JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:独機墜落、当日「勤務不可」=家宅捜索で診断書押収―抑うつ症状で受診か・副操縦士(時事通信 3月27日(金)21時18分配信) ドイツ西部デュッセルドルフの検察は27日、独旅客機を意図的にフランス南東部のアルプス山中に墜落させたとみられる ◆コメント:まず「本当は何が起きたのか」を明らかにすべきで、「原因」は、その後です。 私が、うつ病(正確には今は、うつ病というよりそれこそ「抑うつ状態」ですが)患者なので、 本当は何が起きたのか。 ということです。 本件について、コクピット・ボイス・レコーダー(以下、CVR)から明らかなのは2人のパイロットの1人がコクピットの外に出て、 戻ろうとしたところ、ドアがロックされていて(911テロの後、みだりにひとがコクピットに入れないように、 デフォルト(初期設定)でコクピットのドアはオートロックになり、中から解錠しないと、ドアが開かないそうですが)、 入れない。機長がドアをノックしたが、中から応答がない。段々ノックの音が激しくなり、最後はドアを蹴破ろうとしたが 開かず、墜落の瞬間、コクピットにはルビッツ副操縦士(27)しかいなかった。 CVRには、副操縦士の呼吸が最後まで冷静であったことがわかるような音が含まれている。 状況からして、副操縦士が「故意に飛行機を墜落させた」と推測できる。 ということです。 しかし、副操縦士の故意であるとしても、その原因がなにかは、全く憶測であります。 家宅捜索の結果、フライト当日の勤務は不可、とのドクターの診断書があったけれども その理由となる診断名は明らかにされていない。 ただし、6年前にうつ病で治療を受けていたことがある。 恋人との関係で、悩んでいた「可能性がある」 それが、本当だとしても、報道は、副操縦士の6年前の「うつ病」と乗客を道連れにした「自殺」を 誰もが想起するような書き方になっていますが、これは、非常に誤解を招き易いとおもいます。 こういう書かれ方をしたら、うつ病の患者は、約150人の乗客と無理心中を図りかねない、とんでもなく危険な 「キチガイ」だ、と、世の中の大部分、メンタルヘルスに無知か、偏見のある人々は考えることでしょう。 昨今、マスコミは企業に於けるメンタルヘルスケアの重要性などといいながら、他方でこのように 精神科関連の何らかの障害、疾患への偏見を徒に、助長する。 そもそも、事故の全貌の調査が明らかになっていないのに、最も慎重に扱うべきである 個人(副操縦士)の病歴を明らかにした仏検察もそれをそのまま伝えるドイツの新聞も、 そのウラを取らずに、あたかも「事故の原因はほぼ明らか」とでも言いたげに書いたり、ニュースで伝える メディアの報道方針は正しくありません。 「希死念慮」(自殺願望)は、うつ病の典型的な「症状」の一つで、それはうつ病が殆ど寛解しても 残るのです。私もそうです。 しかし、同時にうつ病患者の思考は、過度に自責的になるのです。 つまり、現実の認知が過度にマイナス方向に向かい、極端な場合、 世の中でおきる悪いことは、全て自分の所為だ という発想さえ出てくるのです。悪いのは「自分」だと。とても他人を道連れに自殺することは 出来ないのです。 とにかく副操縦士が死んでしまったので、事故を起こした際に、本当は何を考えていたか 独り言でも発して、CVRに録音されてなければ、永遠に分からないでしょう。 厳密に言うと、そういうことになります。 結論的に繰り返すならば、 副操縦士が故意に墜落させた、ということも「証明」は出来ていないし、まして、故意だったとしても、 過去の病歴を安易に公開したり、精神医学に素人であるマス・メディアが、病気と行為の因果関係を ほのめかすようなことを、書くのは、あまりにも拙速、と言わざるを得ません。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2013年03月27日(水) 30日(土)に母の遺骨を納骨いたします。それで一通り、終わります。
JIRO
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