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2008年07月19日(土) |
【コメント若干追加】改めてカラヤン特集です。超有名曲のばかりの「Adagio Karajan」から。 |
◆16日のカラヤン(1908〜1989)の命日にはあまりにも少ししか触れませんでしたので。改めて。
7月16日は、名マエストロ、ヘルベルト・フォン・カラヤンの命日でしたが、当日の日記、ブログでは、あまりにも片手間で済ませてしまいました。
カラヤンのことを、「音楽を金儲けの道具にしやがって。あんな指揮者を褒める奴は、音楽の分からない奴だ」
とけなす人がいます。しかし、それはおかしいと思います。
カラヤンはプロの音楽家でした。プロの音楽家なのですから、音楽という芸を聴かせて、飯を食っていた。
つまり金儲けの道具にする、というのならプロの音楽家は皆そうです。それが芸人というものです。
だから、それでカラヤンが非難されるには当たらない。
ただ、彼が悪く言われるのは、クラシックの音楽家というのは、普通儲からないのに、カラヤンは大金持ちだったからです。嫉妬です。
カラヤンはレコードやその後、CD,レーザーディスクなど、その時々の最先端の技術・媒体を用いて音楽を世界に広めました。
カラヤンはオペラハウスでは、そこにいる人間しかオペラを楽しめないが、この音楽と映像をテレビで放送すれば、あるいは記録媒体をうれば、
何億人もが楽しめるから、こういう事をするのだ、と言っていました。
勿論、カラヤンは聖人君子ではありませんから、オカネも欲しかったでしょうが、
本質的には、カラヤンの頭の中にあったのは、いつも音楽のことだったと思います。
それが、発売延期になってしまったDVD、「ドキュメント・カラヤン・イン・ザルツブルク」を見ると、
大変良く分かるのです。
SONYは早く改めて、このDVDの発売日を発表して下さい。こちらがどれほどがっかりしたか、分かっていないでしょう?SONYさん。
◆25年前に初めて発売され、リマスターされた「アダージョ・カラヤン」から有名曲ばかり。
カラヤンの没後、レコード会社が、アダージョ・カラヤンを発売したときには、
露骨に名マエストロの死をレコード会社が商売に使っている、という印象を強く感じ、私は買いませんでした。
しかし、時が経つにつれて、もう一度、ポピュラーな名曲でも本気で取り組む、カラヤンの演奏が聴きたくなりました。
この度、CDの新技術を用いて、アダージョカラヤンのリマスターが発売されました。アダージョ・カラヤン・プレミアムです。
正直に申し上げると、私はオーディオ機器マニアではないので、再生音がどうのこうの、には、
殆ど関心がありません。
ただ、カラヤンとベルリン・フィルが、お聴き頂く「泰西名曲」を如何に本気で演奏しているか、
それをご紹介したかったのです。だから敢えて、一番(悪く言うと)月並みな曲ばかりを選びました。
演奏にいきます。
一曲目。どなたもお聴きになったことがあると思いますが、「パッヘルベルのカノン」
ダウンロード Canon.mp3 (4847.2K)
テンポの設定が速すぎず、遅すぎず、私は、好きです。
二曲目。「タイスの瞑想曲」。カラヤンは何度かこの曲を録音しています。
今、よく流れているのは、この曲のヴァイオリン・ソロを、カラヤンが見出したソリスト、
アンネ・ゾフィー・ムターが弾いている録音です。
これから聴いて頂くのは違います。既に四半世紀もベルリン・フィルのコンサートマスターを務めている、
安永徹さんの、ベルリンでの先生だった。往年の名コンサートマスター。フランス人のミシェル・シュバルベ
という人です。マニアには懐かしい名前です。
ダウンロード ThaisSchwalbe.mp3 (5706.4K)
ベルリン・フィルのコンサートマスターたるもの、ソリストとしても十分通用するほどの名人なのです。
三曲目。「アルビノーニのアダージョ」。好きな方多いでしょう。数え切れないほどの団体が録音していますが、
ここまでテンポを思い切り落としているのは、私が知る限りカラヤンだけです。遅い方が演奏は難しいと思います。
ダウンロード AlbinoniAgagio.mp3 (11102.3K)
この曲もところどころ、ヴァイオリン・ソロが出てきますが、先ほどのシュバルベ氏が弾いているわけです。
最後、管弦楽組曲第三番から「エア」。通称、「G線上のアリア」です。
ダウンロード JSBachAir.mp3 (5706.4K)
あまり余計なこと書かない方がいいでしょう。この曲は。この美しさで十分です。
オーケストラ曲で「アダージョ」と付くと、管楽器はちょっとお休みで弦楽器群の独擅場となります。
弦楽器のもつ、人の心を惑わすような、不思議な響き。表現力の大きさ、を味わって頂きたい、と思います。
【追加】
そして、やはりカラヤンの演奏は素晴らしい。
最後のG線上のアリアだけ聴いても、主旋律を弾くヴァイオリンと、
低音を支えているチェロ・コントラバスのみならず、内声部と呼ばれるこの場合ですと第二ヴァイオリンとヴィオラのパートの
バランスやフレージングにまで。つまり、全体として、隅から隅まで神経が行き届いていて、一音たりともいい加減な弾き方を
許していない、カラヤンの音楽に対する情熱と真摯な態度がわかります。
やはり、おカネ目当てじゃないのですよ。
名マエストロです。カラヤンは。
それでは、今夜はこの辺で失礼します。
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2007年07月19日(木) 圧倒的に美しく、優しいトランペット演奏のCDを薦めます。「ラッパなど興味がない」方にこそ聴いて頂きたい。
2006年07月19日(水) マスコミは良い話(ニュース)をもう少し強調しては如何ですか?
2005年07月19日(火) <飲酒問題>「菊間アナの処分甘い」村田国家公安委員長←国家公安委員長が出てくるの?かなり睨まれてるよ。CXさん。
2004年07月19日(月) アメリカはジェンキンスさんが脱走兵であると断定する根拠を示せ。無罪推定原則。
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