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JIROの独断的日記
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2012年06月29日(金) 「ほめてやらねば、人は動かじ」50を過ぎても褒められれば嬉しいのです。

◆やってみせ、いって聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ。

これは、連合艦隊司令長官、山本五十六海軍大将の言葉として有名ですが、

山本さんに関する最も優れた伝記と思われる、阿川弘之氏の、「山本五十六」(新潮文庫)(上)(下)には出て来ません。

本当に山本さんの言葉であっても、そうでなくても、「褒め下手」の日本人は、もっとこれを意識するべきです。

やってみせ、いって聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ

とはいうものの、実際は大人ならば、「やってみせ、いって聞かせて、させてみて」まで実行する必要は必ずしも

無いでしょうし、また、
褒めてやらねば人は動かじ

が理想ですが、現実には、世の中の勤め人は、かなり頑張っても良い結果をだしても

褒めてなんかもらえませんが、それでも淡々とはたらいています。

それは、偉いと思います。

但しそれは、「望ましい」状態ではない。日本社会の悪い癖です。「褒め下手」。

本当は褒められて嬉しくない人は、いないと思うのです。


私は、音楽が好きですから音楽家と比べてみます。

プロの音楽家になる、というのはちょっとやそっとでは、無理です。

はっきり言って、かなり才能が有る人達が、何十年もの間毎日何時間も練習して、

それでも、職業音楽家になれるとは限らないし、なったらなったで、

「上手く弾けて、当たり前」とみなされますから、実に大変です。


それでも、音楽家や舞台俳優や、バレエダンサーを羨ましく思うのは、
いい仕事をすれば、客席からの拍手で讃えられる。

ということです。


◆大抵の仕事は、うまくやっても「当たり前」で、誰からも何もいわれません。

私は、ごく平凡なサラリーマンを28年続けています。

とくに今は、本店なので、お客さんと接することもない。

仕事の最前線「現場」で働いていると、接客業というのは、常に真剣勝負で、

下手なことをしたら、トラブルになり、大変なことになりますが、

誠心誠意尽くすと、お客さんから、「ありがとう」の一言をかけて頂けることがあります。



ただ、その一言だけでも、ひじょうに励みになるものです。

くどいようですが、今は本店の「○○○○部」にいますので、

職場では、朝から晩まで、皆黙々とパソコンに向かって仕事をしてます。


長年、勤め人をしていると分かりますが、こういう「地味な」仕事にも、

実は「名人芸」的な要素は随所にあります。

ある人の「ファインプレー」のおかげで何かがスムーズに運んだり、逆にトラブルを未然に防いだ、

というような場合、おかしな言い方ですが、それは「ブラボー」に匹敵するほどですが、

日本人というのは、人を褒めると何か「損をする」とでも思っているかのように、

実に無反応です。いくら「良い仕事」をしても、職場を去るときには、くたびれた人達の

無愛想な「お疲れ」とか、これ、本当にひどいとおもうのですが、

たまたまこちらが「お先に」となっても、ブスッと黙っていて返礼しない奴が結構います。

ちょっと一言、お疲れ様でした、でも人はその日1日の仕事が報われた気がするものです。


手前味噌になりますが、私は会社で社内、社外(世の中全体)の情報で「これは」というのを

まとめて、300数十人に、1日3回、メールで配信する、という仕事をしています。

手前味噌の連続になりますが、かなり「いい仕事」をしていると思います。

当初は、同じグループの数人にだけ、社内メールで配信していたのですが、段々と

うわさになり、やがて、他のグループの長も「読みたい」と言いだし」

その話を聞いた部長席からも「配信依頼」がきて、

ついには、全部員と、担当役員にまで配信するに至りました。

かなり、役に立っているのですが、だれも何も言ってくれません。

こちらも大人ですから、だからと言って「人は動かじ」にはなりませんが、


皆、下手だなあ、と思うです。何が下手かというと、

「情報源としてのJIROの使い方」が、です。

以前は、「いやー、いつも良い情報をありがとう」とたまに言ってくれる人が

いましたが、最近は、全然無反応なのです。しかし、私の情報を待っていることは、

送信するときに「開封確認を送る」の設定にしているので、送った途端、

一斉に開封確認メールが返ってくることから、大体わかります。

「JIROの情報など、役に立たない」と思っていたら、直ぐにメールを見ない

筈です。それで「まあ、いいか」と思っていましたが、今日たまたま、普段は

あまり直接顔を会わせることがない、部長から「いつもいい情報をありがとう」と

言われました。これで嬉しく無い訳がありません。

そういうことです。

いい年をした中年オヤジだろうが、人間は褒められれば嬉しいのです。


◆「褒める」といっても、色々なやり方があります。

他人から褒められるということは、自己の重要感(自尊心)を意識するので、

嬉しい訳ですが、褒められたければ、まずこちらから、他人を褒めることです。

しかし、無理に、歯の浮くような言葉、たとえば、

いやー、君は出来るねえ。

というような台詞はわざとらしい。何を理由に何が「出来るのか」わかりません。

他人を「褒める」のはなかなか難しいので、まずは「謝意を表する」ことです。



簡単なことです。例えば、女の子が単に書類を持って来てくれたときに、

日本の多くの「オッサン」は黙って、ひどいのになると、持って来てくれた人を見もしないで、

書類を片手で受け取り、黙ったままです。私も自分が若い頃「エラい」先輩のこういう態度が実に不愉快でした。

「ひとこと、何か、いうことないのかよ?」と思いました。そうなのです。
ありがとう、ご苦労様。

の一言を添えるだけで、相手は気持ちがいいと思います。


また、私はビルの清掃会社の人とか、自動販売機に清涼飲料水を補充にくる「業者」の人と

通路ですれ違う時には、
お疲れ様です。

と言うようにしています。これなどは、謝意を表する最も初歩的なものですが、

世の中を見ていると、きれいなビルの中でトイレがきれいなのは、トイレを掃除してくれる人がいるからですが、

清掃会社の人とトイレで出くわしても、何か言う人を見たことがありません。

清掃会社の方々の殆どは、多分、声すら掛けられたことがないのでしょう。

「お疲れ様です」(この「です」が重要です。「お疲れ様」だと見下しているようです)だけでも

嬉しそうな顔をしてくれます。人が喜ぶ顔を見れば自分も嬉しい。

それが人情です。

人間は誰しも独りでは生きられないのであって、実に色々な人のおかげで生きています。

このようにちょっとしたことで、随分と、世の中は雰囲気が変わるのではないか、と思います。

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