其の周囲には。
少なくとも、 幾層かの殻が備え在るから。
其の、 核の想いの、 一部分ですらも。
此の手に感知する事は、 簡単では無い。
其れ故に。
少しずつ、 少しずつ、 想いを紡いでは。
其の殻を、 一枚、 一枚、 脱がせて。
最内層に、 想いを穿った心算なのに。
届いたと想った、 其の、 更に内側から。
未だ、 想いが噴き出して来る。
恐らくは、 殆ど最外層にしか触れて居なかった、 此れ迄を。
嘲笑うかの様に。
記憶とは、 振る舞いとは、 懸離れた。
あの子の、 芯が診得て出た。
「今日のチケットは貼って保存して置くの。」 「専用のノートにね。」
そんな風に、 純粋に、 雄を想う人だったんだね。
あの子は。
---------- References Jun.02 2011, 「過去の真が垣間見えますか」
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