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JIROの独断的日記
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2009年03月27日(金) 【差替】【音楽】「編曲者としてのラフマニノフ」。3月28日は、ラフマニノフの命日。済みません。「ヴォカリーズ」追加しました

◆ラフマニノフはかなり色々な編曲をしています。

今日(3月28日)はラフマニノフ(1873〜1943)の命日です。

で、ピアノコンチェルトの2番、3番とか、シンフォニーの2番とか取りあげてもよいのですが、

それではあまりにも普通なので、すこしひねくれたことをします。

それで思い付いたのが「編曲者」としてのラフマニノフ。



ラフマニノフは自身がピアニストで、専らピアノ曲やピアノ協奏曲が有名ですが、

リスト(1811〜1886年)と同様に(リストほど多くありませんが)、オーケストラ曲や、

他の楽器のために書かれた曲を、ピアノ曲に編曲しています。

ラフマニノフ:ピアノ編曲集というCDがあります。

今日はラフマニノフが編曲したものを取りあげます(終わりに「ヴォカリーズ」も載せますから、

ご安心下さい。


◆無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 - 前奏曲

まずは原曲を。カナダのヴァイオリニスト、ジェームス・エーネスです。

無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 - 前奏曲



BachBWV1006Prelude



これをラフマニノフがピアノ曲に編曲しています。



RACHMANINOVBachBWV1006Prelude



演奏者は、バッハの作品を弾くときは、原則そうするように極力というか殆ど全くペダルを使わずに弾いているし、

タッチもよいのですが、元来ヴァイオリンが単旋律で弾く箇所も何か左手を付けなければピアノというのは、サマになりません。

その分、やや音がゴチャゴチャしてしまいます。難しいものです。


◆メンデルスゾーン、劇付随音楽「真夏の夜の夢」からスケルツォ

メンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」はシェークスピアの戯曲の劇付随音楽、ちょっと語弊がありますが、芝居のBGMです。

結婚行進曲の最初の部分だけは、誰でも知っているでしょうが、全体を聴いた方はずっと少ないと思います。

その中から、「スケルツォ」。まず、原曲を聴いて頂きます。


演奏は、アンドレ・プレヴィン指揮のウィーン・フィルです。



A Midsummer Night's Dream Scherzo



これをラフマニノフがピアノ用に編曲したものです。


RACHMANINOVAMidsummerScherzo



全て管弦楽曲をピアノ曲に編曲した場合に言えるのは、当然ですが、

オーケストラほどの色彩感はありません。当然です。オーケストラは、

管・弦・打、それぞれが独自の音色を持っていますが、ピアノでそれらの音を弾いたら、

ヴァイオリンもフルートもクラリネットもトランペットも全部「ピアノの音」になる。

謂わばカラー写真をモノクロにするようなものですが、モノクロなりの面白さが有ります。

また、オーケストラの楽器が出している音全てをピアノで弾くことは不可能ですから、

大なり小なり、切り捨てる部分と、残さなければ行けない部分があります。その辺がきっと

編曲で難しいことの一つではないか、と想像します(全くの素人の「想像」です)。


◆ビゼー:≪アルルの女≫ 第1組曲メヌエット

私はこの曲どういう訳か大変好きでね。まず、オリジナル。以前もご紹介しましたが、

演奏は、アンドレ・クリュイタンス指揮、パリ音楽院管弦楽団です。

≪アルルの女≫ 第1組曲メヌエット


LArlesienneSuiteNo1Minuet



これをラフマニノフがピアノ用に編曲したものです。


RACHMANINOVLArlesienneSuiteNo1Minuet



最初の鈴の音を思わせる3拍子と、何とも神秘的な雰囲気が好きなんです。

ところが中間で雰囲気が変わり、心地よいそよ風が流れるような部分が有るでしょ?

