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JIROの独断的日記
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2012年03月27日(火) 「2号機格納容器内『被曝すれば8分で死に至る』」←他の原発だって同じ事になりうる訳です。

◆記事:2号機格納容器内「被曝すれば8分で死に至る」(読売新聞 3月27日(火)20時32分配信)

東京電力は27日、福島第一原子力発電所2号機の格納容器内の線量を事故後、

初めて直接測定し、最高で毎時73シーベルトだったと発表した。

事故後に測定した最高線量で、人が被曝(ひばく)すれば1分弱で嘔吐(おうと)などの症状が発生し、

約8分で死に至る。東電は「容器内での人の作業は不可能で、内部の状況を把握するためには、

高い放射線に耐える機器開発が必要になる」としている。

調査は26日に内視鏡を挿入した配管に、線量計を入れて測定した。壁面から50〜100センチの場所で計8か所測り、

線量は毎時31〜73シーベルトだった。定期検査中の格納容器内の線量に比べ、10万倍以上高い。

格納容器内に溶け落ちた核燃料や、格納容器内に拡散した放射性物質による放射線の影響と見られる。


◆コメント:レベル感の無い単位。

東日本大震災とその後の福島第一原発事故の深刻さが明らかになるまで、

私達は「シーベルト」などという言葉、単位を口にしたことは無かった。

あまりにも突然現れた、放射能の量を表す単位で私達には「レベル感」がない。

「レベル感」とは、例えば気温ならば、摂氏30度ならば暑いし、10度未満なら寒いだろう、とか、

為替相場でドル円が70円ならあまりにも円高で、90円か100円になったら、輸出企業もホッとするであろうとか

直感的・感覚的にその数字が「どの程度か」を判断できる感覚である。


放射能などそれまで考えたこともないから「シーベルト」のレベル感は全く持ち合わせていなかった。

それが我々の不安を増幅した一因である。しかし、色々な情報に接するうち、私の場合は特に、

小出裕章京都大学原子炉実験所助教の著作を拝読して、少しはわかるようになった。

それによると、本来、原子力に携わることの無い一般人の年間被曝量は1ミリシーベルト(1シーベルトの1,000分の1)であり、

小出先生のような原子力関係者は、やむを得ず年間被曝量20ミリシーベルト(1シーベルトの1,000分の20)まで、

ということで、一般人が年間20ミリシーベルトも被曝するような現在の福島県各所は本来、核管理区域に指定して、

人を、ましてや子供をそこに止まらせてはいけないのだそうだ。

ところが日本政府は全員の移住先を考えるか、あるいはとりあえず、福島県全土の表面の土を削り取って

「移染」したくても、物凄い費用があるから、なし崩し的に、高度に専門的な数字であるから、

一般人はいくらでも騙せるので、「まあ、大丈夫だから、住んで下さい」といっている。

小出助教はそれがとんでもない話で、犯罪だというのである。尤もである。


さて、東電が発表した福島原発2号炉内の放射線量、一時間73シーベルトはただごとではない。

8分間で死に至るとか言っているが、何を根拠に8分かわからない。

そんな量の放射能を何の防御もしていない人間が浴びたら、多分即死するであろう。


◆1999年東海村JCO臨界事故で、83日後に亡くなった大内氏の被曝量は20シーベルトだった。

1999年に、1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故。「東海村JCO臨界事故」で、二人の作業員が亡くなったが、

NHK取材班による、

「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」

は、311を経験し、今なお危険な状態にある福島第一原発や、今は壊れていないし、運転を停止していても、

直下型の強烈な地震で原子炉圧力容器が破損し、核燃料が剥き出しになったら、どこの原発(全国54基!)も同じ危険が生じる、

そのような状況で生きている全ての日本人及び日本に住む人が読むべきでは無いかと思う。

東海村JCO臨界事故で大内氏の被曝量は当初8シーベルトと言われていたが、8シーベルトを浴びたら、

致死率100%だと言われていたのに、大内さんはなんと20シーベルト(2万ミリシーベルト。一般人の年間被曝限度の2万倍)

もの被曝をした結果、人間の身体を形成する60兆個の細胞を造る「設計図」、染色体がズタズタに破壊されてしまった。

火傷で剥がれ落ちた皮膚が再生しない。粘膜も溶け落ちる。被爆者は皮膚が無くなるのであるから激痛に襲われる。

日本中の専門家が総力を結集したが、助けることは出来ず、最後は痲薬系の強烈な鎮痛剤でただ、大内さんを昏睡状態にするしか無かった。

大内さんは、心臓が丈夫だったのが却って苦しみを長引かせるという皮肉な結果となった。83日後に永眠された。

大内さんの心臓は事故直後から亡くなる前までずっと120という頻脈が続いていた、全力疾走がつづいていてようなものだ。

あらゆる点であまりにも悲惨であった。


東電は73シーベルトを「8分で死に至る」とか何とか言っているが、人間なら、被曝したら殆ど即死であろう。

したがって、近寄ることも出来ない。核燃料が本当は、原子炉格納容器の何処でどのような状態になっているかも分からない。

いくら原爆を日本に投下した時のデータを持っているアメリカといえど、こんな状況は人類史上初めてなのであるから、

どうやったらいいか、確信を持てないでいる。

ただ、手をこまねいている訳にもいかないので、

かなり細かい作業が遠隔操作で可能なロボットを開発するところから始めなければならない(と想像する)。


ロボットを作ったとしても、ドロドロになっている(かもしれない)核燃料をどのようにして安全に回収したら良いか、

専門家も頭を抱えているという。もしかすると我々が生きている間には、全然方針すら立たないかも知れない。


原発が一旦壊れたらこれほど苦しむことが分かったのに、再稼働しようとかいう奴は頭がおかしいのではないか。

Twitterを眺めていたら、冒頭の福島第一原発2号機の記事を読んで、
こういう状況を確実に収束させる技術ができるまでは、やはり原発は無理だと思う

という感想を述べている人がいた。私はこの人に対して全く他意は無いが、まだ、分かっていないと思う。

そして、この人と同じレベルの、つまり、はっきりいってまだ現状認識が甘い日本人が多いのではないかと思う。

こういう状況を完全に収束させることは出来ない。人類は放射能を無効化できないから、である。

既に福島第1から拡散した放射性物質を消すことは出来ない。

その意味では、この世は311以前の状態に完全に戻ることは二度とないのである。

もう一度書くが、この状態を完全に収束する技術は永久に出来ない。


一刻も早く、日本中の全ての原発を廃炉にする段取りをつけるべきだ。

福島に手こずっている間に、もう一つ、福島と同じ状況が生じたら、もうおしまいである。

そうでなくても、しつこいのを承知で何度も書くが、福島第一原発4号機の使用済み核燃料プールに、

1,500本を超える使用済み核燃料が入っている。

今の所は水で冷却されているが、プールが壊れたら一巻の終わり、である。

27日20時頃、岩手県沖でM6の地震があった。福島で大規模余震が起きて、4号炉の使用済み核燃料プールが壊れたら、

日本は終わりである。そういう事態は、今、この瞬間に起きてもおかしくない。

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