一つ、 一つ、 振る舞いに宿る筈の、 其の意図が。
時に、 自身の望む想いと、 相反する事は。
良く在るけれど。
其れを理解して、 尚。
敢えて、 本来の仕様と異なる様に、 行う意図は。
何処に在るのだろう。
恨みや、 辛みや、 鬱憤晴らしなのか。
其れとも、 何かの決意の表れか。
「鬼は外!」 「鬼は外!」
鬼を祓う為に豆を撒く筈の、 其の俺の背後へ。
「ほら今だよ。」 「ぶつけてぶつけて!」
娘を唆しながら、 姫は、 容赦の無い袈裟懸けを放ち。
「なんでぶつけるの?」 「ぱぱかわいそうだよ?」
娘は、 放つ姫の鬼祓いの意味を、 正確に見抜く。
豆程度なら、 気が晴れるまでぶつけて構わないけれど。
ぶつけて貰った俺は、 幸せに為って了うんじゃ無いの?
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