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JIROの独断的日記
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2010年10月27日(水) 「<文化勲章>安藤忠雄氏ら7人 文化功労者には17人」←いい加減、安永徹さん、土屋邦雄さんに授与しなさい。日本政府のボケ!

◆<文化勲章>安藤忠雄氏ら7人 文化功労者には17人(毎日新聞 10月26日(火)11時41分配信)

政府は26日、10年度の文化勲章受章者7人と文化功労者17人を決定した。

文化勲章は

▽原子核物理学・学術振興の有馬朗人氏(80)

▽建築の安藤忠雄氏(69)

▽有機合成化学の鈴木章氏(80)

▽演劇の蜷川幸雄氏(75)

▽有機合成化学の根岸英一氏(75)

▽服飾デザインの三宅一生氏(72)

▽日本中世史の脇田晴子氏(76)−−に贈られる。

文化功労者はスポーツの王貞治氏(70)ら17人に決まった。

ノーベル化学賞に決まった鈴木氏と根岸氏は文化功労者にも選ばれた。


◆コメント:今回の文化勲章受賞者、文化功労者を否定するのではないが。

今回、栄誉に輝いた方々に因縁を付けるつもりは毛頭ないが、

文化勲章・文化功労者を決めている「日本政府」の担当者に言いたい。


最近では大分見劣りしてきたが、カラヤンが音楽監督だった頃の、全盛期のベルリンフィルに

最初の日本人メンバーとして入団し、定年まで40年間弾き続けたヴィオラの土屋邦雄さんや、

この、世界一のオーケストラで四半世紀、第一コンサートマスターを務めた安永徹さんは、

勲章が欲しくて音楽を続けた訳ではないだろうが、国の誉れの人なのだ。

安永さんは、ドイツ政府から勲章を授与されている。日本政府はその事実すらしらないのではないか。麻生総理の頃だ。
2009年02月27日(金) 「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。ココログ

安永さんが、コンサートマスターの試用期間を終えて、正式に就任したのは1985年だから、

今の若い人には、あの興奮は分からないだろうが、私らは、日本人がベルリン・フィルのコンサートマスターになった、

という快挙に、文字通り跳び上がるほど喜んだものである。当の安永さんはあくまで謙虚な方で、
「自分がコンサートマスターになったことよりも、日本人をコンサートマスターに選んだ、ベルリン・フィルがすごいと思う」

と仰有る。しかし、何と言っても日本人じゃなくてもいいのに、日本人でコンサートマスターになった安永さんがすごいのである。

かつて、一度載せたが、安永さんの対談集、「音楽って何だろう」で、作曲家の故・石井真木氏に、

コンサートマスター就任までにいきさつを詳しく話しているので、

もう一度その部分を抜萃引用する(32ページから40ページ2行目まで)。

私が本を見てキーボードから一文字ずつ入力したものである。

(残念ながらエンピツでは、文字数制限を超えてしまい、全文収録出来ないので、ココログをご覧頂きたい。)


お読みになって分かると思うが、コンサート・マスターのオーディションを合格してもそれからの(安永さんの場合)1年半は毎回のコンサートが、

謂わば「試験」だったわけである。その後、投票があって、侃々諤々の議論の後に、正式に「合格」となる。その1年半のプレッシャーは察するにあまりあるが、

この対談が行われたのは、本の記録によると、1985年8月9日である。丁度、正式にコンサートマスターに就任した直後の対談だから、

細部まで安永さんもはっきり記憶していて、カラヤンにいきなり呼ばれて弾かされたり、会議の前に、「もし大変だから、辞退したらどうだ」と

本気で心配してくれた、ベルリン・フィルの同僚の話など、日本語で書かれた本で、安永さんのベルリン・フィルコンサート・マスター就任までの内幕が

ここまで生々しく記録されている本は他に無い、と思う。安永さん自身、正式にコンマスと決まったときは、あまりの事の大きさにわなわなとしてしまった、

というぐらいの重責を、四半世紀も務めたのが、安永さんであり、敬意を表するなと言われても無理で、

他の誰が何と云おうと(誰かが何かを言っている訳ではないが)私は安永徹さんを尊敬している。

吉田都さんは、既に紫綬褒章を受勲しているし、今年の文化功労者には指揮者の大野和士の名前があり、

それはそれで、大変結構なことで、否定する気など毛頭ないけれども、不公平だ、と言っているのである。


オーケストラのメンバーは大したことない、とでも思っているのかね?

駆け出しの指揮者などより、ベテランコンサートマスターの方が、大抵のオーケストラのレパートリーは、良く知っているのですよ?

それぐらいじゃないと務まらない。物凄いことですよ。先日、毎コンの話で、

コンクールというのは、「その日、その時、その場で」誰が一番上手いか、という、謂わば最大瞬間風速だ

と書いたが、コンサートマスターを四半世紀続けるということは、最大瞬間風速を25年間続けたようなものだ。

ホントに日本政府、教養ねーなー。いい加減分かれよ。

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