JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事1:「イスラム国」“邦人殺害”と脅迫 身代金要求(NHK 1月20日 19時33分) イスラム過激派組織「イスラム国」のメンバーとみられるナイフを持って覆面をした男が、 ◆記事2:「日本 中立とは見られていない」(NHK 1月21日 14時57分) 「イスラム国」が2人の日本人を拘束したとみられる事件について、 ◆コメント:日本は中東の紛争(アラブ=イスラエル紛争など)には中立、という立場が基本なのです。 記事のコメントを読むと、そこまでは書いてありませんので推測ですが、イスラム教の指導者、アンジェム・チョードリー氏は、 「何もするな」 と言いたいのでしょう。中東の紛争の中心はパレスチナを巡るアラブ人とユダヤ人国家・イスラエルの紛争です。 日本は、この件に関しては、どちらにも味方しない、中立である、という立場を一貫してとってきたので、欧米諸国とはことなり、 ユダヤ人ともアラブ人とも、「仲が良かった」のです。 欧米人の社会では、今でも偏見を持たれているユダヤ人に対して、日本人は彼らがそういう立場にある、ということを、 観念的には、理解していますが、感覚的には、要するに「ガイジン」(白人)は日本人にとって同じですから、 いくらユダヤ人が「自分はユダヤ人だ」といっても「へー」で終わりなのです。日本人には分かり難いけれども、 それが、ユダヤ人にとっては、ものすごく楽なことなのです。日本に永住する欧米人のかなりはユダヤ人ですが、 「ユダヤ人に対する偏見のなさ」が、やや大袈裟に言えば、天国のように住み易い。暮らしやすい、ということだそうです。 そして、日本が戦後、特に高度成長期、慣れない外国に行って、日本の商品を一生懸命売ろうとしましたが、この時、 既に欧米社会に根付いて、商売上手のユダヤ人に、ここでも何の偏見もなく、接したので商売を助けて貰えたのです。 しかし、同時に中東のアラブ産油国からは、大量の原油を輸入しつづけていましたし、イスラム教が何かも、なんか分からなかったから、 アラブ人からも「お得意さん」と見られるだけで、「欧米人とは違う」と見なされた。 このように、日本は、互いに対立している筈のアラブ人ともユダヤ人、両方と仲良くできる、世界でも稀な国でした。 それが日本の海外進出、高度成長を支えたのです。 ◆その良好な関係を壊したのは小泉純一郎です。 小泉純一郎は、アメリカがイラクに言いがかりを付けて無理矢理始めたイラク戦争を「支持する」と世界で最初に宣言しました。 僕はPKOのときにも反対した。現行憲法では自衛隊の海外派遣には、どう考えても無理がある その小泉が、アホのブッシュの部下、当時のアーミテージ国務副長官というプロレスラーみたいのがやってきて、 旗幟を鮮明にしろ(Show the flag)とか、兵隊を戦地(イラク)に送れ(Boots on the ground.)と恫喝したら、 真っ青になりました。 そして、どう考えても違憲であるイラク復興支援特別措置法を強行採決してサマワへ陸自を、 クウェートには米兵輸送用に空自の輸送機を。ペルシャ湾では海自が他国の戦艦に燃料を給油する「無料ガソリンスタンド」を やりました。どこの国からも尊敬されません。それどころか、イラクの武装組織が自衛隊を撤退させろというのに 無視したので、人質になる邦人が何人か出て、24歳の青年が首を刎ねられ、その映像まで送りつけられるという 悲惨なことが起きました。 2004年10月31日(日)「香田さん殺害、首相『テロとの闘いを継続』」 アラブで「テロリスト」と云ったら、アメリカか、イスラエルを指すのですよ。首相。 このとき、サマワでは陸自が土木工事をしただけですが、 アメリカの後方支援をしているだけで、アラブの敵に見えたのでしょう。 それどころではありません。イラク戦争どころか、そのまえから、アラブ人は在日米軍基地を飛び立った、 米国の爆撃機が自分たちを攻撃したことを知っているのです。 ジャーナリスト、青山繁治さんの世界政府アメリカの「嘘」と「正義」、101ページからの、 「ジャパンは何故アラブを攻撃するんだ という項を読むと、驚きます。青山さんがパレスチナ自治区を取材したら、砲撃を受けた果物屋の店主が 「もしかして、あんたは、ジャパニーズ?」と訊いて来た。そうだと返事をしたら、店主が顔を近付けて、 ジャパンはなぜ、アラブを爆撃するんだ? と、尋ねたそうです。青山さんは、 日本はイラクを爆撃していないよ。それはアメリカだろ? と答えたのですが、 店主「いや、ジャパンもしてる」 すると、それまで店の奥に黙って座り、私の顔を見ていた若い男が、突然、「ミサワ」と言ったそうです。 若い男は「ミサワ・エア・ベイス」と少し大きな声になって言った。やられる側から見れば、 日米安保条約も、日本とアメリカの違いも、何もない。日本から飛んで来た飛行機がアラブを攻撃している。 このように見られるのです。 だから、絶対中立であるべきなのです。難民支援だ、とか説明しても分かって貰えない。 ましてや、集団的自衛権など行使して、中東で、自衛隊が鉄砲でも撃ったら、完全にアメリカ人と同じ輩だ と、思われるでしょう。 テロには、屈しない、という安倍総理ですが、小泉純一郎と同じです。 そこまでいうならば、イスラム国は「日本の首相へ」といっているのですから、 人質を解放しろ、その代わり自分が身代わりになる。文句があれば、自分を殺せ。 といえば、本当に、殺されるかも知れませんが、安倍氏の悲願である「歴史に名」を遺すことはできます。 全力を尽くすとかいっていますが、ポーズでしょう。72時間の努力するフリ。その後、 全力を尽くしたが、残念な結果になった。テロリストを断じて許せない。これに対処するには、自衛隊の海外派遣恒久法を制定するしかない。 とかなんとか、言い出しそうです。 本稿でしつこく書いたとおり、そんなことをしたら、恨まれます。おカネどころか基地を米軍に使わせているだけで、 既に恨まれている。本来専守防衛の為に存在する自衛隊を海外に派遣したら、要するにアメリカのパシリになるだけです。 これ以上、イスラム国だか、アラブだかの恨みを買って、日本の国益に資することはなにもありません。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2013年01月21日(月) 「延命治療「死にません、なかなか」=麻生副総理が発言、すぐに撤回」←全く麻生氏に同感です。撤回の必要無し。
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