< 見える様に為れるでしょうか >
其れを受容する為の、 機能が、 育ち在るのだろうか。
其れとも。
飽く迄、 気の迷いだろうか。
未だに、 半信半疑の儘。
腕の中に。
淡い温感の漂いを、 感知する。
三五夜の月。
煌々と照らされる月に、 歩みを止めると。
其の温もりが、 ふと、 冷気に覆われた。
「急に寒くなったから。」 「どっか飛び出したのかと想って。」
「今日は満月だから。」 「空飛び始めたんじゃない?」
其の光に、 嬉々として飛び回る、 稚児の姿を。
受話器を通して確認し、 想い描く。
「俺にも見える様に為るのかな。」
「棺桶に入る時に。」 「やっと見えるようになるんじゃない?」
「遅いよって。」 「怒られるね。」
「文句は言うよね。」 「私と小坊主の子だもん。」
「ほっぺ膨らまして?」
約束は。
見える様に為るなんて、 約束は。
出来ないけれど。
今は、 月の光をたんとお挙がり。
もう少しだけ。
俺は、 外に居るから。
---------- References Nov.28 2012, 「一月だけの命でしょうか」 Dec.01 2012, 「触れられぬ温もりでしょうか」 Dec.24 2012, 「彩も違う組み合わせでしょうか」 Aug.13 2013, 「足並みを揃えて祝いませんか」
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2013年09月19日(木)
---------- History
2011年09月19日(月) 何を求めて逢うべきでしょうか 2010年09月19日(日) 其処では吸わない約束じゃありませんか 2004年09月19日(日) 其処迄限界に近かったのですか
< 聞き逃さずに流せますか >
数多の生命が、 産まれ、 消え逝く日々の中で。
幾度も、 幾度も、 潰えの刻へ面する事は。
自身を、 何方へ誘うのだろう。
麻痺だろうか。
総てを、 極めて浅い場所へと留めるのだろうか。
闇だろうか。
総てを、 極めて深い奥底へと封じるのだろうか。
安易に流され、 自身を唯の玩具に模して。
幾多の命を絶ったと言う、 其の罪と罰。
自身を生き存える引き替えに、 想う命を奪ったと。
自身の歩みを否定する、 自責の罪と罰。
「償いしなきゃって。」 「罰なんだって。」 「そう思ってきたけど。」 「疲れてるんだぁ。」
あの子の囚われた、 特異的な人生観と死生観に面し。
一瞬。
返しの、 其の言の葉が澱み。
慌てて。
継がれるで在ろう次の句を、 予測し、 対処を想う。
軸足。
例え理解出来ずとも、 例え怯んで了っても。
此処に軸が在れば、 あの子の振れは治まるのだから。
「小坊主も大変だろうし。」 「付き合いきれないと思ったら隠さず言ってね?」
「はいはい。」
聞き流す振りをして、 逃さず心に留め置く様に。
普段通りに居れば、 良いよね。
きっと。
---------- References Apr.21 2012, 「未だ進めぬ日付でしょうか」 Aug.14 2012, 「禁句が幾つ見付かるでしょうか」
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2013年09月02日(月)
---------- History
2005年09月02日(金) 見えない想いが許せませんか 2004年09月02日(木) 敵か味方か何方でしょうか 2003年09月02日(火) 想いは時の魔術も作りますか 2002年09月02日(月) 目を輝かせていますか 2001年09月02日(日) 両想いでも平気ですか
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