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2011年03月27日(日) |
ビデオニュース・ドットコム「あえて最悪のシナリオとその対処法を考える」 |
◆京都大学原子炉実験所 小出裕章 助教の説明が分かりやすく信頼できる。
原発に関しては、どうも官房長官も原子力安全保安院の説明も曖昧である。
私が見たり読んだりした中では、インターネット放送の、
ビデオ・ニュース・ドット・コムが最も真実に迫っている。
本来毎月500円の視聴料を取るが、今回のような緊急事態では、
専門家へのインタビューなど貴重な映像と音声を無料で開放しているので、
貼らせて頂く。
以下は、その放送のごく一部だが、
福島原発の現在の状態に関して、大手メディアが報じられない専門家の
冷静な分析を知ることができる。25日の放送では、
京都大学原子炉実験所 小出裕章 助教に電話で話を訊いているが、
小出裕章助教の説明は極めて分かりやすい。
あえて最悪のシナリオとその対処法を考える【Part1】
映像だけはりつけたのでは、職場で見られない方も多いだろうから、
ほんの一部だが、文字に起こした。
Q.現在、福島原発の原子炉の状態はどうなっているという認識か?
小出:放射性物質のある現場は二つ。原子炉本体と、使用済み核燃料プールだ。
使用済み核燃料プールは、1号炉と3号炉は既に剥き出しになってしまっている訳で、
外から見えるので、とにかく水を外から入れればいいし、4号炉も建物が壊れているので
その隙間から(水を)入れればいいので、比較的簡単だろうと思う。
但し、問題はその作業をものすごい放射能汚染の現場で行わなければならない
「被曝作業」だ、ということだ。しかし、その困難は原子炉本体を冷却しなければならない
という困難に比べれば、比較的、比較の問題で言えば楽なほうであろう。
問題はやはり、原子炉本体をこれからずっと冷やし続ける事ができるのか、
という点にあると思う。
Q. 1号機、2号機、3号機共に、中に燃料棒が入っているわけですね。
小出:そうです。
Q. しかもその燃料棒の相当部分(一部の報道では7割ぐらい)が損傷してしまっている
のではないか、と報じられているが、特に3号機にはMOX燃料ですね?
小出:はい。
Q.非常に危険だという認識で、特に3号機は原子炉格納容器に損傷があったのではないか
ということを、漸く原子力安全・保安院も認めたわけだが、それが更に進むと
どのような状態に進み得るのか、具体的に教えて頂きたい。
小出:基本的には・・・、その前に皆さんが「原子炉」として認識しているもの
には、多分三種類ある。
1つ目は「炉心」という所、核燃料が含まれているところ。
2つ目は、1で言う所の「炉心」を含む原子炉圧力容器を「原子炉」と称する場合。
3つ目は、圧力容器を含めた全体を包んでいる格納容器という大きな建物があるが
それを原子炉と呼んでいる報道も見受けられ、用語が混乱しているように見える。
「原子炉が壊れている」という言い方も見受けるが、それは所謂「炉心」と呼ばれている
部分の核燃料が壊れている、ということだが、圧力容器はまだ3つとも壊れていないと私は
思うし、格納容器の損傷はどれも(注:1〜3号機)あると思う。
Q.前回(3月17日)に伺ったときの「最悪のシナリオ」としては、
これ以上燃料棒の溶融が進むと、原子炉圧力容器、場合によっては格納容器も
溶け落ちてしまうのではないか、というお話で、場合によっては、水蒸気爆発
が起きて、それが最悪のシナリオだと、いう風に仰有っていたと思うが・・・
小出:そうです。
Q.現段階でもまだその可能性はある、とお考えか。
小出:そうだ。今、ラジオニュースを聞いたところだが、原子力安全委員会が
福島原発から半径20キロは避難、30キロまでの人は屋内待機をしろと指示をだしていたが、
30キロ圏内の人達まで、避難した方が良いという勧告に変わった、と聞いた。
その理由が、「放射能の漏洩が今後も続くかも知れない、その可能性を否定できない」
という根拠だった。それは原子力安全保安院も政府も東電も、
「原子炉が最悪の状態になる可能性が、やはり、ある」という認識だからだろう。
Q.最悪の場合というのは素人考えでは、原子炉の中で再臨界が起きて暴走する可能性を
まだ否定できない、ということか。
小出:その可能性は捨て切れないが、私が恐れているのはむしろ
それではなくて、原子炉が溶けて落ちる「メルトダウン」が起きたときに、
水蒸気爆発が起きて圧力容器が破損するという可能性だ。
Q.それ以外に今のところ問題なのは、3号機の原子炉格納容器から
放射性物質を含んだ水が漏れているのではないかといわれているが
小出:そうだ。
Q.これも素人考えだが、いくら水を入れても漏出してしまうので、
これからも汚染が続き、しかし冷却を止めるわけにはいかないので、
水を入れ続け、どんどん放射性物質に汚染された水がが外に出てしまう
ということも、考えられるか。
小出:考えれるか、というか水をいれるのは冷やすためだが、熱は水に
移り、そうすると水は沸騰し、その沸騰して結果生じた蒸気を全て格納容器の
中に閉じこめるということは、圧力がどんどん上がるから、勿論不可能である。
だから仕方がないからベントという作業で、意図的に、中の水蒸気、放射能、水素ガスを
外に捨てているのである。それは当たり前のことであって、やらざるをえない。
しかし、私はそれ以外にも、実は格納容器が壊れているのではないか、それも
壊れている所が多分、沢山あって、今回となりのタービン建屋で作業員が被曝したが
それは、「主蒸気隔離弁」という一番大きなバルブが損傷しているのだ、と私は
思っている。原子炉で発生する蒸気は、もともとタービンに送って発電に使う
為のもので、そのために巨大な配管があるが、事故があったときには、放射能が
外部に出ていくことは好ましくないので、「主蒸気隔離弁」を閉じて、タービンに
蒸気がいかないようにして、蒸気を格納容器に閉じこめるのだが、
多分、その大元の弁がこわれている。その為にタービン建屋に水が出た
のではないか、というのが私の推測だ。
Q.3号機はMOX燃料を用いているが、この毒性は?
小出:プルトニウムは人類が遭遇した物質で最悪の毒性を持っている
といわれ、生物学的毒性はウランの20万倍である。
しかし、それ以前にそもそも「原子炉」とは超危険なものであって、
ウランを核分裂させ、核分裂生成物を作ってしまうと言うこと自体
とてつもなく危険なものなのである。
Q.小出先生の想定する最悪のシナリオは核燃料が溶けてしまって
爆発が起き、圧力容器が破壊されて放射能を含んだガスが
外部に噴出するということか。
小出:そうだ、そうなったら、爆発的に外部に放出される。
3つの原子炉のうちひとつでもそういうことがおきたら、作業員が
発電所内に留まることは不可能となり、現在必死でおこなっている
冷却作業自体停止してしまうので、他の2つの原子炉でも同じ事が起こり
そうなったら、チェルノブイリ以上の深刻な事態になりかねない。
その可能性を私は否定することができない。
これは私の推測だが、日本の法律を厳密に適用するならば、
汚染された地域は完全に無人にしなければならないが、
それは、既にかなり広範囲、多分原発から半径40キロは
そのような状態になっている。私自身どうすれば良いか
途方に暮れている。
仮に冷却に成功してもポンプは海水につかり、修復を必要とするが
その作業を被曝環境で行わなければならないので大変な困難を伴う。
(後略)
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