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JIROの独断的日記
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2004年07月19日(月) アメリカはジェンキンスさんが脱走兵であると断定する根拠を示せ。無罪推定原則。

◆記事1;<米大統領>ジェンキンスさんは「脱走兵」との認識を強調(6月8日)

 

【サバナ佐藤千矢子】ブッシュ米大統領は8日の小泉純一郎首相との会談で、拉致被害者の曽我ひとみさんに対する「同情」を表明しながらも、夫のジェンキンスさんについては「脱走兵」との認識を改めて強調した。日本国内で訴追免除への期待が高まるのとは裏腹に、イラク問題を抱える米国が軍規律を厳格に運用しようとしていることを浮き彫りにした。


◆記事2:7月10日付朝日新聞より抜粋。

夫ジェンキンスさんは、1965年に北朝鮮に行った。当時、北朝鮮軍の侵入を防ぐために韓国に駐留していた米軍の軍曹だった。38度線付近をパトロール中に姿を消した。間もなく、北朝鮮側がラジオでジェンキンスさんの「亡命」を発表。その後、宣伝放送で米兵に逃亡を勧めたり、宣伝映画に出演したりしたと伝えられている。


◆記事3:「脱走兵の証拠ない」国防総省「手紙ない」と回答 ジェンキンス氏の甥が述べる(5月21日中日新聞)

【ワシントン=豊田洋一】拉致被害者、曽我ひとみさん(45)の夫の元米兵チャールズ・ジェンキンス氏(64)の甥で、米ノースカロライナ州に住むジェームズ・ハイマン氏(42)が20日、本紙の電話取材に応じ、「おじが脱走兵だという証拠を米政府は持っていない」と述べ、ジェンキンス氏が北朝鮮から日本に出国しても、米政府は脱走罪で起訴すべきでないと強調した。

 ジェンキンス氏は在韓米軍に配属されていた1965年、北朝鮮との間の非武装地帯で姿を消した。米軍は兵舎に残されていたという母親あての置き手紙を、脱走の根拠にしてきた。

 しかし、ハイマン氏が情報公開請求により、その手紙の開示を求めたところ、昨年3月に「国防総省からそのような手紙は存在しないと回答があった」という。


◆記事4;無罪推定原則「世界人権宣言」(1948年12月10日第3回国際連合総会において採択)より抜粋

第11条1項 犯罪の訴追を受けた者は、すべて、自己の弁護に必要なすべての保障を与えられた公開の裁判において法律に従って有罪の立証があるまでは、無罪と推定される権利を有する。


◆コメント:米国はジェンキンスさんを脱走兵と決めてかかっているが、証拠が無い。

 

日本のマスコミは、米国の云うことをそのまま受け入れて、ジェンキンスさんが「脱走兵」であるという前提で、報道を行っていて、日本国民もインターネットの掲示板を見ると、その前提に何も疑問を抱かず、「ジェンキンスさんは犯罪者なのだから、裁かれて当然」などと、分かったようなことを書いている奴が大勢いる。

 しかし、私はまずアメリカに問いたい。

「脱走兵」の定義はなにか?

ジェンキンスさんを「脱走兵」と断定する根拠はなにか?

 アメリカは、イラクに大量破壊兵器があるという証拠が何もなかったのに、「証拠はある」と大嘘をついてイラク戦争を開始して、イラク人を1万人も殺した国である。簡単に信用できない。


 

記事2にあるとおり、ジェンキンスさんは、1965年、38度線付近をパトロール中に行方が分からなくなり、3週間後に、北朝鮮がジェンキンスさんの亡命を発表した。

 普段は信用しない北朝鮮の発表を、アメリカは、こういうときだけ、何故、無条件に信じるのだ?そもそも自由世界から、わざわざ北朝鮮に「亡命」する人間がいるだろうか?その後、宣伝放送で米兵に脱走を勧めたりした、というが、北朝鮮に強要されれば、そうせざるを得ないではないか。要するに、彼も拉致被害者なのだろう。そんなこと、皆、想像がつかないかな。

 記事3は、アメリカの国防総省が唯一の脱走の証拠としていた「ジェンキンスさんが母親宛に書いた手紙」を保管していない、という。つまり、物的証拠は何もない。

 このように見てくると、アメリカは、北朝鮮が、「ジェンキンスさんは北朝鮮に亡命した」と発表した事実だけを根拠に、かれを「脱走兵」と見なしていることがわかる。そんな無茶苦茶な論理を通用させてはいけない。

 記事4。「疑わしきは被告人の利益に」とか「無罪推定原則」は誰でも聞いたことがあるだろう。これは、日本の国内法だけではなく、世界人権宣言で採択された、審理手続上の証明に関する原則なのである。国連総会がこの原則を採択している以上、国連加盟国は全て、「無罪推定原則」を前提に、司法手続きを行わなければならないのである。念のため書き添えると、米国も、日本も、国連加盟国である。

 従って、ジェンキンスさんが脱走兵であるという明確な証拠が提示されてもおらず、審理も行われていないのに、「ジェンキンスさんは米国へ身柄を引き渡されたら、厳しい処分を受けることは間違いない」などということを、公器たるマスコミが軽率に書いたり、放送すべきではないし、世論はジェンキンスさんは、無罪であると推定しなければいけない。それが正しい物の考え方である。


2003年07月19日(土) 小泉首相答弁 大量破壊兵器で「強弁」根拠「水かけ論だ」 ←どういう思考パターンなんだ?

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