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JIROの独断的日記
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2012年01月01日(日) 明けましておめでとうございます。/【音楽】「一月一日」「管弦楽の為のラプソディ」モーツァルト「ジュピター」

◆御挨拶。

皆様、明けましておめでとうございます。

旧年中は、拙日記・ブログを御愛読いただき、
誠にありがとうございました。


本年も、引き続き駄文にお付き合い下さいますよう。
お願い申し上げます。

皆様とご家族のご健勝、ご多幸を祈念いたします。


◆【音楽・映像】「一月一日」(管弦楽)

元旦ぐらいは、ゴタゴタ面倒臭い話は抜きに致したいと思います。

「年の初めのためしとて」という唱歌、大変すきなのですが、

上手な声楽家がまともに歌った録音はありません。


本当は私が最もお聴かせしたいのは、何十年も前になりますが、

芥川也寸志さんと黒柳徹子さんが司会をしていた土曜日の夜のクラシック番組が

ありまして(スタジオ収録で、オケは必ず東フィルでした)、ある年、

元旦ではないのですが、その年の最初の放送の冒頭で、

芥川さんが、この「一月一日」をオーケストラ版に編曲したものが実に見事な

響きでした。あたかもヘンデルの「王宮の花火の音楽」のようで、

「祝ふ今日こそ たのしけれ」の前でクレッシェンドし、「祝う」の「い」

に合わせて、シンバルがジャーンと鳴る、非常にシンフォニックな編曲でした。

あの楽譜は何処かに残っているのでは無いかと思います。


そのものは見つかりませんが、下手な歌より、マシだと思いますので、YouTubeで見つけたものを

お聴き下さい。


一月一日







歌詞は、

1.年のはじめの ためしとて

  終わりのなき世の めでたさを

  松竹立てて 門ごとに

  祝ふ今日こそ たのしけれ


2.初日のひかり さしいでで

  四方に輝く 今朝の空

  君がみかげに たぐえつつ

  あおぎ見るこそ 尊とけれ

です。


◆管弦楽の為のラプソディー(外山雄三氏、N響での自作自演映像)

今までに何度も説明しましたが、もう一度。

この曲は1960年、NHK交響楽団が初めて海外演奏旅行を行いました。

殆ど世界一周です。

この歴史的意義を正確に理解している人がすくないのですが、

世界(特に欧米人)は、N響を聴いて、文字通り「驚嘆し」たのです。

1960年とは、明治維新(正確には明治元年)から100年経っていません。

西洋音楽2000年の歴史がDNAに組み込まれている西洋人と異なり、全くそれが無い

日本人が、西洋音楽を勉強し始めて、100年も経っていないのに、これほど立派な

オーケストラを持ち、自分達(西洋人)の音楽を理解して演奏しているということで

日本人を見る西洋の少なくとも知識人の、日本ないし、日本人に対する見方を

革命的に変えたという点においてN響の世界一周演奏旅行は実は大変な偉業なのですが

いまだに、一般には理解されていません。


さて、この世界一周演奏旅行の指揮者はなんと、まだ若手の岩城宏之さんと外山雄三さん。

ずっと一緒にピアノのソリストとして中村紘子さんが同行しました

(中村さんは、振り袖でショパンのコンチェルト1番などを弾きました。弾きにくかっただろうと思います)。

演奏旅行前に、外山雄三さんがアンコール用に作曲したのが、この

「管弦楽の為のラプソディー」で、当時も今も、海外のファンは、この曲を大変楽しみに

しています。


外山雄三さんの自作自演をYouTubeで見つけました。


管弦楽のためのラプソディ(外山雄三指揮、NHK交響楽団)






非常に巧みなオーケストレーションです。

フルートの小出信也さんの「信濃追分」の切なさ。

「八木節」になってからのパーカッションの皆さんのノリの良さ。

美しく、楽しい。文句の付けようがありません。


◆山田一雄指揮:1990年N響、モーツァルト交響曲第41番「ジュピター」第四楽章

正月とは関係無いのですが、あまりにも懐かしい。


モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」第四楽章








山田一雄先生は、音楽の世界の人々の間のみならず、お客からも「ヤマカズさん」の愛称で

親しまれていました。

日本に於けるクラシック音楽演奏の発展に大きく寄与した方です。

棒(指揮の動作)は、特別上手い訳ではありませんが、ヤマカズさんの頭の中には、

「音楽」、それしか無いのだ、ということがわかります。

この「ジュピター」、放送されたときのこと、私は大変よく覚えています。

演奏終了後、ヤマカズさんがステージ(サントリーホール)に現れただけで、オーケストラのプレイヤーが

拍手をしているでしょ?こういうことは滅多にありません。山田先生の音楽へのひたむきな情熱への

尊敬と称讃がそこには含まれている。決して「ご老体、ご苦労様」ではない。

あくまでも敬意の拍手です。演奏中もオーケストラはヤマカズさんの棒そのものというよりも、

「何を表現したいのか?」という気持を先に察して演奏しています。オーケストラをそういう気持ちに

させる、というのは大変なことです。


私の父は随分前に他界しました。音楽は好きでしたが、オーケストラの細かい事などはあまり知らないのです。

しかし、この演奏がテレビで放送されたときに、ぽつりと、

この人(ヤマカズさん)は、本当に音楽が好きなんだな・・・

と言ったのです。まさしくその通りだと思いました。その思い出もあります。


これは、紛れもなく、名マエストロの名演だと思います。


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