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2008年06月29日(日) |
27日(金)に発表された経済指標は、悪いですね。景気後退ギリギリです。 |
◆記事:はじめに:27日に発表された経済指標に関する記事をかいつまんで、載せます。
全文を載せるとあまりに長くなるので、これでもなるべくコンパクトに切り詰めたつもりです。
◆記事1:5月消費者物価、1.5%上昇=10年2カ月ぶり高水準 (6月27日9時0分配信 時事通信)
総務省が27日発表した5月の全国消費者物価指数(CPI、2005年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が101.6と前年同月比1.5%上昇し、
8カ月連続のプラスとなった。原油高騰や暫定税率復活によるガソリン価格の上昇、相次ぐ食品値上げが大きく影響した。
上昇幅は前月を0.6ポイント上回り、1998年3月(1.8%)以来、10年2カ月ぶりの高水準。
◆記事2:ガソリン卸値、7月前半は7.3円上げ 出光興産(NIKKEI NET)(27日 14:17))
出光興産は27日、7月前半出荷のガソリンや軽油など石油製品の卸値を6月後半に比べ1リットル当たり7.3円引き上げると発表した。
◆記事3:5月の家計消費支出、3.2%減 3カ月連続マイナス (NIKKEI NET)(27日 13:02)
総務省が27日発表した5月の家計調査によると、2人以上の世帯の消費支出は1世帯あたり28万8128円と、
物価変動の影響を除いた実質で前年同月比3.2%の減少となった。3カ月連続のマイナス。
暫定税率の復活で値上がりしたガソリンの購入量が減少したほか、幅広い品目の実質支出が落ち込んだ。
同省は消費の基調判断を「減少の兆しがみられる」から「減少傾向が続いている」と下方修正した。
◆記事4:5月完全失業率は4.0%、「改善足踏み」判断維持(6月27日9時56分配信 ロイター)
総務省が27日午前8時30分に発表した労働力調査によると、5月の完全失業率(季節調整値)は4.0%となり、前月比変わらずとなった。
ロイターが事前にまとめた民間予測調査は4.0%で、予測通りだった。
総務相は「改善に足踏みがみられる」との判断を維持。前月に引き続き「その中でも、少し下方」との見方も示し、
女性の労働力人口や非自発的失業の動向などに注意する必要がある、との認識を示した。
◆記事5:<完全失業者数>12万人増 03年1月以来の増加幅(6月27日14時19分配信 毎日新聞)
総務省が27日発表した労働力調査の速報によると、5月の完全失業率(季節調整値)は前月と同じ4.0%だった。
ただ、完全失業者数は前年同月比12万人増の270万人で、13万人増だった03年1月以来5年4カ月ぶりの大きな増加幅となった。
男女別の失業率は女性が3.7%で前月より0.2ポイント改善したが、男性は4.2%で0.2ポイント悪化した。
男性の失業率悪化について、厚生労働省は「中小零細企業が原油高などで新規求人を減らしており、影響が男性に顕著に出たのでは」と分析している。
完全失業者数は、女性が1万人増の106万人に対し、男性は11万人増の163万人。
失業者全体の求職理由をみると、リストラなど「勤め先の都合」で離職した人が6万人増と、2カ月連続で増加している。
◆記事6:5月有効求人倍率は0.92倍、05年2月以来の低水準=厚労省(6月27日8時41分配信 ロイター)
厚生労働省が27日に発表した5月有効求人倍率(季節調整値)は0.92倍で、前月比0.01ポイント低下し、
2005年2月(0.91倍)以来の低水準となった。6ヶ月連続の低下。
◆記事7:5月鉱工業生産速報は前月比+2.9%、横ばい弱含みへ判断下方修正(6月27日9時38分配信 ロイター)
経済産業省が27日発表した5月の鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比2.9%上昇の109.4となり、
3カ月ぶりの上昇となった。業種別にみると、輸送機械、情報通信機械、電子部品・デバイスが上昇に寄与した。
2カ月連続で生産が低下した反動もあるとみられている。
ロイターの事前予測調査では前月比プラス2.7%と予想されていたが、
発表された数字は予想をやや上回り、指数は2月の110.2以来の高水準となった。
ただ生産の先行きをみると、6月の予測指数が前月比0.9%の低下、7月は2.2%の上昇と一進一退を続けている。
