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JIROの独断的日記
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2015年03月07日(土) 「<集団的自衛権>行使の範囲「新事態」で歯止めどう変わる?」←「集団的自衛権」とは「他衛権」です。

◆記事:<集団的自衛権>行使の範囲「新事態」で歯止めどう変わる?(毎日新聞 3月6日(金)21時26分配信)

政府は6日、安全保障法制の整備に関する与党協議会で、武力攻撃事態法などを改正し、

日本と密接な他国が武力攻撃を受けた場合に集団的自衛権を行使できる「新事態」を盛り込む方針を伝えた。

昨年7月の閣議決定を受け、政府が想定する安全保障関連法案の大枠が、これですべて示されたことになる。

ただ、公明党からは新事態の定義が不明確だとして、政府に詳細な説明を求める声が出ており、

集団的自衛権行使の範囲や歯止めをめぐり、なお曲折が予想される。

自民、公明両党は関連法案の整備に向けた考え方を今月下旬に取りまとめる予定で、

政府はこれを受け、具体的な条文作りに入る。

武力攻撃事態法は、日本への武力攻撃に対処するために

▽自衛隊の防衛出動が可能となる「武力攻撃事態」

▽待機命令が出せる「武力攻撃予測事態」−−

を規定している。武力攻撃事態はさらに、

(1)武力攻撃が発生した事態

(2)武力攻撃が明白に切迫した事態−−に分類されている。

従来は憲法解釈上、自衛隊が武力行使できるのは、実際に武力攻撃が始まる(1)のみとされてきた。

これに対し、政府は昨年7月の閣議決定で、憲法9条の解釈を変更した。

日本が直接攻撃を受けていなくても、「密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、

我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由などの権利が根底から覆される明白な危険がある場合」

などの新3要件を満たせば、

「自衛の措置」としての集団的自衛権の行使が可能との方針を打ち出した。

政府は与党協議会で、3要件を満たす「新事態」を新たに規定し、

自衛隊法と武力攻撃事態法に盛り込む方針を伝えた。武力攻撃事態とは別に

「新事態」を設ける理由について「新事態と武力攻撃事態は重なることがあるが、

(日本への武力攻撃があるかないかの)評価の軸が異なる」と説明した。

政府の説明を受け開かれた公明党の会合では、

「新事態で、他国で武力行使ができるとはどういう具体例を想定しているのか政府にもっと説明してほしい」などと

「新事態」の明確な説明を求める声が相次いだ。

新事態の認定に関しても「攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、

その規模、態様、推移などの要素を総合的に考慮」すると説明した政府答弁を

そのまま法律に書き込むよう求める意見が出た。

北側一雄副代表は与党協議会で、政府が新3要件に該当する状況を

「我が国が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻、重大な被害が及ぶことが明らかな状況」

と国会で答弁したことから、

「政府答弁をしっかり踏まえた法制にしていかなければならない」とけん制。また、新3要件のうち

「他に適当な手段がない」との要件を法律の条文に盛り込み、歯止めをより明確化するよう求めた。

政府は、集団的自衛権の行使に関し、武力攻撃事態法などの改正に加え、

米軍など他国軍の支援を可能とするための米軍行動関連措置法、

武力攻撃をしている他国軍に武器などを輸送する艦船を規制する

外国軍用品海上輸送規制法なども改正する方針を示した。


◆コメント:私は、「日本の防衛に集団的自衛権は必要ない」と200回以上説明しています。

2015年2月はついに一度も更新しませんでした。失礼しました。

日記を書き始めた2002年は40代前半でしたが、それから散々同じことを繰り返し、

今年で55歳になるのですが、これほど書き続けても、タカが市井の一般人が何を言っても無駄であることを

痛感して、嫌になってしまいました。


