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2006年02月26日(日) |
「メールは『上手な仕掛け』 野中氏、同情的な見方」←みんな分かっているのに、云わないね。 |
◆記事:メールは「上手な仕掛け」 野中氏、同情的な見方
野中広務元自民党幹事長は24日のTBS番組収録で、ライブドアの送金指示メール問題に絡み、議員辞職の意向を示した民主党の永田寿康衆院議員について、
「今から思うと、上手な仕掛けに乗ったのではないか」と同情的な見方を示した。
自民党の平沢勝栄議員も同じメールを入手したことを挙げ「同じものが出たということは、出どころはひょっとしたら自民党かもしれない。官邸かも分からない。不思議な事件だ」とも述べた。
民主党の対応では「前原誠司代表の辞職問題とか野田佳彦国対委員長の責任とか内輪で騒いで、横で小沢一郎前副代表がにんまり眺めている姿は良くない。
一致して(政府、与党と)戦わなくてはいけない」と指摘した上で、「野党がしっかりしないと日本は良くならない」と強調した。
[2006年02月26日(日) 共同通信](太文字は引用者による)
◆コメント:野中発言の示唆すること、は明らかですね。
私が23日(木)の日記で書いたこと(あくまで憶測でしかないが)と同じことを、野中広務元官房長官が今朝の「時事放談」で述べた。
野中氏は、自ら何十年も与党で国会議員をし、官房長官の要職まで務めた人だから、自民党乃至、政治の世界の汚いやり口に関してはウラのウラまで知り尽くした「海千山千」である。
その人が、「憶測」という形でではあるが、すごい内容の発言をしている。
記事に書いてあるが、あえて重複を厭わず引用する。
(自民党の平沢勝栄議員も同じメールを入手したことを挙げ)「同じものが出たということは、出どころはひょっとしたら自民党かもしれない。官邸かも分からない。不思議な事件だ」
と述べたのである。
要するに首相官邸の政治的謀略を露骨に示唆しているのである。
裏付けを取らないで、件(くだん)のメールを披瀝した民主党の永田議員の軽率は否めないが、元・自民党の重鎮が何ら証拠のないまま、「首相官邸が偽メールの出所かも知れない」と云ったのだ。
いくら現役を退いたとはいえ、見方によっては国会における永田議員の発言以上の爆弾発言だ。
◆相当な「爆弾発言」なのだが、どのマスコミも見て見ぬふり。自民党も黙っている。
ところが、ネットを検索したら、野中氏の発言について取り上げているのは、26日(日)19時23分現在、冒頭に引用した共同通信社の記事だけなのだ。
他の大手メディアは皆、この話を知りながら、あえてニュースにせず、見て見ぬふりをしている。
また、今日は日曜日であるから官房長官の記者会見はないけれども、自民党側から何の反応もない。
野中氏がいくら「元・大物」とはいえ、今日の「時事放談」における発言は、全然証拠もない「憶測」であるし、世論は圧倒的に民主党批判の流れとなっているので、自民党・官邸は無視しているのか。
あるいは、余りにも「真実そのもの」を、よりによってテレビで仄めかされてしまったので、ギョッとしているのか。なんともいえぬ。
ただ、私が興味深く思ったのは、野中氏に名前を出された自民党の平沢勝栄議員が、「時事放談」の4時間後、同じTBSの「サンデー・ジャポン」という生番組に出演した。
その際に、野中発言をムキになって否定していたことである。あの狼狽ぶりはどう見ても怪しい。
私は、平沢議員が2月20日(月)、「自分も同じメールのコピー」を持っていると言い出した時、
「『独自ルート』というが、こんなやばいメールのコピーをどうやって入手したのだろうか」と思った。
ところが、ガセを含む「怪文書」(?)は永田町やマスコミの間では大して珍しくもないらしい。
ただ、野党にしても、マスコミにしても、この類の情報は余程念入りにウラを取ってからでなければ、公にしない。
永田議員と民主党執行部は、そのような基本的な手続きを踏まなかったことが致命傷となった。
◆悪いことなら何でも知っている小沢一郎が知恵を授けてやらなかったのは「不作為の罪」
今回、民主党は、あまりにも初歩的なミスを犯したが、防ぐことが出来たはず。小沢一郎がいるではないか。
私が23日(木)の日記で書いたのと同じことを野中氏が云っている。
小沢一郎氏に関してである。
「前原誠司代表の辞職問題とか野田佳彦国対委員長の責任とか内輪で騒いで、横で小沢一郎前副代表がにんまり眺めている姿は良くない。一致して(政府、与党と)戦わなくてはいけない」
全くその通りである。
いくら他の党幹部とソリが合わないからと言っても、自分の属する野党がヤバい状況に追い込まれるのをだまって見ていた「不作為の罪」は大きい。
勿論、「法的な責任」では無いけれど、小沢は曲がりなりにも民主党員なのだから。
小沢は田中角栄の最後の弟子。かつては金丸信と組んで自民党のキングメーカーだった人物。政治の世界のウラのウラ、政治家がどういう汚い手を使うか、知り尽くしている筈。
新聞を読むと「小沢一郎、民主党執行部の対応を批判」とある。他人事みたいなことを云うべきじゃないでしょう。
◆素人目にも明らかなこと。
一つ目。
永田議員が偽メールを入手したのとほぼ同時に、平沢議員もそのコピーを持っていて、自民党の上の方の人間は、即座に「あ、それ、ガセ。」と指摘したようだ。
どうして、瞬間的に「ガセ」と分かるのだ?(自分たちで作ったから?)
