其の存在は。
少なくとも、 痕跡を消して後に入れ替わるから。
其れを、 伝えるか否かは。
総て、 此方側の言動に差配される。
其れ故に。
丁寧に、 丁寧に。
此れ迄以上に、 言の葉の端へと想いを向ける、 其の配慮が。
逆に。
僅かな違和感として、 捕らえられて了うのだろうか。
たわい無い会話の、 其の直後に。
「私の知らない所で出た?」
「如何して?」
「小坊主の電話の口調が気になって。」
「分かっちゃったか。」
「付き合い長いからね。」
あの子は。
的確な、 言の葉を追い打つ。
履歴ごと消された、 其の、 文の中身を。
如何に扱えば、 好ましい結果をもたらすのか。
其れは。
未だ、 明確では無いけれど。
あの子も。
其の存在も。
決して、 自ら問おうとせずに。
総てを、 俺に預ける心算なんだね。
---------- References Mar.04 2015, 「底無しの深度に踏み入れてませんか」 Mar.01 2015, 「扉は閉じずに居てくれますか」
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