2005年09月10日(土)  『チャーリーとチョコレート工場』初日

『WILLY WONKA AND THE CHOCOLATE FACTORY』を映画化した1971年の『夢のチョコレート工場』はわたしのいちばん好きな映画。その作品の2005年版、『チャーリーとチョコレート工場』がティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演で実現すると聞いたときから待ちに待った初日。丸の内のピカデリーは満員御礼。

オープニングのクレジットタイトルをはじめ随所に2005年版ならではの技術と意気込みを感じる。ティム・バートンらしく原作の毒をより強化し、ウォンカのキャラクターを膨らませてトラウマを足しているところが71年版との大きな違い。71年版になかったエピソードやインサート映像も遊び心たっぷりで楽しめる。ウンパ・ルンパのダンスもパワーアップ。オスメント君系の顔立ちのチャーリー少年も愛くるしい。だけど、わたしは70年代の最先端が描いたファンタジーに、より夢を感じる。いちばん好きな映画、71年版チョコレート工場の1位は揺るがなかった。

ところで、『ブレーン・ストーミング・ティーン(Brain Storming Teens)』の「チョコレート」の章に『夢のチョコレート工場』が登場する。書いていたときは再び映画になるとは想像してなかったけれど、今日観た2005年版の中でチャーリーが「Sorry we are late. We were brain storming(遅くなってごめん。話し合っていたんだ)」と言うシーンがあり、にやりとなった。

映画と現実のコラボと言えば、実在するネスレ系列のお菓子ブランドWonkaでは、映画に連動して「GOLDEN TICKET」キャンペーンを実施中。5人の子どもたちにちなんだ5つの豪華賞品を用意。チョコレート工場見学はないけど、ゲーム好きのMIKE TEAVEE賞はビデオアニメスタジオ見学。
2004年2月13日 ウィーリー・ウォンカのチョコレート工場

2004年09月10日(金)  原始焼『七代目寅』in English?
2002年09月10日(火)  大槻ケンヂ本


2005年09月09日(金)  アンティークボタンの指輪

猫又短歌と阿波踊り仲間の宮崎美保子さんのジュエリーブランド、T'sの展示会へ。前回の展示会でどうしようか迷ったアンティークボタンの四角い指輪を買う。ただ今、いまいまさこカフェのギャラリーに指輪のページを準備中。
2005年3月13日 宮崎美保子さんの四角い指輪

展示会に来ていた人たちで、荻窪駅近くにある北京遊膳へ。山の上ホテルのシェフだった方が開いたお店だとかで、気取りのないお店なのに一流の味。テーブルを囲んだ五人はアート関係、ファッション関係の女性がそろい、皆さんわたしより世代が上なのに、感度の若いこと若いこと。逆にわたしは、生まれる前のファッションネタにもジェネレーションギャップなく食いつき、「ほんとは同じぐらいの年なんじゃないの?」とからかわれる。話が尽きずに流れたBar switchは階段を上がった二階、隠れ家のような雰囲気。


2005年09月08日(木)  文芸社パンフレットの取材

ブレーン・ストーミング・ティーン』(いまいまさこ著)を出版した文芸社のパンフレットに登場することになり、撮影とインタビューを受ける。刊行一年半経った今も「不思議な売れ方」をしているそうで、本と作者の売り込みに力を入れてくれることになったよう。

雲ひとつない新宿の空の下での撮影を終え、インタビュー。ライターの植村垣有さんが熱心に相槌を打ってくれるので調子に乗ってしまい、1ページの原稿用に1時間しゃべる。「パンフ以外でも使えないですかね」と植村さん。

写真は後列左からパンフに登場するもう一人、『心霊探偵八雲シリーズの著者・神永学さん、パンフ制作を担当するフロンティア・クリエイションの企画・制作部、坂部功治さん(堺市出身)と稲葉悦夫さん。前列左から文芸社広報部の朽木未来さんと足立潮さん、植村さん。カメラマンの三浦健司さんはひと足先に帰られていた。