が、繰り返す以外に方法がありません。

昨年、「集団的自衛権」について、記事にもありますが、閣議決定で解釈改憲が可能、と

政府が言い始めたころから、漸く一般人も関心を持ち始めましたが、ネット上の文章やら、

Twitterでの「つぶやき」を眺めていると、多くの人が「集団的自衛権」の意味を正確に理解していないこと。

また、その自覚というか疑念。つまり

「自分は『集団的自衛権』を正確に分かっていないのではないか?」

という発想すら、でてこないいい加減な人があまりにも多いので、呆れました。

こんなことはさほど難しい概念ではない。

日本が他国から攻撃されたり侵略されたときに自衛隊が防衛するのは、国民の「平和的生存権」を守る、

という、国家にとって、最も大切な、かつ最も基本的な機能に鑑み、当たり前です。

これは「個別的自衛権」といいます。日本の防衛に必要なのは、個別的自衛権の発動だけ、です。


集団的自衛権は自衛権ではない、と言ったほうが良いかもしれません。

「集団的自衛権」とは
自国(日本)が直接、攻撃・侵略されていないが、自国と同盟関係など密接な関係にある国(アメリカ)が攻撃・侵略されたときに、これを自国(日本)への攻撃と見なして防衛する権利。

です。だから、
集団的自衛権とは敢えていうなら「他衛権」です。

世の中の多くの、物事を正確に知ろうとしない人は、

もし北朝鮮か何処かに日本が攻撃されたときに(これもオメデタイ発想ですが)、

アメリカが日本を助けてくれるだろう。その時には、日本はアメリカと

一緒に、つまり「集団で」日本を「自衛」する。これが、「集団的自衛権」だ、と、勝手に理解したつもりになってます。


違う。少し調べれば分かることを調べないで、自分の「想像」を「既定の事実」にしてはいけません。


そういう人が多すぎるんです。

それはさておき、自民党案は、いよいよ集団的自衛権の「中身」を文章にしているわけですが、

公明党はポーズでしょうが、一応、上の記事で公明党が言っている「曖昧さ」がまさに問題です。

自民党が示した、「集団的自衛権行使の新要件」たる「存立危機事態」という「新事態」は、
(1)日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある

(2)他に適当な対抗手段がない

(3)必要最小限度の実力行使

ですが、問題外。どれもこれも、どうにでも解釈出来ます。

何を以て「国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」と判断するのか。

「他に適当な対抗手段がない」こと、は、証明できません。

「必要最小限度の実力行使」は、いくら武力行使の程度が拡大しても、

国が「いや、これが必要最小限度だ」といえば終わりではありませんか。

こんなデタラメに騙されてはいけません。


◆そもそも、閣議決定で「解釈改憲」が可能である、という考え方が間違っています。

行政権は内閣に属します。

内閣総理大臣が内閣のメンバーを任命する。過半数は国会議員でなければなりません。

国会議員や国家公務員には、憲法を擁護する義務があります。閣議決定で

解釈による改憲が可能であるというのはとんでもないことです。

内閣のメンバーは、前述の通り内閣総理大臣が任命するのです。

閣議決定で改憲が可能ということは、安倍晋三は改憲したいのですから、閣議で反対する奴がいたら、

それを罷免して(クビにして)、自分に反対しない人物を新しい閣僚に据えれば、

簡単に全員一致で、閣議決定→改憲、となります。要するに内閣総理大臣の独裁制になります。

日本の集団的自衛権の行使に関しては、1983年、角田礼次郎内閣法制局長官が衆議院予算委員会で、

集団的自衛権の行使は憲法改正でなければできない

と答弁し、安倍晋三氏の父、安倍晋太郎氏(当時、外相)が、
長官が述べた通りだ

と言ってます。歴代内閣全て「角田答弁」を踏襲しています。

安倍晋三内閣総理大臣はそれを破ることにより、歴史に名前を残したいのでしょうか。

兎にも角にも、憲法を「改悪する」(改正とは「正しく改める」ことです)必要を全く認めません。

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