移ろう日々すら届かぬ場所に、 届く季節は。
何か、 意味を持つのだろうか。
閉塞を、 宿命付けられた其の部屋に、 届く桜は。
無変化の中の不変に、 意義を、 添えられるだろうか。
其れとも。
何も変わらぬ其の場所に、 届く季節は。
価値を有さぬ変化に、 過ぎないのか。
抗わねば。
唯、 流れ消え逝く刻に。
杭を穿ち、 柵を弄した所で。
澱んだ水は。
下手へ、 流れ消え逝くのだけれど。
「前に贈ったのと同じ桜。」 「今年も咲いたよ。」
「態々撮りに行ってくれてありがと。」
少し心乱し、 棘を仕込んだ言の葉を返す、 あの子が。
穏やかに眺められる、 二人の時間は。
如何すれば創れるのかな。
---------- References Mar.29 2016, 「空蝉に似たる花こそ光でしょうか」 Apr.10 2011, 「逆向けの春風でしょうか」
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