2004年09月08日(水)  東銀座の『台湾海鮮』
2003年09月08日(月)  「すて奥」作戦


2005年09月05日(月)  あたり前田のクラッカーと551蓬莱

このところ立て続けにお邪魔したお宅がどこもステキだったので、ひるがえって荒れ放題のわが家を反省し、大掃除。ゴザ状態にのさばっている新聞の整理にとりかかる。旅情を誘われる場所あり、気のきいた言い回しあり、大爆笑の実話あり、何かに使えそうな職業あり、わたしにも作れそうなレシピあり。必要な記事をジョキジョキ切り抜いて、残骸を古新聞に出していく。

大阪の食べ物ネタを2つ仕入れる。ひとつは、朝日be『ことばの旅人』(なんと2004年11月6日付)より。あの「あたり前田のクラッカー」で有名な前田製菓が創業の1918年当時からわが故郷、大阪府堺市にあるという事実。同社がスポンサーをしていたテレビドラマ『てなもんや三度笠』で藤田まこと扮する「あんかけの時次郎」の決め台詞が「あたり前田のクラッカー」だったのだとか。サイトのとぼけた味わいが商品に合っている。

もうひとつは、つい先日9月3日の朝日be『キミの名は』にて、大好物の『551蓬莱』の名前の由来を発見。「蓬莱」は中国語で「桃源郷」の意味だが、もっと親しみやすい店名を探していた創業者が当時の本店の電話番号の末尾3桁を取り、「ここがいちばん」の語呂も合わせて「551」を頭につけたのだとか。わたしは「551の蓬莱」と覚えていたけど、正式名称は「の」抜きのよう。こちらは今年創業60周年。

2004年09月05日(日)  映画女優 高峰秀子『チョコレートと兵隊』


2005年08月31日(水)  佳夏の誕生日

幼なじみの佳夏の誕生日は覚えやすく、忘れにくい。8月31日、夏休み最後の日。社会人になっても「夏休み最終日」のニュースを目にすると、ああ佳夏の誕生日、と反射的に思い出す。思い込みが激しく、思いのままに突っ走る佳夏には何かと驚かされたが、去年の春の突然の訃報には何より驚いた。いくらなんでもそれは反則ちゃう?というほどの衝撃に言葉を失った。

あれから2度目の佳夏の誕生日。いまだに実感が湧かないし、泣きそびれているけれど、佳夏のことは毎日のように思い出す。佳夏を偲ぶ会がきっかけになって持ち上がった小中学校の学年同窓会の日が2か月後に迫った。「佳夏の置き土産」と同級生は呼ぶ。偲ぶ会から一年あまりの間に、何人もの同級生と再会を果たし、学年が大きすぎて互いに知らなかった同級生とも知り合えた。「名簿見てたらね、佳夏ちゃん、クラスの同窓会委員になってたわ」。大阪にいる同級生から連絡が入る。佳夏はそういうつもりじゃなかっただろうけれど、今回の同窓会は彼女が言い出しっぺのようなものだ。同級生が集うサイトでは、「佳夏、誕生日おめでとう」の書き込みが続く。佳夏だけ若いままは許さへんでー。あんたも一緒に年取るんやでー。佳夏は美人だったので、このまま時が止まっては、ますます差が開いてしまう。

わたしはここ数日、偲ぶ会の日の日記の英訳と格闘していた。ベルリンの研究所での同僚たちが読みたがっているという。春にご両親を訪ねたときに「誕生日までに」と約束していたのを気にかけつつ後回しにしてしまっていた。訳しながら、また佳夏のことを考えた。家が隣同士の、まったく対照的な幼なじみ。去年再会した同級生の男の子は、佳夏とわたしを「太陽と月みたいやった」とたとえた。でも、太陽とはぐれた月は、自分の力で輝くしかない。佳夏と過ごした眩しすぎる日々を燃料にして。今のわたしは、太陽電池を積んだ月なのかなと思う。
2004年6月20日 日本一おしゃべりな幼なじみのヨシカのこと

2004年08月31日(火)  東京ディズニーランド『ブレイジング・リズム』


2005年08月28日(日)  高円寺阿波踊り2日目

昨日とはコースを変え、今日も踊る。『花の木連』は杉並区長賞を受賞。打ち上げでは「すごーい」の歓声とともに「なんでー?」と驚きの声。自己紹介した新人の名前をコールし(わたしのときは「雅子」コール)、スピーチする人に「踊れコール」が沸き、最後は机を真ん中に寄せて、畳の上をぐるぐる阿波踊り。

