今迄の住まいと、 新たな住まいとを、 往復する度に。
口を吐いて出る、 其の言葉が。
何故に産まれるか。
其の解答など、 十二分に、 分かり切って居るから。
其の言葉が、 一つ、 一つ、 俺への刃と成るのだけれど。
其れを、 緩和しようとの想いか。
刃の先が、 少しだけ鈍った事を、 感じ取る。
きっと、 只の偶然で。
俺に対する想いの様に、 感じられただけだけれど。
「憂鬱だ。」 「小坊主と住むの憂鬱だ。」
姫の口癖が。
今日、 少し変わった。
「小坊主と住むのが憂鬱なの。」 「仕事に行くような気がするからかな?」
姫の職場の、 其の隣に、 居を構えたのは。
偶然では無いけれど。
きっと、 姫は気付いて居ないだろうね。
姫の職場が決まった日の、 丁度一年後が。
今日で。
其の職場の隣へ、 引っ越す日で在る事には。 |