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2004年06月29日(火) |
「多国籍軍参加きちんと説明 人道支援中心−石破氏」人道支援だけの多国籍軍などあり得ない。 |
◆記事1:多国籍軍参加きちんと説明 人道支援中心−石破氏
石破茂防衛庁長官は29日午前の記者会見で、自衛隊のイラク多国籍軍参加に関連し「湾岸戦争時の(ような)多国籍軍に参加し『海外で武力行使や武力での威嚇を行うのではないか』との印象を国民に与えているならば、そういう誤解に対し、きちんと説明しなければならない」と述べ、あくまで人道復興支援を中心に活動することを強調した。
バグダッド国際空港周辺で航空機への攻撃が後を絶たないことから、航空自衛隊部隊の空輸活動では「当面(同空港へ)飛ばすことは考えていない」との考えを重ねて示した。
◆記事2:テロ情報でサマワ警戒態勢 知事が対策の策定を指示 (共同通信)
【サマワ29日共同】陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワを州都とするムサンナ州のハッサン知事は、米主導の占領当局からイラク暫定政府に主権が移譲された28日、州政府幹部を招集、テロ情報に基づき「27日夜以来、州内を警戒態勢下に置いた」と述べ、治安担当幹部らに緊急対策の策定を指示した。
具体的にどのようなテロ情報に基づくのかについて、知事は明らかにしなかった。[ 2004年6月29日8時18分 ]
◆コメント:人道支援だけの多国籍軍などありえず、多国籍軍の指揮権は人数が最も多い国の指揮官がなるのである。
昨年3月20日、イラク戦争がが始まって以来、今日まで、私は日本政府の 対イラク政策にずっと反対し続けてきたが、それは、いうまでもなく、小泉純一郎内閣総理大臣が虫が好かないなどという個人的・情緒的・小児的動機によるものではない。日本国憲法に照らし、すべて、政策決定が間違っていたからである。
まず、米国のイラクに対する武力行使は大量破壊兵器があろうがなかろうが違法な行為であったのに、安易に(同日中に!)これを支持したこと。
米国との同盟を重視する(機嫌をとる)という理由でイラク復興支援特別措置法を強行採決したこと。
政府はイラク復興支援特別措置法で定められているのは人道支援活動だけのごとく吹聴するが、「安全確保活動」という項目が明確に規定されており、これは、戦争中のアメリカを助けること、つまり「後方支援活動」を行うことであり、それは集団的自衛権の行使を禁じた日本国憲法第9条に違反する可能性が高い。
12月9日、ついに自衛隊派遣を決めたこと。これにより、本来日本の自衛隊は日本を守るためだけに存在する最低必要源の実力であったのに、その本質を逸脱し始めたこと。12月9日の小泉首相の記者会見では、「武器弾薬は輸送しない」と断言したのにもかかわらず、空自の証言によれば、それは真っ赤なうそで、実際には武器弾薬の輸送を行っていること。
そして、これは、マスコミに対する怒りであるが、こういう一番大事な、「公約違反」「違憲行為」を重大視せずに、ろくに取り上げなかったこと。
これらを放置し、既成事実化させてしまったことが、今回の多国籍軍参加というとんでもない決定を、こともあろうに、小泉首相が独りで勝手にブッシュにしてしまったことの遠因となっている。それに対する国民の反省も怒りも見られないこと。
私はこれらの歴史的経緯すべてに反対であり、不満と恐怖を覚える。
何度も書いたとおり、多国籍軍はそれぞれの国の軍隊が集まったものであり、国連の軍隊ではない。国連平和維持軍ならば、費用も国連が負担し、指揮官も国連が決定し、どこの国の軍隊が何人、いつからいつまで駐留するか、など全部お膳立てがすんでいる。
しかし、多国籍軍は、内乱が起きている国を武力で鎮圧するために、いける国は軍隊を送ってくれというものなのであり、その本質からいって、武力行使を目的としている。多国籍軍では、人数が一番多い国の軍隊の長が指揮権を持つのが、慣行であり日本独自の指揮系統などと勝手な言い分が認められるわけがないのに、あたかも認められるかのように政府は言っており、それをマスコミがそのまま伝えていること。
冒頭、記事1に引用した石破防衛庁長官がいっているような、多国籍軍で人道支援活動というのは、ほとんどコメディに近い。戦争中で、弾が飛び交っている中で道路の補修をしたり、水道の水を運ぶのか。
できるわけがないではないか、4月にサマワの宿営地のそばに迫撃砲の弾が2発落ち、日本人人質が誘拐されたら、10日間も宿営地から外に出なかったのだ。いまさら、多国籍軍じゃない。
武力を行使したら、完全に憲法9条に違反するのだ。この60年で初めて。
外務省、防衛庁の役人、制服組はそのあたり百も承知だろうが、小泉純一郎内閣総理大臣はたぶん「多国籍軍とは何ですか」?と質問したら、明確な回答ができないと思う。それでも日本人の40パーセントはこの男を支持しているとは、あたかも悪夢を見ているかのようだ。
2003年06月29日(日) 「地球温暖化を防ぐにはもはや手遅れである事を、諸々の兆候は示している」国連環境プログラム、1999年報告書