こういう世界があるということ、そこに参加させてもらえたことが、とても面白かった。下は学生(連長をやっている早稲田の先生の研究室の学生たちが強制的に連れて来られる。でもけっこう楽しそう)から、上は半世紀年上と思われる方々まで、バラエティに富んだメンバー構成で、平均年齢は他の連よりも高めかもしれない。練習の準備体操では、あちこちから呻き声が上がった。練習と本番を合わせても、たった四日間の出来事だけど、いい夏を過ごさせてもらった。

2004年08月28日(土)  『心は孤独なアトム』と谷川俊太郎


2005年08月27日(土)  高円寺阿波踊り1日目

猫又短歌仲間の宮崎美保子さんに誘われ、何事も経験、と飛び込んだ阿波踊りの世界。2回の練習を経て、今日めでたく高円寺阿波踊りデビュー。全部で60近いグループが参加だとかで、揃いの着物をまとった集団が居並ぶ様は圧巻。阿波踊りでは、グループを「連」と呼ぶ。とっさに思い浮かんだのが、「子ぎつねヘ連」。

わが『花の木連』は、新宿ゴールデン街の飲み屋『花の木』に集うお客さんたちが中心になって立ち上げ、来年で20周年。「踊った後のお酒が何よりも楽しみ」などとマイクで紹介されながら商店街を練り踊る。居酒屋に入り、テーブルの間を練り踊り、ビールをごちそうになる。お酒に酔って、拍手に酔って、ひさびさにアドレナリン大放出。疲れるほどに体が踊りたがる。衣装の着物のイラストは滝田ゆうさんの絵だそう。滝田さんも常連だったのだろうか。

お疲れ様の乾杯は、踊りに行った居酒屋『黒船』にて。他の連も来ていて、踊りあり三味線あり。なぜ高円寺で阿波踊り?という疑問はさておき、東京に来てはじめて、祭りを見る人から参加する人になった気分は、やみつきの予感。

2004年08月27日(金)  汐汲坂(しおくみざか)ガーデン
2002年08月27日(火)  虹の向こう


2005年08月26日(金)  『道成寺一幕』→『螢光 TOKYO』

森下のベニサン・ピットにてtpt公演vol.52『道成寺一幕』を観る。観劇の友の余語先生は能にも詳しく、「能の道成寺では鐘の中に男が閉じ込められる」と話されていたが、三島由紀夫作の戯曲は「箪笥の中に男を閉じ込める」話。ベッドも入り、中から鍵もかかる広大な箪笥のオークション。だがその箪笥はいわくつき。因縁をつけにきた女を演じるのが中嶋朋子さん。
tpt vol.52「道成寺一幕」 ベニサン・ピット

作:三島由紀夫 
演出:トーマス・オリバー・ニーハウス
美術:松岡泉 照明:笠原俊幸 音響:長野朋美
衣装:原まさみ ヘア&メイク:鎌田直樹
舞台監督:増田裕幸/久保勲生
出演:中嶋朋子/塩野谷正幸/千葉哲也
   大浦みずき/池下重大/植野葉子 他

六本木に移動し、博報堂から独立したてっしー(手島領)がCMプランナーの前田康二さんと立ち上げた『螢光 TOKYO』のパーティーへ。谷山雅計さん(この人の書くコピー、好き)の『谷山広告』と同じフロアに事務所を構えたことから、「谷螢」という名のジョイントパーティーになっていた。

競合代理店にいたてっしーとは、98年のカンヌ広告祭で知り合い、一昨年パタヤのアドフェストで再会。生茶のCMなどメジャーキャンペーンを手がける一方、宮崎あおいちゃんが出演したリップスライムのPVを演出したり、最近ではJAM FILMSも撮ったり(『NEW HORIZON』という作品)。あっちを向いてもこっちを向いても、広告関係者やら映像関係者やら見知った顔や一方的に存じ上げている顔が。会場で落ち合った元同僚のY姉いわく「ひさしぶりだなー。業界が束になってかかってる感じ」とは言い得て妙。

