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2011年02月26日(土) |
【音楽】独奏者が複数の協奏曲を 集めました。 |
◆普通は、協奏曲といえば、独奏者は1人です。
御存知の透り、例えば、ベートーヴェンのピアノ協奏曲や、
メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲では、独奏者は文字どおり「独り」です。
しかし、協奏曲のひとつの形式としてバロック(バッハ、ヴィヴァルディなど)から、
古典派(モーツァルト、ベートヴェンなど)、ロマン派(ブラームス、シューマンなど)、
現代(ショスタコーヴィッチなど)に至るまで、独奏者が2人以上の協奏曲が、
意外に沢山あります。 独奏者が4人ぐらいになると、2つの合奏体が協演するとみなされ、
こういうのは、コンチェルト・グロッソと言いまして、
あとでお聴き頂くブランデンブルク協奏曲の第2番など、その典型ですが、
そこまで、多く無くて独奏者が二人、はかなり、あります。
独奏者は、普段は独りで、勝手に(というと語弊がありますが)
弾いていたのに対して、こういう曲では、まず、独奏者同士が「合わせる」という
意識と、その独奏者群とオーケストラが「合わせる」という意識が必要ですから、
素人のドタ勘ですが、神経を使うのでは無いかと思います。
これ以上書くと、例によって知ったかぶりがバレるので早速音楽にします
◆ヴィヴァルディ:二つのトランペットのための協奏曲。4本のヴァイオリンの為の協奏曲
完全に正確に時系列ではありませんが、音楽史上、古い→新しいで載せます。
ヴィヴァルディとバッハは生涯がほぼ重なってまして、
何と二人とも命日が7月28日(年は異なりますが)なんです。
ラッパが好きな私なので、最初にヴィヴァルディの「2つのトランペット〜」から。
音源は、トランペット協奏曲集 ギュトラー、ザクセン・ヴィルトゥオーゾです。
2つのトランペットのための協奏曲 ハ長調 RV537 第1楽章:アレグロ
Vivaldi Concerto For 2 Trumpets RV 637 1st Movement Allegro
もう1曲ヴィヴァルディ。4つのヴァイオリンのための協奏曲。
4本というのは、この時代は珍しく無いですが、今では珍しい。
音源は、アメリカのオルフェウス室内管弦楽団。指揮者なしで演奏する、
ので、一時期日本でも評判になりました。 「泰西名曲」ばかりですが、上手いです。
パッヘルベルのカノン/バロック名曲集
4つのヴァイオリンのための協奏曲(協奏曲 第10番 ロ短調 作品3の10) 1.Allegro
VivaldiConcertoFor4Violins 1st Movement
バッハがこれを4台のチェンバロの為の協奏曲に編曲しています。
◆バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番 、二つのヴァイオリンのための協奏曲
ブランデンブルク2番は今までに何度も載せましたが、典型的なコンチェルト・グロッソで、
独奏者群(ヴァイオリン、リコーダー、オーボエ、トランペット)という小さい「合奏体」とバックのオーケストラ
との「協奏曲」になっています。
独奏楽器群のリコーダーパートは、アルト・リコーダーで吹けますが、音量のバランスなどを考えて、
モダン・フルートで演奏している例もあります。特筆すべきは独奏トランペットのパートで、今日のトランペット
(バルブ・トランペット)で演奏しても難しいのに、17世紀では、ナチュラル・トランペットといって、要するに単なる
真鍮の管で倍音を使い、息を吹き込むときのスピードとか、角度で、細かい音型を演奏していたのです。
天才的に上手い人がいたのでしょう。私はこればかりはタイム・トリップできるものなら、この当時に行って、
実際にどの程度の上手さで吹いていたのか、聴いて見たい、と思います。
専門的になりますが、プロのトランペット奏者(バッハコレギウムジャパン・トランペット奏者、島田俊雄氏)が
詳しい解説をしておられます。ブランデンブルグ協奏曲第2番に関するトランペットの演奏アプローチ
音源はですね。これは私は好きだから、買ったけど、一般の方におすすめし難い。
「モーリス・アンドレ全集第1巻」(CD6枚)の収録されているんです。
iTunes Storeならバラで買えます。
アルバム全体のURLは、
http://itunes.apple.com/jp/album/maurice-andre-edition-vol-1/id365043069
ブランデンブルク協奏曲第2番だけなら、(3つの楽章を買っても450円ですね)↓です。
http://itunes.apple.com/WebObjects/MZStore.woa/wa/viewCollaboration?ids=152599214-17504741-189648532-2134749-1704847-138329101&s=143462
バッハ:ブランデンブルク協奏曲 第2番 ヘ長調 BWV1047 第3楽章
Brandenburg Concerto No. 2 in F major: 3. Allegro assai
全く以て見事な演奏です。
バッハは複数の独奏者のための協奏曲を色々書いていますが、
その中で非常な傑作で、人気のあるのが「2つのヴァイオリンのための協奏曲」です。
通称「ドッペル・コンチェルト」といいます。「ドッペル(Doppel)はドイツ語で、英語なら"Double"(ダブル)、
即ち、「二重協奏曲」という意味です。「バッハのドッペル」或いは単に「ドッペル」といったら、
バッハのこの作品のことを指している場合が殆どです。
第一楽章を。音源は、ヒラリー・ハーンというアメリカのヴァイオリニストの
バッハ:ヴァイオリン協奏曲集です。 この人は良いと思います。
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV 1043 第一楽章
Bach;Concerto for 2 Violins in D Minor 1st Movement Vivace
最初に独奏ヴァイオリンが奏でる跳躍する音型が何とも美しい。第2楽章もきれいです。