経済産業省は生産の基調判断を「横ばい傾向であるが、弱含んでいる」に下方修正した。
◆コメント:原油高を主因として物価上昇が続き、家計は消費を抑え、企業収益悪化のため、求人が減り、失業者数は増えている。
一昨日、27日の金曜日は、3月期決算の企業の株主総会ラッシュでして、全国で1315社が総会を開きました。
これでも警察庁によると、開催日は分散傾向にあるそうで、集中日の企業数は11年連続で減少しているそうです。
それは、しかし、余談です。
株主総会のニュースが次々と入るので、忘れられそうになっていますが、27日(金)の朝は、関係各省庁から、
重要な経済指標が色々と発表されました(毎月今頃はそうなのですが、たまたま株主総会と重なった、ということです)。
記事を沢山羅列するのは、気が引けるのですが、エビデンス(証拠)が無いと、コメントを付けても説得力がないので、
なるべく短めにして転載しました。ご了承のほど。
結論を最初に書くならば、日本経済は景気後退局面に入るギリギリの瀬戸際にいる。又は、既に景気後退局面に入ってしまっている、
と思われます。
なんといっても昨年来の原油高が、製造業を始めとする企業各社のコストを増やし、
その結果、企業はコスト増分を製品価格に転嫁している(上乗せしています)それは、記事1でお分かり頂けると思います。
そして記事2のとおり、これは出光ですが、どうせ他の石油卸売り各社も同じ事をするでしょうガソリン代が上がります。
そうすると商品を運ぶのはトラックですから、製造業者のコストが又増えます。するとさらに消費者物価が上昇する、
と予想されます。
物価が上がり続けて、給料は、これよりも低いペースでしか増えていません。
これは、毎月始めに発表される、厚労省の毎月勤労統計を見ます。
最新の発表は4月分ですが、前年同月比+0.6パーセントなのです。物価はそれ以上のペースで上がり続けています。
当然の帰結として、記事3に書いてあるように家計は消費を抑えます。お金を使わないようにする、ということです。
そうすると、モノやサービスが売れないのですから、企業の収益は下がる。コストを下げる為に、給料を減らす、
人を減らす、ということに結びつきます。
実際、記事4を読むと完全失業率は前月と同じ4.0パーセントなんですが、記事5にあるとおり、
失業者の絶対数は、増加しています。また、失業率もよく見ると、女性の失業率は前月より0.2ポイント改善しているけれど、
男性の失業率は前月よりも0.2ポイント悪化しています。中小零細企業が原油高などで新規求人を減らしているので、
その影響がモロに男性にきたのでは、と厚労省は言っています(言うだけのお役人さんは気楽なものです)。
雇用環境の悪化は記事6の有効求人倍率でも明らかです。
求人倍率とは求人数を求職数で割った数字です。これが1.0を下回っているということは、
仕事を求めている人の数ほど、仕事が無い、という状態です。
この状態が私の知る限り昨年11月から続き、毎月悪化しています。失業者数(率じゃないです)が増えるわけです。
記事7で、鉱工業生産は、前月比+2.9パーセントとなっていますが、
その前は二ヶ月連続して製産が低下していたのですから、安心できません。
経済産業省の該当ページを見ると、
生産は横ばい傾向であるが、弱含んでいる
と、はっきり書いています。
◆要するに、どれもこれも、エネルギー・原材料高に端を発している。
どうしてこんなに良くないかと言えば、原油が高くなり、それによって原材料の価格が上がる。
それが、最終的には、家計に負担をかける。家計はお金を使わない。だからモノは売れない。
企業の収益が悪化する。給料が増えない。家計はますます消費を抑制するという景気後退局面に入りつつある、
と言わざるを得ません。
産油国がよく言ってますが、急に原油が出なくなった訳じゃない。意地悪して減産しているわけでもないんです
(これは本当かどうか、私にはわかりませんが)。
ファンドと呼ばれる、巨額の資金を持って(投資家から集めて)、株や、債権や、商品で投機(ディーリング)している人たちが、
原油の価格を吊り上げていると言われます。世界のごく一部の人間の私欲の為に、
多くの国の大衆の生活が苦しむ世の中は間違っていると思います。ファンドの動きを国際的に協力して規制することも、
やむを得ないと思います。
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