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2007年06月29日(金) |
【号外】「<チャイコフスキー国際>バイオリンで神尾真由子さん優勝」←ヴァイオリン製作部門に続き/【追加】チャイコ第3楽章 |
◆記事:<チャイコフスキー国際>バイオリンで神尾真由子さん優勝
【モスクワ大木俊治】若手音楽家の登竜門として世界的に知られ、
13日からモスクワで開かれていた第13回チャイコフスキー国際コンクールの審査結果が29日夜(日本時間30日未明)発表され、
バイオリン部門で神尾真由子(かみおまゆこ)さん(21)=大阪府豊中市出身=が優勝した。
同部門での日本人の優勝は第9回(90年)の諏訪内晶子さん以来。
前回(02年)は同部門で川久保賜紀(たまき)さんが1位なしの2位に選ばれており、事実上、日本人が2大会連続で最高位に輝いた。
同コンクールの演奏・声楽部門で日本人の優勝者は4人目。
前回ピアノ部門で上原彩子さん、前々回(98年)は女性声楽部門で佐藤美枝子さんが優勝しており、3大会連続で日本から優勝者を出す快挙となった。
神尾さんは29日の最終選考で、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲、
シベリウスのバイオリン協奏曲を演奏。終了後、会場からわき起こった大きな拍手はしばらく鳴りやまなかった。
会場で優勝が発表されると、それまで緊張した面持ちだった神尾さんはガッツポーズを取り、
祝福に駆けつけた人たちと抱き合って満面に笑みを浮かべた。
「本当にうれしい。モスクワに来てからずっと落ち込んでいた。逃げ出さず最後まで弾いてよかった」と喜びを語った。
神尾さんは4歳からバイオリンを始め、小学4年生だった96年に
第50回全日本学生音楽コンクール(毎日新聞社主催)全国大会の小学校の部で1位になった。
97年から本格的な演奏活動を始め、98年のメニューイン国際バイオリンコンクールのジュニア部門では最年少の11歳で入賞。
その後、米国、英国、フランス、ロシアなど世界各地で公演を重ね、
ロシア国立管弦楽団、BBCフィルハーモニー管弦楽団、プラハ・フィルハーモニー管弦楽団などと共演。
国際的にも高い評価を受けている。現在はスイスのチューリヒ在住。
今年のコンクールではこのほか、チェロ部門で日本生まれ(現在はカナダ国籍)の山上薫(やまがみかおり)さん(25)が、
入賞に次ぐ「特別賞(ディプロマ)」を受賞した。
バイオリン以外の今年の各部門の優勝者は次の通り。
▽ピアノ=該当者なし
▽チェロ=セルゲイ・アントノフ(ロシア)
▽声楽(女性)=アリビナ・シャギムラトワ(ロシア)
▽同(男性)=アレクサンドル・ツィムバリュク(ウクライナ)
◇チャイコフスキー国際コンクール ロシアの国民的作曲家、チャイコフスキーを記念して1958年に創設され、
4年に1度モスクワで開催。演奏・声楽部門はピアノ、バイオリン、声楽、チェロの4部門で行われる。
ベルギーのエリーザベト・コンクール、ポーランドのショパン・コンクールと並ぶクラシック界の登竜門。ほかに弦楽器製作部門がある。
◆コメント:ヴァイオリン製作部門の菊池さん、高橋さん(1位、2位)に続き、ヴァイオリン演奏部門でも日本人優勝とは!
チャイコフスキーコンクールは、記事にあるとおり、4年に一度しか開催されません(因みにショパンコンクールはピアノだけですが、5年に一度です。)
チャイコフスキーコンクールでは演奏部門に先立って、楽器製作部門があり、
日本人の菊田浩さんが1位、高橋明さんが2位に入賞したことは、エンピツではここ。
ココログではこちらに書きました。
思いもよらなかったことですが、その後、ココログに、2位の高橋さんからコメントを頂戴し、大変恐縮しましたが、
更に優勝なさった菊田さんからもメッセージを頂き、大感激の私でした。
◆コンクールで音楽家の全てが分かるわけではないけれど、並大抵のことじゃないのですよ。
私事で恐縮ですが、先週の金曜日に引っ越しまして、一週間バタバタしていました。
昨日パソコンデスクが届いて大分片付きました。
ようやく少し落ちついてニュースを読もうと思いながらも、どうせ昨夜の参議院の強行採決の記事ばかりだろうと思っていたら、
<チャイコフスキー国際>バイオリンで神尾真由子さん優勝
の文字が目に飛び込んできました。
楽器製作部門に関する記事にも書きましたが、こういう文化関係の報道は毎日新聞が群を抜いています。
流石は76年前(戦前ですよ!)に「毎コン」を企画した会社だけのことはある。
コンクールで優勝したからといって、その音楽家の未来が保証されているわけではありません。
演歌歌手は紅白歌合戦に出ると、ギャラが上がるそうですが、そういうものではない。
音楽家の価値を決めるのはコンクールが全てではない。ここからがスタートだ、というのが厳しいところです。
その後の演奏活動で聴衆や協演したオーケストラ、指揮者その他音楽家が判断するのです。
演奏部門のコンクールというのは、
「その日、その時、その会場で弾いた参加者で誰が一番上手かったか」
(上手いだけではなく音楽性も重要だ、とか、この際省きます。分かってます)
ということです。ですから、私はコンクール結果は「瞬間最大風速」のようなものだ、と言っています。
そして、当然ながら、順位を決めるのは、同じ人間である審査員です。
合議と投票で(コンクール毎にシステムは違うでしょうが、基本的な原理は同じです)決まる。
当然、各審査員の好み、つまり、主観的判断が混ざりますし、本当はすごい天才なんだけど、個性が強すぎて、
「コンクール受け(審査員受け)」しない弾き方をする人は、なかなかコンクールで上位入賞できません
(誤解のないように書いておきますが、私は「コンクールで優勝した人は個性がない」と言っているのではありません。)
◆そうはいっても、やはり素晴らしい。コンクールにケチを付ける人、「それじゃ、貴方、何かのコンクールを受ける度胸がありますか?」ってことですよ。
日本で最も権威のある音楽コンクールは「日本音楽コンクール」、通称毎コンです。
毎コンは、どうも専門家の話を聞いても、「別格」で、リンク先にも書きましたが、毎コンに出るというだけで、覚悟がいる。
まして、世界が注目しているチャイコフスキーコンクールやショパンコンクールを受ける覚悟はいかばかりか。
もの凄い重圧の中で、実力を発揮し、本選に残るだけでも、気の遠くなるような研鑽が必要です。
貴方が仮にヴァイオリンを弾けるとして、そんなもの受けたいですか?わたしゃ、ご免被ります。
だから、出る、というだけですごいなあ、と尊敬します。
ましてや優勝。もう、他人のことなのに、気が遠くなりそうです。
神尾さん、おめでとうございます。今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
【追加】折角だから、他の人ですけど、「チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲」より第3楽章をどうぞ。
チャイコフスキー・コンクールで優勝したからには、近いうちに本選のライブCDが発売されると思いますが、
今日は他の人の(といっても一流ですよ)ソロによる、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いていただきましょう。
全曲通すと、30分は確実に超えるので、華やかなフィナーレ(第3楽章)を聴いていただきましょう。
ダウンロード TchaikovskyVlConFinale.mp3 (8235.3K)
難しそうですね。
ヴァイオリン・ソロは無論難しいけど、伴奏の指揮者とオーケストラがヴァイオリンの音を消さない程度の音量を心がけているのが分かります。
伴奏も難しいのですね。
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