JIROの独断的日記
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2003年02月26日(水) |
桶川ストーカー殺人 さいたま地裁の判決はおかしい。 |
記事は次のとおり。
「埼玉県桶川市で99年に起きたストーカー殺人事件で、女子大生の猪野詩織(いのしおり)さん(当時21歳)は県警が捜査を放置したために殺害されたとして、両親が国家賠償法に基づき県に約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁(広田民生裁判長)は26日、県に慰謝料として550万円の支払いを命じた。県警の「捜査の怠慢」を「違法行為」と認めたが、最大の争点となった不適切捜査と殺人事件との因果関係については否定した。」
しかしねえ・・・。因果関係がなかったと言えるのかな。第一、県警は裁判になったら一転して、捜査放置を否定しつづけたが、調査報告書では不適切な捜査を認め、当時の本部長が「名誉棄損事件の捜査が全うされていれば(殺人事件は)避けられた可能性もある」と謝罪しているのである。
また、犯人は被害者を「精神的に追いつめて天罰を加えてやる」「お前は2000年を迎えられない」「金で動く奴はいくらでもいる」などという言葉を使って、繰り返し恫喝している。
証拠もある。被害者が電話を録音したテープである。その内容は次の通り。
「お前、世の中なめすぎてんだよ、まったくよ。嫌いになって別れてそれで済むと思ったら大間違いなんだ。コケにされて騙され続けてよ。そんな人間どこにいるよ、お前。あん、それでバイバイなんて言う人間じゃねえんだよ、俺は。自分の名誉のためだったら、自分の命も捨てる人間なんだよ。そういう人間なんだよ、それだけお前を愛してたんだよ。それに対してなんだ、テメー、なんだよ、お前。信用なくしただ? ふざけんじゃねーよ、コノヤローテメー。・・・・・・俺は人間ってもんがどんなもんか、テメーに教えてやるよ。わかったかよ」
これを聴いたら、犯人の執念深く、凶暴な性格が容易に推測できる。最悪の場合、被害者の生命に危害を及ぼすかもしれない、ということを想定して、至急捜査に当るべきだった。それを怠ったから殺されたのではないか?
警察の捜査調書の改ざんなどというとんでもない事実も明らかになったが、これは、県警が「やばい」と思ったからだろう。つまり、捜査当局者も「あの時、被害者の訴えに真面目に対処していれば、被害者は殺されずに済んだかも知れない」という気持ちがあるからこそ、不利な証拠を隠滅しようとしたのではないか。
五百数十万円の慰謝料なんて、人を馬鹿にしている。当然遺族は控訴するだろう。まともな判決を出して欲しい。
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