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JIROの独断的日記
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2009年10月27日(火) 「首相、被害実態の把握指示=防衛相「極めて遺憾」−護衛艦衝突」←事故の全容、原因が不明なのに陳謝する必要はない。

◆記事1:護衛艦とコンテナ船が衝突=双方炎上、関門海峡で−海自隊員3人負傷(10月28日0時15分配信 時事通信)

27日午後7時55分ごろ、北九州市と山口県下関市を結ぶ関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」

(基準排水量5200トン、柏原正俊艦長)と韓国籍のコンテナ船「CARINA STAR」(7401トン)が衝突した。

両船は船首が損傷し出火。くらま乗組員297人のうち1人が軽傷、2人が煙を吸い気分が悪くなったという。

海上保安庁や海上幕僚監部が事故原因を調べている。

防衛省は対策本部を設置し、榛葉賀津也副大臣を現地に派遣した。北沢俊美防衛相への第1報は午後8時10分だったという。

海保や海自によると、現場は関門海峡東方の関門橋付近で、くらまは佐世保基地に戻るため西向きに、コンテナ船は東向きに航行していた。

現場は関門海峡では最も狭く幅約700メートルで、潮に流されないよう3ノット以上の航行が義務付けられている。

港則法で右側通行が定められており、船舶が接近した際には互いに右側にかじを切って避けることになっている。

くらまは船首部分が壊れ、いかりを下ろせないが、自力航行は可能。船首にあるペンキ倉庫が焼けたが、

近くの弾薬庫が爆発する危険はないという。コンテナ船は右船首に穴が開き、午後8時半ごろまでに鎮火した。


◆記事2:海自護衛艦衝突 防衛相が陳謝 副防衛相を現地に派遣(10月27日23時43分配信 毎日新聞)

海上自衛隊の護衛艦「くらま」の衝突事故を受け、北沢俊美防衛相は27日夜、防衛省で記者会見し、

「国民の皆様にご心配とご迷惑をおかけして、極めて遺憾だ」と陳謝した。

北沢防衛相は事故発生後、鳩山由紀夫首相から「船の中で延焼しないよう、最善の処置をとるように」

と指示を受けたことを明らかにした。さらに、事故の状況を把握するため、榛葉賀津也副防衛相を現地に派遣した。


◆コメント:昨年のイージス艦「あたご」と漁船の衝突事故とその後の報道を思い出した。

新聞各紙が事故現場の写真を掲載しているし、テレビからも映像が流れている。

かなり、大きな火災が発生しているように見えるが、今のところ(2009年10月28日(水)00時35分現在)、死者は報告されていないようで、

不幸中の幸いである。


護衛艦と韓国籍の貨物船の衝突、つまり、自衛艦と民間船の衝突事故と言えば、昨年2月、

イージス艦「あたご」が直進しているその針路のど真ん中を漁船「清徳丸」が横切り、衝突した事故を思い出した。

あの時、マスコミ各社は、事故の全容も原因も不明な段階で、

清徳丸を右舷側に見て航行していたあたごに海上衝突予防法に基づく回避義務があったことが分かった。

と報じて、兎にも角にも「自衛艦が悪い」という先入観を世論に与えた。

断っておくが、私は自衛隊の存在意義は認めるが、軍事マニア、自衛隊マニアでもないし、改憲論者でもない。

この事故とは関係ないが、「集団的自衛権の行使は違憲である」という政府の公式見解を変更するべきではない、

と過去において何度も書いている。即ち「まず自衛隊擁護」という意思は全くない。


事実は客観的、論理的に観察するべきである、と述べたいのだ。

昨年2月、イージス艦と漁船の衝突事故が起きた直後から、自衛隊のみを批判するマスコミの論調は、

間違っている、と私は繰り返し書いた。それは、自衛隊と憲法解釈などとは無関係で、

物事をみるとき、特に世論に多大な影響を与えるマスコミは、冷静かつ客観的な視点に立つべきであることを、

強調したかったのである。当時、私がイージス艦・漁船衝突事故に関して書いた記事、
「イージス艦事故:「あたご」に回避義務」←事故の全容が分からない時点で当事者一方の責任を強調するべきではない。ココログ

「見張り、清徳丸を報告せず=「危険性ないと思った」−イージス艦衝突事故」←イージス艦「だけ」の責任にしたがる一面的思考ココログ

を、お読み頂きたい。


◆まだ、事故の全容も原因も不明な時点で、防衛相が「陳謝する」のは非論理的だ。

文章がくどくなるが、この手の記事を読むと早とちりする人が必ず頓珍漢なコメントを寄せるので、繰り返す。

私は、「自衛艦に責任がない」と主張しているのではない。分かっていることは、

27日午後7時55分ごろ、海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国籍のコンテナ船「CARINA STAR」が衝突した。

ただ、それだけである。事故の原因は不明である、と述べているのである。

そして、原因が不明な間は、特定の個人に責任があるのか否か。仮にあるとしてもそれは誰か、は全く分からない。

誰に責任があるのかどうかも分からない(船舶航行に関する知識を持ち合わせていないが)時点で、防衛相が陳謝する必要はない。

今のところ、マスコミの報道に護衛艦「くらま」が悪い、という論調は見られないけれども、

昨年の例に鑑み、放っておくと、日本のマスコミはこのような場合(自衛艦と民間船との事故)、

まず、「自衛艦に責任ありき」を前提とした報道をする傾向がある。

今は、事故からさほど時間が経過しておらず、マスコミは情報収集に奔走している段階であろうが、

明日以降、或いは、昨年同様、「とにかく自衛艦が悪い」という報道をする可能性は十分にある。


甚だ僭越だが、前段でリンクを貼った、私の昨年の記事をまず、ご覧頂きたい。

マスコミの報道がどのようなものになるか、まだ分からないが、報道がどうあれ、

事実を、冷静に、客観的に、合理的・論理的に、自分の頭で思考することが肝要である。

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