さ、驚嘆すべき才能の連続で、茫然自失。
東京音大付属音楽教室に入ったら、原則的に将来プロを目指す、という意識で、
音大の先生が教える。入ることは入っても、レッスンのあまりに厳しさに大抵はついていけない。
逆に言うと、残って、毎年、「夏の演奏会」に出ることが許される子供達は、大変な努力をしているわけだが、
努力だけで、誰もが上手くなるとは限らない。
今更ながら、「才能」ってあるんだなあ、と、つくづく感じた。
但し、先生方の指導も無論優れているのである。ピアノに関して書くと、小学1年から中学3年まで、
素晴らしい音を出す。スタインウェイの、フル・コンサートグランドピアノが、完全に鳴っている。
あの細い腕でよくぞ、というほどのフォルティッシモを平気で出している。
無駄な力を入れない、身体の柔軟さを保つ、あの辻井君と同じだが、
最初から正しい奏法を教わることが如何に大切か、と言うことも良く分かった。
◆中学2年でプロコフィエフ、リスト(ピアノ)、ヴィエニアフスキーの協奏曲(ヴァイオリン)を弾く子供達。
これが、今日のプログラムである。
一部より二部。更に終わりに近づくほどうまくなる。
特に、第二部後半、ヴィエニアフスキーのヴァイオリンコンチェルトから後(ヴァイオリン2名、他はピアノ)の
演奏はいずれも、文句の付けようが無い。音だけ聴いて「プロの演奏だ」と言われたら信じるだろう。
プログラム、このすさまじさ。
- ヴィエニアフスキー:ヴァイオリン協奏曲第2番 第一楽章
- ラヴェル:ツィガーヌ(ヴァイオリン)
- シューマン:アベッグ変奏曲
- プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第1番
- ショパン:スケルツォ 第3番
- リスト:リゴレット・パラフレーズ
今、20日の朝5時である。昨夜は疲れて寝てしまったので、今、更新している。
これから音源をアップするのはしんどい。もう一度寝る。起きたら、これらの曲をアップして、
どれ程難しい曲かご紹介したい。
はっきり言って、「泰西名曲」ではないから、「トルコ行進曲」や、「幻想即興曲」ほど、取っつきやすくない。
しかし、優れた才能の持ち主が本当に努力すると、中学生でこれらの難曲を弾けるのだ、
ということを世に知らしめたい。
誤解を恐れずに書くならば、辻井君がクライバーン・コンクールで優勝したのは偉大だが、
彼と同程度の才能が、東京音大付属音楽教室には、大勢いるのである。
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