大人になってからでも、ある程度の耳があって本気で3年ぐらい頑張ると、この曲は弾けるようになるかも
知れません(私の経験から)。勿論ヘタクソですけどね。何しろバッハでしょ?必死でさらいたくなります。
ただ、聴くと弾くとでは大違い。ソロで目立つところは2人の奏者で交互に現れますが、そうではないとき、
プロは、プロですから、何気なく弾いていますが、実際に弾くと、D線(低い方から2番目の弦)の第2ポジションとか
なんだか、やたらと「鳴らし難い」音域なのです。
まあ、これから、芸大や桐朋のヴァイオリン科を受験するわけじゃないですから、ダメ元で
習ってみては如何でしょう。必ずしも高く無くても良心的な楽器屋さんだと、安物でも鳴る楽器を探してくれます。
私のヴァイオリンは、20年前、本体、弓、ケース合計で10万円という「超安物」の新作でしたが、「当たり」だったらしく、
その後、在京オケの第1ヴァイオリンの現役のプレーヤーである先生と、ロンドン駐在時には、かつてロイヤル・フィルの
コンサート・マスターだったという「ウクライナ系・カナダ人で英国に帰化した」先生に習いましたが、
「へー、良い楽器だね」とお二人ともおっしゃいました(勿論、「それなりに」ということです)。
◆最後はモーツァルト。フルートとハープ。協奏交響曲(ヴァイオリンとヴィオラ)、2台のピアノのための協奏曲。
さて、ながくなってしまいますが、最後はモーツァルト。
まずは、 2台のピアノのための協奏曲変ホ長調 K.365ですが、面白い顔ぶれ。
亡くなりましたけど、シカゴ交響楽団の指揮者を長く務めた、
サー・ゲオルグ・ショルティがピアノを弾いています。もう一台は、アンドラーシュ・シフという
かなり有名なピアニストです。
音源は、Amazonでは、モーツァルト: 2台のピアノのための協奏曲変ホ長調ですが、
中古で5千円以上は高すぎますね。
HMVには、輸入盤ですが、ピアノ協奏曲第20番、他 ショルティ&ECO、バレンボイム、A.シフ(p)が1,000円ちょっと。
TOWER RECORDSは品切れでした(他の演奏者のCDはありましたが)。
モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲 変ホ長調 K.365 第三楽章
Mozart Concert for 2 Pianos K.365 Rondeau: Allegro
次はですね。モーツァルトの協奏交響曲K.364というのですが、
要するに、独奏がヴァイオリンとヴィオラなのです。
モーツァルトは何でも弾けてしまった大天才ですが、ヴィオラも上手かったらしい。
先日、ヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲をご紹介しました。
2010年12月04日(土) 【音楽】恒例。12月5日はモーツァルト(1756-1791)の命日。(ココログ)
そこでご紹介したのと同じくパールマンとズッカーマンの独奏によるものです。
独奏(ヴァイオリンとヴィオラ)のパートが秀逸だと思います。
少し注意して聴くと分かりますけれども、ヴィオラは「大きなヴァイオリン」ではなくて、
明らかに異なる音色を持った、別の楽器です。その違いを上手くいかした作品です。
音源は、モーツァルト:協奏交響曲。
伴奏は、ズービン・メータ指揮、イスラエル・フィルです。
モーツァルト:協奏交響曲 K.364 第三楽章
Mozart: Sinfonia Concertante In E Flat, K 364 - 3. Presto
最後は「フルートとハープの為の協奏曲」これは曲名からしてきれいですが
勿論音楽自体も素晴らしい。冒頭から、長調の主和音、「ド・ミ・ソ」を用いた音型が
登場します。こういう単純なのをモーツァルトは自由自在に使いますね。
アイネ・クライネ・ナハトムジークの冒頭も、
「フィガロの結婚」の「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」のアリアも
「ポスト・ホルン・セレナーデ」の有名なポストホルンのソロも、
要するに「ド・ミ・ソ」の組み合わせです。
これは、名盤が沢山ありますが、ここでの音源は、たまたま先ほどでましたが、
オルフェウス室内管弦楽団:モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲。1,000円です。
モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299 第一楽章
Mozart: Concerto In C For Flute & Harp, K 299 - 1. Allegro
この曲はモーツァルトがパリ旅行中に、貴族で結構上手にフルートを吹くオヤジさんとハープの上手い
娘がいて、娘が結婚するに際して、音楽の贈り物をしたいというので、モーツァルトに作曲を依頼した
という割と有名なエピソードがあります。モーツァルトの作品は、子供のころから、大人に「こんなの書いてくれる?」
という依頼に応えて書いた曲が沢山あり、必ずしもモーツァルトが自発的に書きたいと思って書いた作品ばかりでは
ありませんが、それでも、超一流の名曲になってしまうのが、モーツァルトのモーツァルトたる所以なのでしょう。
それでは皆様、良い、日曜日をお過ごし下さい。
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2010年02月26日(金) 人生とは、耐えることなり。
2009年02月26日(木) 「得意のはずが…麻生さんの英語、米側『聞き取れない』」(読売新聞)←下らないことを書くな。
2008年02月26日(火) 「必要なら公的資金を=金融安定化策、日本の教訓学べ−米有力エコノミスト」←私は何度もそう書いている。
2007年02月26日(月) 「補助翼部品、欠いたまま飛行=海外委託整備でミス続発−日航」←私は随分前に指摘したのですが・・・。
2006年02月26日(日) 「メールは『上手な仕掛け』 野中氏、同情的な見方」←みんな分かっているのに、云わないね。
2005年02月26日(土) 「予算案3月2日に衆院通過へ」 定率減税縮小は、増税だが、自民党の公約には増税するとは書いていなかった。
2003年02月26日(水) 桶川ストーカー殺人 さいたま地裁の判決はおかしい。