ピアノ版、この部分、何だか左手が非常に難しそうです(ラフマニノフですから大抵難しいんでしょうけど)。

プロってのは大変だね。こんなの、リサイタルで取りあげること滅多に無いでしょうけど、

「弾けなません」とは言えないんだからね。


◆リムスキー=コルサコフ「皇帝サルタンの物語 Op. 57 - くまんばちの飛行」

これは、あまりにも有名ですけど、元来は、リムスキー ・コルサコフのオペラ「皇帝サルタンの物語」の第二幕だったか、

第三幕だったか、でオーケストラが演奏する曲です。まずはオリジナルをどうぞ。

<ザ・ベスト・オブ・リムスキ=コルサコフ>から拾いました。

熊ん蜂の飛行。



RimskiiKorsakovFlightoftheBumbleBee



お聴きのとおり、細かい動きを一番弾かされるのは弦楽器なんですが、ずーっと弾いている訳じゃなく、途中でフルートにバトンタッチしたり、

クラリネットも少し吹かされてます。で、リムスキー=コルサコフが想定したテンポはこれぐらいだっただろうと思うのですが、

ご承知の通り、この曲はありとあらゆる楽器で、ソロで演奏されます。そういうときは、

ちょっと言い方が悪いですけど、デモンストレーションというか、

「指が回るぞ」

というテクニック披露、になりがちでやたら速く弾くのですね。ホントはそんなに速くなくても良い見たいです。

これをラフマニノフがピアノ用に編曲した演奏をどうぞ。


RACHMANINOVFlightoftheBumbleBee



あんまり速く弾くから、ちょっと音が流れるというか、曖昧になっちゃってますね。こういうことがたまにあります。

リムスキー=コルサコフ特集の日ではないですが、短い曲ですから、他の楽器も聴いて頂きましょう。

まずは、オーボエの宮本文昭さん。以前お薦めしたドリーミング・ストリームから。


MiyamotoOboeFlightoftheBumbleBee



これは見事ですね。全然ムラが無いし、音が流れることもない。わずか47秒の演奏ですが、

30秒以上ブレスを取らないで(オーボエは最も息の量が少なくて済む楽器なのですが、それにしても)一気に吹いてますね。


次は同じ管楽器でも、最もこういう曲に向いていないと思われるトロンボーンでの演奏。

有名な、クリスチャン・リンドベルイという、トロンボーンのソロで食えてる珍しい人。

暫く品切れでしたが、Amazonに今はありますね。熊蜂の飛行”~ヴィルトゥオーソ・トロンボーン


ダウンロード TromboneFlightoftheBumblebee.mp3 (1088.6K)



どうして吹けるのか、不思議です。

もうお一人、やはり奇跡的な上手さ。ケルン放送交響楽団首席コントラバス奏者、河原泰則さんの演奏です。

以前、お薦めした、コントラバスの奇跡に収録されています。


ダウンロード FlightoftheBumblebee.mp3 (1159.5K)



これも、弾けるのが不思議です。他の曲も含め、再度お薦めします。


◆最後は編曲ではなく、ラフマニノフ自身の作品。「ヴォカリーズ」

ラフマニノフは歌も沢山書いてまして、あまりにも美しいので有名な「ヴォカリーズは」「14の歌」作品34の中の一曲です。

他にも多くの「6つの歌」、「12の歌」「14の歌」「15の歌」など書いていますが、この作品34の「14の歌」の中の14番目が、

飛び抜けて有名になった、ヴォカリーズです。色々な楽器でも演奏されますが、元来「歌」(Vocalizeってぐらいですから)です。

歌詞はありません。

ラフマニノフ作曲:「ヴォカリーズ」です。


LauberVocalise



演奏は、Dawn Holt Lauber(ドーン ホルト ローバー)というソプラノで、Something Borrowed Something Blues

というアルバムに収録されていますが、このローバーさんってのが不思議な人でして、プロフィールを調べたら、

Chicago Jazz Ensemble(シカゴ・ジャズ・アンサンブル)のソリストだということで、

アルバムにもデューク・エリントンとか含まれているのです。しかし、どう聴いてもちゃんと声楽の勉強をした人で、

実際の活動も、「メサイア」やバッハの「マニフィカト」やモーツァルトの「ハ短調ミサ」などという純然たるバロックやクラシックも

歌っているんですねえ。何処で勉強したか書いてないけど、上手いです。

ヴォカリーズを聴くと高音が細く、声量が足りないので、オペラは無理だとおもいますが、何だか上手いんですね。

最後、今日の特集からずれてしまいますけど、このドーン ホルト ローバーさんが歌う、ヴィヴァルディの、

Nulla in mundo pax sincera(まことの安らぎはこの世にはなく)RV 630: からアレルヤというのをお聴き頂きます。


Vivaldi Nulla in mundo pax sincera RV 630 Alleluia



上手いですよね。このアルバム、デュークエリントン、ヴォーン=ウィリアムズ、シューベルト、バッハ、モーツァルト、

ヴィヴァルディ、ラフマニノフ、フォーレ、と極めて多彩で最後がデュークエリントンなのです。スウィングするわけじゃないんですけど。

何か不思議な人です。私の頭の上には、クエスチョン・マークが3つぐらい点灯しております。


まとまりのない、編集になってしまいましたが、週末、ゆっくりお聴き頂ければ幸いです。

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2008年03月27日(木) 「ポーランド首相、五輪開会式欠席を表明。欧州首脳で初めて。」←やはり、タダじゃ済まないのですよ。中国さん。
2007年03月27日(火) 「能登半島地震:両陛下が見舞金」陛下がお見舞金をお送りになったってのに、何もしないわけにはいかねえ。
2006年03月27日(月) 「米国産牛肉 全頭検査求め提訴の米食肉加工業者に聞く」←アメリカの良心。これは評価すべきです。
2005年03月27日(日) 「NYタイムズに反対広告掲載へ=日本の常任理入り−中国人団体」 3兆円援助してあげたの、忘れましたか?
2004年03月27日(土) 「陸自支援テンポ遅いと批判 サマワ最有力紙が論説」人道復興支援なんて、連中は、ちっとも有難がっていないのだ。
2003年03月27日(木) 戦争報道はスポーツ中継ではない。戦況を伝えるばかりのマスコミ。問題は如何にして早く戦争を終わらせるか、だ。

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