此の胸の上に。
今朝も又、 重みを感ずる。
目覚まし代わりの、 其の甘えに。
半分、 寝惚け眼の儘。
其の身を、 両の腕で支え、 此の身に、 抱き寄せて。
今朝も又、 痛みを感ずる。
必死に、 真似事をして居るのだろうか。
其れとも、 騎士の心算だろうか。
毎朝、 更新され。
消える事の無い、 胸の爪痕。
「ふふっ。」 「彼女にやられたの?」
「違ぇよ。」 「猫が爪立てんだよ。」
姫の姿に、 嫉妬し、 真似をするのか。
俺の振る舞いを、 制約し、 姫を護る為か。
今朝も又、 俺の胸に爪を立てながら。
飼い猫は、 足踏みを止めない。
---------- References Aug.23 2004, 「怒られるのは傷付いた方でしょうか」 |