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JIROの独断的日記
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2007年10月27日(土) 10月27日はパガニーニ(1782〜1840)の誕生日です。

◆こういう人も必要なんですね。

リストはパガニーニの演奏を聴いて、音楽家になる決心をしたそうですが、

ある演奏家の一晩の演奏が他人の人生を変えてしまうのですから、やはり音楽の力は偉大です。

と、いいながら、パガニーニの作品は、どうしても聴かなければ気が済まないと言うほど、私には重要ではありません。

ただ、この人が生まれ、高度なヴァイオリン演奏技術を体得し、それまで他の作曲家が思いつかなかったような奏法を、

ヴァイオリニストに要求しました。パガニーニが現れ、ヴァイオリンの表現力は、極限まで引き出せるようになりました。

音楽の歴史に必要な人だったのです。



ヴァイオリン独奏曲24曲から成るカプリースは、プロになるような人は皆さらわねばならない。

その、一番最後の曲、24のカプリースから第24番は、変奏曲の形式を取っています。これが一番有名です。



ダウンロード CapriceNo24.mp3 (4554.8K)

難しそうですねえ。これを弾いているのは日本では全然無名のひとですが、1963年生まれのロシア人、カーラーという人。
無名ですが、上手いですよ。


◆ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」

今の曲のテーマに触発された作曲家が何故か非常に多く、ブラームスなんてちょっと関係なさそうだけど

「パガニーニの主題による変奏曲」というピアノ独奏曲を書いています。

リストは冒頭で書いたとおりの人ですから、当然書いてますね。「パガニーニの主題による大練習曲」(曲集です)

いろいろある中で、ラフマニノフ(1873-1943)というロシアのピアニスト・作曲家が書いたのが、デキが良いのではないかと思います。

この人は手が大変大きく、また優れたテクニックを持ったピアニストであったため、原曲のパガニーニが既に難しいのに、

それに、これでもか、これでもか、と難しい変奏曲を展開していきます。

「パガニーニの主題による狂詩曲」といいます(狂詩曲は「ラプソディー」に相当する日本語です)

序奏があって、主題が演奏され、その後、第24変奏まであります。一つ一つは短いのですが、

全部聴いていただくと25分近くかかるので、曲の冒頭から第10変奏までお聴き下さい。5分ぐらいです。



ダウンロード RachmaninovRhapsodyPaganini.mp3 (6367.8K)



これをラフマニノフが自作自演した録音が残っています。音は勿論悪いけれど、無茶苦茶上手いです。

現役のピアニストなら、こういうのはアシュケナージだと思います。私は。


◆無窮動

この曲には、カプリースのように重音、二重トリル、フラジオレット(弦を弱く押さえて倍音を出す)左手のピチカートというたぐいの

特殊技術は含まれていませんが引き出したら最後、延々と十六分音符を弾き続けなければならず、一旦つっかえたらお仕舞いになりそうです。

まず、ソロ(ピアノ伴奏はいますけど)でどうぞ。


ダウンロード MotoperpetuoSitkovetsky.mp3 (2933.7K)



ちょっと圧倒されませんか?これだけ早いのを「弾き続ける」

しかし、最近はレベルが高いです。以前、毎コンの予選で高校生の子が平気な顔をして弾いていました。

次は、録音が古くて恐縮ですが、とっくの昔に死んだトスカニーニという大指揮者です。

昔のクラシックファンはトスカニーニ=NBC響派か、フルトヴェングラー=ベルリン・フィル派かなどと言っていたようです。

トスカニーニ指揮・NBC交響楽団による無窮動。第一バイオリンの人たちだけが大変ですが見事に合っています。



ダウンロード MotoperpetuoNBC.mp3 (4383.4K)


すごいでしょ。オーケストラの弦楽器はいつでもそうですが、

ヴァイオリンなら十数名がユニゾン(同じ旋律を弾くこと)で演奏する訳です。

一本の線の上を皆で走っているようなもので、一人間違えて変な音を出したら直ぐ分かります。

我々は、プロの見事に「合った」演奏ばかり聴いているから、それが当たり前と思いますが、

実は大変なことなのです。これはちょっと適当なCDがありません。探します。


◆リストの「ラ・カンパネラ」の主題は、パガニーニ・ヴァイオリン協奏曲第二番第三楽章です。

ヘタクソで有名な、フジコ・ヘミング女史のファンに「ラ・カンパネラのテーマは誰が書いたのですか?」と訊ねたら(意地が悪いね)

多分100人中95人ぐらいは、「リスト」と答えるでしょうが、違います。

あれは、リストがパガニーニのヴァイオリン協奏曲第二番の第三楽章を敢えてつかったのです。

とにかくパガニーニ・ヴァイオリン協奏曲第二番第三楽章をどうぞ。


ダウンロード VlconcertoNo2Rondo.mp3 (6879.4K)



リストは、尊敬するパガニーニが書いたヴァイオリンコンチェルトのテーマを使って、全く違うピアノ曲を書いたのです。

パガニーニ、今の演奏は、最初のカプリースと同じ、カーラーです。

上手いですよ。この人。Naxosというレーベルは、口だけじゃなくて、確かにこのような、無名の優れた人材を見つけている。

大変いいことですね。それでは。失礼いたします。



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2004年10月27日(水) 「極東条項の見直し求めず」「牛肉輸入、安全配慮し進める」地震騒ぎの間に大変なことをパウエルと小泉が。
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