ならば、民主党の永田がそのメールを取り出したときにどうして、すぐに「それはガセだ」と云わなかったのか?(永田が致命的発言をするまで待っていたのだね?)
二つ目。
偽メールの内容は、ライブドアの堀江が武部幹事長の息子の口座に「振り込み」を指示するものである。
しかし。
昨年(だったと思うが)亡くなった、早坂茂三(はやさかしげぞう)は、故・田中角栄の秘書だった人で、何冊も本を書いている。
もともと今は廃刊となった「東京タイムズ」という新聞の政治記者だったのだが、角栄に見込まれた。あらゆるあくどいことをやっている人間の本はそれなりに参考になる。
常人はここまで汚いことを思いつかないからだ。
それで、何を言いたいかというと、
その、早坂茂三の書いた本などを読めば明らかなのだが、政治家の「ヤバい金」のやりとりに、銀行口座を使うことはないのだ。
たとえ、架空名義にしても、何らかの記録は残ってしまうからである。ヤバいカネは、現金で授受する(勿論、人目を避けて)のだ。常識。
誰が見てもピンと来るはずなのに、ただ、永田がはめられるのを見ていたのだから、意地が悪い。
◆騙される人間だけがわるいのか。
ちょうど一ヶ月前、同じことを書いた。スパイウエア作成者逮捕のニュースに関するコメントで、である。
それはさておき、今回の「メール騒動」に絡む民主党批判は、
1.永田議員が安易に偽メールを国会で取り上げたことに対する批判、
2.「メールがガセだったことが確定してからの民主党の対応のまずさ」に対する批判
の二つがごちゃ混ぜになっている。
本稿においては2の問題は保留して、1の問題に関して考察する。
私も、民主党を見ていると、さすがにあきれる。永田議員に関しては、
「政界という汚い、騙し合いの世界に身を置いている、という自覚が希薄であったこと。」
「党首まで、ウラ取りの手続きを軽視したこと」
など、確かに、「汚い世界のプロ」としては、幼稚過ぎて、問題外だ。
話しが逸れるが、一般人でも、ニュースでさんざん「振り込め詐欺」が騒がれたのに、まだ、同様の手口で騙される人がいる。
一体、何をぼんやりしているのだ?と、云いたくなる。
それは、分かる。しかし、人の道として、
「騙す人間は悪くなくて、騙される人間だけが悪い」という感覚が常識になってはいけない、と思うのである。
そういう感覚が普通だと思う人は、「自分もチャンスがあれば誰かを騙してやろう」と考えているのだろうか?
「人を騙す人間と、騙される人間がいるとき、騙される人間の責任は、必ずしもゼロではないが、まず、騙す奴が悪い。」
これが、普通の堅気の感覚であるべきだ。
「騙される奴が悪いのだ」、というのは、ヤクザの感覚である。
この原則を間違ってはいけない、と信ずる。
全然、本論と関係ないが、今日は二・二六事件の日ですね。事件が起きたのが1936(昭和11)年ですから、今年は70年目です。
最新号の「週刊文春」に、何人かの暗殺現場の写真が載ってます。70年目にして、初めて一般公開だそうです。
2月8日の日記、ホテルニュージャパンで、満月や新月の日には、事件・事故・災害が起りやすいという話を書きました。
明日が新月ですね。何もないと良いですね。
2005年02月26日(土) 「予算案3月2日に衆院通過へ」 定率減税縮小は、増税だが、自民党の公約には増税するとは書いていなかった。
2003年02月26日(水) 桶川ストーカー殺人 さいたま地裁の判決はおかしい。