なぜかわたしの入社した年にはやらなかったけれど、それ以来毎年伝統のように続いている新卒パーティーの今年のテーマは「アフロ」!開催日の8月26日(August 26)を略してアフロ(A26)なのらしい。わたしの後ろの席に入れ替わり立ち替わり新卒君たちがローテーション配属されたおかげで、「店探し」にはじまり、「アフロというテーマ決定」「アフロのヅラ発注」「夜ごとのダンス練習」「必死のチケット販売」と繰り広げられた舞台裏を垣間見ていた。
途中、青春ドラマを見ているようなぶつかりあいがあり、その後のこれまたビバヒルもびっくりの熱い仲直りがあり、近所のお姉さんとしては、「この子たち、無事パーティーできるのかしらん」とおせっかいな心配をしながら出かけたのだが、蓋を開けてみれば、受付で渡されたアフロヅラを率先してかぶった瞬間、映画「ゲロッパ」を見たせいで疼いていたアフロ熱が一気に爆発。「今日はとことん楽しむぞ!」とフィーバーのスイッチが入った。
新卒君たちが猛特訓したダンスは、テレながら一生懸命踊る姿がなんともかわいく、参観日のお母さん状態でウルウル。ダンスタイムに突入すると、アメリカのディスコで体に叩き込んだユーロビートにあおられ、パブロフの犬状態で体が動き出す。気がつけば、アフロから滝のような汗をしたたらせ、まわりがひくほど踊り狂っているのはわたしだった。終わってから「いやー、よかったよ」と新卒君に声をかけると、「僕たちのために盛り上げてくれてありがとうございました」と爽やかな返事。好きで楽しんでただけなんだけど、「なりふりかまわず、年も考えず、プライドを捨てて盛り上げてくれた先輩」に映っていたのだろうか……。
2002年08月26日(月) 『ロシアは今日も荒れ模様』(米原万里)