春の暖かさが、 初夏の暑さに近づく頃が。
此の地に、 少々遅めの桜が届き、 人々の想いを魅了する頃が。
鬼門に値する、 時期なのだろうか。
「小坊主なんか要らない。」
其の一言が産まれる土壌が。
想いの変遷の上位に位置する、 季節の変遷なら。
四季など要らぬ。
不謹慎にも、 そんな想いを描いてしまう。
隣に眠る、 其の愛しい対象が。
心地良さを、 提供してくれるから。
人は、 寄り添い眠りたいと、 そう願うのかも知れないけれど。
隣に眠る、 其の愛しい対象が。
自分の眠りを妨げる、 邪魔物ならば。
十二分に、 別離の条件に昇華するのだろうか。
姫と俺の、 距離が遠ざかる時期。
抱き締める度に。 抱き寄せる度に。
「小坊主、暑い!」 「小坊主、なんか要らない!」
姫の不満が、 辺り一面に飛び散る。
「今夜もパナウェーブ研究所にしちゃうぞ♪」
そう言いながら。
ふざけてシーツの中に、 無理矢理くるまれる。
そんな時期が、 もう届いてしまったのか。 |