メゾネットの事務所はドラマや映画で描かれる「めいっぱいかっこよくしたクリエイティブ・ブティック」の上を行くオッシャレーな空間。打ち合わせの椅子はスケルトン。お行儀よく並ぶマックのまわりはすっきり。独立したとはいえ代わり映えのしない食卓で資料の雪崩と闘いながらパソコン打ってるわたしとは、何たる差。今をときめくクリエイターは、やることなすことかっちょいいのでありました。

2004年08月26日(木)  土井たか子さんと『ジャンヌ・ダルク』を観る
2003年08月26日(火)  アフロ(A26)
2002年08月26日(月)  『ロシアは今日も荒れ模様』(米原万里)


2005年08月25日(木)  『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫)

人にすすめられた本にはハズレがない。「いいよいいよ」とあちこちですすめられた『クライマーズ・ハイ』(横山秀夫)をついに読む。喫茶店でぼたぼた落涙してしまった『半落ち』に涙度は及ばないものの、やはり何度も涙を誘われた。職場でも家庭でも人間関係がしっくりいかない不器用な新聞記者が悩み、惑い、毎日降りかかる出来事に答えを出していく。そのもどかしさや苛立ちを定着させる言葉が実に的確。地の文は歯切れよく無駄がなく、それでいて状況が目に浮かぶ。新聞記者として勤めていた実体験、20年前の御巣鷹山の日航機事故という史実を踏まえた小説なので、ノンフィクションを読んでいるような気持ちにもとらわれた。「死」に慣らされる怖さ。過去の事件を勲章にし、その残光にすがる悲しさ。読者よりも社内を向いてしまう組織……。連日の報道の陰に葛藤する記者や新聞社員の姿があると想像すると、当たり前のように届けられ、紙面を埋めている新聞に、情報以上の重みを感じてしまう。「新聞紙ではなく新聞を作りたい」という言葉が心に残った。

2004年08月25日(水)  アテネオリンピックと今井雅子
2003年08月25日(月)  冷凍マイナス18号
2002年08月25日(日) 1日1万


2005年08月23日(火)  たっぷり3時間『もとの黙阿弥』

新橋演舞場にて、『もとの黙阿弥』を観る。時は明治。父親に結婚を決められた令嬢と姉に結婚を決められた男爵家の跡取りが、縁談相手と鹿鳴館でダンスをする羽目に。指南を求めて駆け込んだ先は、よりによって同じ場所、興業停止を食らっているつぶれかけの芝居小屋・大和座。「自分の目で結婚相手を見極めたい」令嬢と跡取りが、それぞれ従者と入れ替わったことから糸がねじれて大混乱。果たしてこの縁談、うまくまとまるのか……というあらすじからして笑いとドキドキを期待できるお話。

6時開演、間に30分、15分の休憩を挟み、終了は10時前。幕が上がっているのがたっぷり3時間、だけど退屈するヒマなし。ホンはよく練られているし、役者さんは達者だし、音楽はジャカジャカ(楽隊役が生演奏)、踊りはあるし、花道から自転車や馬車が登場するし、屋台車は行き交うし、舞台セットは回るし、これでもかと楽しませてくれる。劇中で上演される劇(オペレッタ風、芝居小屋風、新劇風)もオマケではなくしっかり作り込まれていて完成度が高く、一粒で何度でもおいしい。舞台装置の豪華さにも目を見張るが、着物あり洋装ありの衣装を観ているのがとにかく楽しい。風呂敷や新聞紙で作った舞踏会用ドレスは秀逸。一緒に見に行ったアサミちゃんと2幕が終わった時点で「ハッピーエンドに持っていくんだろうね」と予想したのだが、甘すぎないラストに、かえって余韻が残った。

河辺隆次……筒井 道隆
長崎屋お琴……田畑 智子
久松菊雄……柳家 花緑
船山お繁……横山 めぐみ
河辺賀津子……池畑 慎之介
長崎屋新五郎……辻 萬長
坂東飛太郎……村田 雄浩
坂東飛鶴……高畑 淳子

作……井上 ひさし
演出……木村 光一
製作……松竹

2004年08月23日(月)  江戸川乱歩と大衆の20世紀展

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